日本の食糧自給率は低く、多くを輸入にたよっていることがわかってきた。食品の表示を見比べることで、自分たちの食生活を見直し、安全で健康によく、環境にも優しい食料生産を進めていくことの大切さについて考えた。
食品衛生法(厚生労働省)やJAS法(農林水産省)では、次のような内容の表示が義務づけられている。
- 名称
- 原材料及び使用した添加物
- 原産地
- 製造者又は加工者の氏名と所在地(輸入品の場合は輸入業者氏名)
- 消費期限または賞味期限
- 保存方法
- 内容量
- 遺伝子組換え食品の表示(大豆・とうもろこし・じゃがいもなど)
- アレルギー原因物質を含む食品の表示(小麦・そば・卵・落花生・乳)
この表示は、食品のパッケージによく書かれているので、子どもにとってもなじみ深いものである。
次のような4種類の納豆の表示(架空)を提示した。
どの納豆から順番に買いますか?
一番目と四番目を決めて、そのわけを教えて下さい。
まずは自分の考えを立ててから、班の人で話しあった。
その結果は、次のようになった。
1班 2班 3班 4班 5班 6班 7班 8班
一番目 D D D D AかD D D D
四番目 C C C C C A C C
一番目はDに集中し、四番目はCに集中した。その理由を尋ねると、
〈一番目はDにする〉
- 無添加で原産地が国内産だから。
- 遺伝子組み換えでもなくて、賞味期限もしっかりあるから。
- 日本産だし、薬を入れてなくて消費期限が書いてあるから。
- 無添加だし、消費期限も遅いし、遺伝子組み換えでないから。
〈四番目はCにする〉
- 原産地が日本じゃなくて、安心してできないから。
- 信用したくない。国産じゃないから。
- 国産じゃなくて、個人で作って販売しているから何かイヤ。
- その日のうちに食べなくてはいけないから。
全員では話し合うと、家族で話した内容が出された。
- Aは4番目。防腐剤が入っていて変な感じがしそうだから。
- ペットボトルのお茶は、防腐剤が入っているから買わないようにしている。
- コンビニのおにぎりは、添加物がいろいろ入っていてよくないから、お母さんがいつも作ってくれる。
またAについては、一番目と四番目で意見がわれていたので、その理由を尋ねた。遺伝子組み換えをしているかどうかがポイントになった。遺伝子組み換えについては、最初にその意味を次のように説明した。
遺伝子組み換え食品:人間が遺伝子という部分を操作して、人工的に作った食べ物。自然の状態では存在しません。
〈Aは一番目にする〉
- いろいろと研究して、人間にとっていい物をつくっているから。
〈Aは四番目にする〉
- 自然のものではないから、何となく心配。
- もしかしたら体に悪いものかもしれない。
理由を聞くと、それなりに納得できる。しかし現状では、日本の消費者は、遺伝子組み換え食品を好まず、こうした食品を作ってもほとんど受け入れられていないことを説明した。
最後に教科書を読みまとめをした。教科書では、次の4つの視点を示している。安くて便利でも
- 本当に安全な食料か?:産地や品質、遺伝子組み換え食品
- 健康によい食料か? :インスタント食品、冷凍食品、原材料
- 環境によい食料か? :季節外れの野菜(大量の石油消費)
- 食料も大切な資源では?:残さい
今回は、値段が一律100円としたが、値段によっても選ぶ商品が変わってくると思われる。値段についても要素の一つに入れてもいいかもしれない。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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