「家庭科でミシン」という難関

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目次

1 ミシンの台数不足と不調

家庭科室にどれくらいのミシンがありますか。
そのうち正常に動くものはいくつありますか。

高学年のミシンを使った授業で苦労をしている教師は多いと思います。小学校の家庭科室に導入されているミシンは型が古いものが多く、台数もあまりないというのが一般的な状況ではないかと思います。メーカーが違うミシンが導入されていることも少なくなく、指導をしづらい面があります。台数を増やしてどんどんと作業を進めていきたいところなのに、35人に対して好調に使えるミシンが5台程度であった年もあります。触るなと言っているのに子供たちが調整装置を触って調子がおかしくなることもしばしば。下糸のフォルダーに糸が巻きつき、回復に時間をかけている間にまた不調なミシンが1台…

いくら丁寧に説明をしてやらせてみても、子供たちは「わからない」「壊れた」を連発し、先生コールに教師は振り回されるといった状態になりがちです。最近はミシンを所持していない家庭や持っていても使わない家庭が増えており、経験のある子供が周りの子供に教えてくれるということもあまり期待できません。この難関をどうやってしのいでいくか、いくつかのアイデアを書いてみます。

2 映像や画像でポイントを説明する

教科書にも糸のかけ方などを説明した図や写真が載っていますが、学校のミシンとはメーカーや型が違っているような場合も多いと思います。
そこで、模造紙等に写真を貼るなどして、ミシンの糸のかけ方などを提示しておくと子供たちもそれを見ながら作業を進めることができます。あるいは机の近くに図入りの説明書を置いておき、いつでも子供たちがそれを見ることのできる状況があれば、自学自習をしてくれる可能性も膨らんできます。
もし余裕があれば、ビデオで動画としてミシンの使い方を録画しておき、授業中にそれを繰り返し放映すれば、より具体的に子供たちの手助けをすることができます。

上糸を通す順番をシールなどを貼って数字を書き、分かりやすくしておくのもひとつの方法だと思います。

3 子供専門家を作る

全員に説明して分かるようにするのは難しいです。なにしろ台数が少ないですから、実際に触れるのは数人です。教師がそばで説明しないと分かりにくい部分もあります。

ですから最初から全員に分からせるのはあきらめて、事前に器用な子供たちを集めて、少人数で指導します。上糸をかける専門家、下糸のセットの仕方の専門家、下糸を巻き取る専門家など、専門家を作って分からないときはその子供たちに聞くようにします。専門家がお手上げの時だけ、教師に声をかけていいというルールにしておけば、少しは先生コールが減ります。

4 教室に1~2台を置いて

たくさんのミシンを扱うと、必ず不調なミシンが出てきて、それを使っているグループの活動ができなくなってしまいます。教師も回復作業に手を取られてしまいます。作業は遅れ、ストレスがたまっていきます。

そこで、ミシンを教室に持ち込んで、教師の管理下でずっと好調な状況を作っておいて、休み時間や給食の待ち時間にさせます。たくさんのミシンがあるとどんどん作業が進むように思えますが、少数精鋭で確実に仕上げさせた方が効率が良い場合もあります。

5 親を呼ぶ

ちょうどいい機会として、親を呼んで手伝ってもらうのもいいかもしれません。

6 中学校に出向く

中学校には家庭科教師もいて、ミシンが整備されている可能性もあります。もし中学校を頼ることができるなら、近隣の中学校に昼から出向かせてもらってミシンを貸してもらうというのもひとつの方法であるかもしれません。(実際にやったことはありません)

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