「きいろいベンチ」でみんなでつかうものについて考える(坂本哲彦先生)

37
目次

1 はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→http://sakamoto.cside.com/

2 この記事で紹介する実践

資料

『きいろいベンチ』(東京書籍道徳副読本2年生)

対象

小学校2年生

ねらい

はっとした二人の男の子の気持ちを話し合うことを通して、他人への迷惑が想像できる人になることの大切さに気付き、みんなが使う物を大切にしようとする態度を養う。

4-(1)規則尊重・公徳心

準備

  • 副読本
  • ワークシート
  • 短冊黒板

3 学習内容

(1)公共心の理解

  • 私物との区別
  • 他への迷惑を想像する大切さ

(2)自分の生活について振り返って考えること

  • これまで、これからの生活
  • 公共物を大切にしようとする気持ちの高まり

展開

板書例

4 振り返り

一部を抜粋しております。詳しくは、以下をご参照ください。
http://sakamoto.cside.com/sakamoto2008/bench-2.htm

1 導入

  • みんなで「使う物」として「生き物」が出たのは意外であった。「みんなでかわいがっているね」と受け、そのまま流したが、すぐに「除外」と言うべきであった。
  • 「図書室」などの発言には、図書室の「何を」とか「どのように」など、具体を尋ねておくと終末に一層つながった。

2 展開前半

動作化は、紙飛行機もベンチもなく、単に想像だけでやると準備も楽だし、物に引きずられないこともあり、方法としては悪くない。動作化や役割演技の活動場面を、資料場面とそっくりに、あるいは実物のように演出することも悪くないが効果はあまり変わらないようだ。

3 展開後半

おばあさんの言葉を聞いて二人の男の子が「はっとした」心情を想像する活動では、前半とのメリハリをつけるため、また主発問であることから、「書く活動」にした。5分間であったが、児童はこちらが概ね意図していた内容を書いていた。

結局「使い方が悪かったな」という「改めての気付き」を押さえたにとどまったところ、「どんな使い方が悪かったのか」とか、そもそも「女の子の気持ちやおばあちゃんの気持ちと対比」することはできず、「悪かった感(度合い・感覚)」を強く捉えさせることができなかった。そのため、ねらいにある「他人への迷惑が想像できる人になることの大切さ」の学習内容の押さえが希薄になった。

4 生活を振り返る場面

「授業の感想(思ったこと、考えたこと)」程度に自由に書かせる中で、一人ひとりの子どもの生活の振り返りをねらうのが妥当だ。

5 実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページhttp://sakamoto.cside.com/

6 編集後記

公私の区別は生活の中で身につけていきますが、その主な場は学校だと思います。大人でさえ曖昧になってきている公共心を、授業の中で、身近なことを振り返りながら言葉にすることは、実生活の中で明確な線引きをすることができますし、他の児童からの意見を聴くことで、本当の公共心を身につけることができます。この実践では、指導案とあわせて、授業の振り返りも掲載されておりますので、是非参考にしてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 山下麻衣)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次