ねらい
体の成長に伴って,手先や精神的な面も大きく成長していることに気付かせ,その成長の陰には家族の励ましがあったことを理解する。
展 開
前時を振り返る
VTRを見せる
VTRはOさんの家の赤ちゃんの様子を撮影したもの
”A君は生まれたときから自分一人で御飯を食べることができただろうか’
赤ん坊の泣き声をテープによって聞かせる
・哺乳瓶で飲ませてもらっていた。
・歯がないので食べれない
赤ん坊の絵を掲示する
オギャ−と泣くときはどんなときだろう
~
・おなかがすいたとき
・生まれたとき
・いじめられたとき
・おしっこやうんこをした
・赤ん坊が泣くときにはいろいろな場合があることに気付かせる
「オギャ−」と泣いている赤ちゃんの言葉は,お母さんに意味が通じているのだろうか
【通じている】
~
・自分の子供だから
・自分で育てているから
~
・通じなかったら自分の子供じゃない
・オギャ−のなき方も少しづつなき方たが違う
【通じていない】
・なんだか分からない
・どれも同じオギャ−だからわからない
・赤ん坊は「オギャ−」と泣くことでしか自分の感情を表現することしかできないことに気付かせる};
鳴き声の違いから母親が,今,赤ん坊がどんなことを考えているか分かろうとしていることに気付かせたい。
赤ん坊のときと比べてできるようになったことは何ですか
○赤ん坊のときの自分と現在の自分を劇化させてその成長を認識させる。
・歩くこと
~
・喋れるようになったこと
~
・勉強がでるようになった
~
・絵が描けるようになった
・自分は自分の力だけで成長したしたのではないことに気付かせる
みんなは誰のおかげで成長したのだろう
お父さん,お母さん,家族
小学校の先生,保育園の先生 看護婦さん
考察
第6時では,赤ん坊の泣き声をもとにして,体だけではなく,手先や精神的な面も大きく成長していることに気付かせ,その成長の陰には家族や周りの人の励ましがあったことについて理解させようとした。授業の始めでは,第5時に使った資料(身長や体重の変化)をもとに,からだが年々大きくなってきていることを確認した。次に,VTRで赤ん坊の様子を見せて,赤ちゃんは生まれてすぐには自分の力では何もできないことについて捕らえさせた。自分では何もすることのできない赤ちゃんであるが,「オギャ−」というたった一つの方法で自分を表現することができる。母親は,赤ん坊のほんのわずかな泣き方の違いから,今どんなことを赤ん坊が望んでいるのかを敏感に感じ取ることができる。母親が赤ん坊のどんな小さなサインも見逃すまいとしていることを理解させるために「オギャ−と泣いている赤ちゃんの言葉はお母さんに通じているのだろうか」と発問した。始めに,通じていると考えた子供が26名,通じていないと考えた子供が10名であった。話し合いをしていく中で,「自分の子供だから分かるはず」「自分で育てているんだから分からないと自分の子供じゃない」「赤ちゃんだってオギャ−と泣かないとなんにもしてもらえなくてしんじゃう」といった考えが出され,最終的に35名の子供が,赤ちゃんの言葉はお母さんに通じていると考えるようになった。
その後,自分自身のことを振り返り,「赤ちゃんのときに比べてできるようになったことは何ですか」と尋ね,体だけではなく,手先や精神的な面も成長してきたことに目を向けていった。子供たちの中からは,できるようになったものとして,歩けるようになったこと,喋れるようになったこと,勉強ができるようになったこと,絵が描けるようになったことなどがあげられた。ここでは,実際に劇化をすることにより,成長の様子が目で見えるようにした。
最後に「このようにいろいろなことができるようになったのは,自分一人だけでできるようになっただろうか」と尋ね,成長の陰にはいろいろな人の励ましや援助があったことに気が付かせていった。子供たちはこの発問に素直に反応し,自分が今までに世話になった年上の人達がすべてがあげられた。
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