コイルに電流が流れると発熱することは、遊んでいる中ですぐに気がつく。そこで、この発熱現象を驚きを持って観察させるためにシャープペンの芯を使った実験をした。
発問1 これまでエナメル線に電流が流れると、エナメル線は熱くなりましたね。このようなしくみを使って、私たちのくらしの中に使われている電気製品がたくさんあります。どのような電気製品があるか知っていますか。
子ども達は、自分の家にある電化製品を思い浮かべながら、次のものをあげた。
・ヘアードライヤー → 熱い風を送って髪を乾かす
・電気釜 → 水を沸騰させて、米を炊く
・ホットプレート → プレートを熱くして、焼く
・発泡スチロールカッター → 発泡スチロールを自由に切る
・白熱電球 → エナメル線を光らせて、明るくする
指示1 発泡スチロールカッターを作ってみよう。
子どもたちは、大変喜んで発泡スチロールカッターを作った。いつもは扱いにくい発泡スチロールがおもしろいように切れていく。いろんな形を切り抜いては楽しんでいた。自分のイニシャルを作っている子どももいた。
発熱を体験したあとに、発光現象について考えることにした。
発問2 シャープペンの芯に電気を流したら、シャープペンはどうなると思いますか?
ふだん使っているシャープペンの芯が光る?これまで考えたことのなかった、質問に子どもたちは迷った。
< 熱くなる > 3人
・エナメル線ほどではなくても、ほんの少し電気を通して暖かくなる
< こなごな > 13人
・シャープペンの芯は電気を通さない。だから電気が詰まって爆発する。
< 変化なし > 6人
・電気は通らないと思うから、別に何も変わらない。芯は鉄でないから。
< 溶ける・燃える >3人
・シャープの芯は電気に耐えられなくて、燃えてしまうと思う。
< 赤くなる > 2人
・シャープペンの芯は炭と似ていて、炭も燃やすと赤くなるから。
< 光る > 2人
・ニクロム線に電気を流しているときも、赤く光ったから。
そこで、下の図のように回路を組んで、教師実験をおこなった。スライダックス(変圧器)の目盛りをだんだんあげていくと、シャープペンの芯は次第に輝いてきた。「オー」という子どもの歓声が聞こえてきた。最高に輝きを増したところで、芯が途中で切れ落ちてしまった。
説明2 このようにたくさんの電流が流れると、回路を作っている線は熱を持ったり、輝いたりします。私たちはこのことを生活の中でうまく利用しているのですね。
最後に、電磁石のしくみを応用した技術として、リニアモーターカーの作り方を紹介した。興味のある子が家で作ることができるものである。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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