複雑な指導状況
指示は一回で通したいものですが、PC室や図工室等での実技面の作業であった場合は、子供達が始めて体験することが多いので、なかなか子供達が指示を理解しにくい。特にPC室であれば、たくさんの不具合が発生して教師が質問攻めに会い、パニックを起こしてしまうこともあります。
「コンピュータを授業に使わない」という先生方の中には、トラブル対処と対処を求める子供の声がうっとうしいという方は多いと思います。
実際問題、教師だってそれほどパソコンが得意なわけではありません。
「ディスクトップ上の××というアイコンをクリックしなさい」という指示を出しただけでも、
・ アイコンの位置がわからない子供
・ アイコンのダブルクリックができない子供
・ ダブルクリックが遅くて、「名前の変更」状態になってしまっている子供
・ ダブルクリックの際にドラッグをしてアイコンをどこかのフォルダなどに移動させてしまう子供
・ 反応が遅いので何度もクリックしてたくさんのファイルを開いてしまう子供
・ アイコンのリンク切れやプログラムの不具合がある場合
・ コンピュータそのものに不具合がある場合・・・ノートパソコンなら電源が外れて充電切れなど
と、何種類もの「わかんない」が発生するケースが出てきます。
誰かがハブの電源に足をひっかけてネットワークが停止してしまうことだってあります。
それぞれの原因を確かめ、対処していたのでは教室は騒然となってくるし教師もたまったものではありません。子供は調子に乗って、「センセーセンセー」と連呼するし、「ワカラナーイ」と大声で不満の声をあげるようになってきます。
指示と約束
さて、そこで、「一回で話を聞かせる1」を踏まえながら、PC室では次のような指示や約束をしておくといいと思います。
1.「コンピュータ室ではうまくいかないことがたくさん起こる」ことをまず子供に説明しておく。
2.「先生にも分からないことはたくさんある」ので、あせらず問題を解決するようにこころがけさせる。
3.約束:聞きたいことがある場合は、両隣(または両隣とその隣の4人)の人に一度聞いてみてから、質問をすること。
4.約束:分かっている人は、キチンと教えてあげること。
5.約束:先生は一人しかいません。分からないことがあったら、すぐに先生を呼ぶのではなく、先生が人に教えていないときを見計らって、黙って手を挙げて待ちなさい。
6.約束:声を出して「先生」と呼んだ人は後回しです。大声で「わかんない」という人も後回し。
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など、しっかりと始めにルール作りをしておけば、子供たちは教え合いながら学習を進められるようになります。
何でもそうですが、あまり丁寧に指示を出していると子供は推論して手探りで作業を進めることができなくなってきます。ダブルクリックでお手上げになっているようでは話になりません。
「自分で考えてみなさい。」
と、突き放すことも大切です。
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