『だいすきっていいたくて』で家族を大切にする心を培う(坂本哲彦先生)

1 はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→ http://p.tl/a-TK-

2 概要

対象

小学校1・2年生

ねらい

ロラのテオを思う気持ちについて話し合うことを通して、家族を大切にしようとする心情を高める。4-(1)

学習内容

(1)ロラのテオを思う気持ち

  • 弟を思う気持ち
  • 家族みんなが互いを大切にし合う気持ち

(2)自分の生活について振り返って考えること

  • これまで、これからの生活
  • 家族を大切にしようとする気持ちの高まり

資 料

『わたしはだいじなたからもの』 カール・ノラック著 ほるぷ出版 2003年

絵本の概要

ロラにテオという弟がうまれた。御世話をしたくてたまらない姉ロラだが、だっこしてあやすのも、おもちゃを見せて楽しませるのも、ゆりかごをゆらすのもうまくいかない。テオは自分のことが嫌いなのではないかと悩むロラだったが、いつしか、テオがロラに向かってにこっとほほえむ。「テオは、もうわたしのことがすきだ」と安心するロラだった。

3 授業指導案(45分授業)

1. 資料を読み、感想を発表する。(10分)

  • 一人っ子の子どもへの十分な配慮を行いながら、授業を進めます。場合によっては、この資料を使わない方がいいこともあるでしょう。
  • 「今日は、楽しみにしていた弟が生まれた姉ロラのお話を使って勉強します。」と端的に伝え、資料全部を読み聞かせます。

発問1:「感想を発表しましょう。」

  • 資料への親和性を高めるために行う活動なので、ランダムに、自由な感想を引き出します。あまり時間を長くとりません。

2. テオに喜んでもらえないロラの気持ちについて話し合う。(25分)

発問2:「だっこしてあやすのも、おもちゃを見せて楽しませるのも、そして、ゆりかごをゆらすのもうまくいかないロラはどんなことを考えていたでしょうか?」

  • ①うまくあやせないのが悲しい、悔しい、②次は何をしたらいいか(と悩んでいる)、③お母さんやお父さんに助けてもらえばうまくいくかも知れない、④テオは自分のことが嫌いなのかな、⑤何とかテオに自分のことが大好きになってもらいたい、⑥自分は、テオのことが大好きだ、などが出てくるでしょう。
  • ここでは、子どもが自分の経験をもとに発言していると考えられますから①「あなたにも同じような経験がありますか?」とか②「あなただったらどうするでしょうか?」などと投げ返して、ロラの弟を思う気持ちに浸らせたいものです。特に、弟や妹がいない子どもにとっては、難しいので、大切な活動だと思います。

発問3:「テオがにこっと笑って目をつぶり、『うん』とお返事するみたいにこっくりあたまを動かして眠ってしまいましたが、この様子を見て、ロラは、どんなことを考えたでしょうか。」

  • 今回の学習内容の中心です。①弟に好きになってもらえてとってもうれしく思った。②これからは、もっともっとやさしくしてあげたいと考えた。③うれしくて、何も考えられなかった。④テオが自分を好きだと思っている以上に、自分もテオのことが大好きだと思っている、などが出るでしょう。
  • どれが正解などということはないのですが、特に①②はみんなで納得する必要があるでしょう。このような「人の感情に対する納得」というのは、論理的にこうだからこうなる、などというものではないので、「自分だったらそう思う、感じる」や「きっとそんな気持ちになるんだろうな、自分のこんなことと似ているのかもしれない」などといわゆる共感することが必要です。
  • 最終的に、「家族って言うのは、こんな気持ち、すなわち『互いに大好き』という気持ちに支えられている」ということに改めて気付かせます。小学校低学年なので、教師の方から、「皆さんも、家族の、例えば、お兄ちゃん、おねえちゃん、あるいは、妹、弟、または、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、いろいろな人のことが大好きだよね。時にはケンカすることもあるけど、一緒にいて安心するよね。」などと日頃、自覚的にとらえていない感情に気付かせるような投げかけをすることが大切でしょう。

3. 自分の生活を振り返って、ロラに手紙を書く。(10分)

発問4:「授業中に考えたことや、自分の家族のことなどについて、ロラにお手紙で伝えてあげましょう。」

  • ロラよりもテオに書きたいという子どもがいるかも知れませんので、どちらにも書いてよいなどの幅を持たせることがいいでしょう。
  • 家族を扱った読み物資料の場合は、それぞれの学級の実態や一人ひとりの感じ方などを十分考慮して授業化することが大切です。一人でも悲しくつらい思いをするのではないかと予想される場合は、あっさり、違う資料を使うなどの割り切りが必要だと思います。

引用元、参考

坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり 「だいすきっていいたくて」で家族を大切にする心を培う

http://sakamoto.cside.com/sakamoto2008/daisuki.htm

4 4. 編集後記

読み物資料が架空の話であったり資料中の登場人物の立場が児童の立場と大きく異なる場合、なかなか児童が登場人物に感情移入することができず、心に響く授業を行うことが難しくなります。「場合によっては今回の資料を使用しない」という選択肢もこの記事の中で示されていますが、このように柔軟に対応することも重要なポイントだと思います。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 菊池信太朗)

5 5 実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ) 山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。 山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。 自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com

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