三年とうげ~トルトリは言い伝えを信じていたか

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目次

1 場面を動作化して

トルトリがおじいさんの見舞いにやってきて、励ます場面である。ここでおじいさんは布団から顔を出したのであるが、劇をやらせると子どもによってその顔の出し方に違いがあった。
〈がばっと〉顔を出す子とを〈のそっと〉顔を出す

この2種類に分けられた。

そこで

おじいさんが布団から顔を出すのは〈がばっと〉とでしょうか、それとも〈のそっと〉でしょうか。

これには子どもたちの意見が分かれた。

〈がばっと〉がいい

  • おじいさんは早く病気を直したいと思っていてトルトリに直ると言われたから。
  • おじいさんは早く直したいから「直るよ」と聞いてがばっと顔をあげた。

〈のそっと〉がいい

  • 絵を見るとおじいさんは、のそっと顔を出したように見えるから。それにトルトリの言っていることは嘘かもしれないから。

2 おじいさんの気持ちの変化に注目させて

‘おじいさんの気持ちが完全に変わったところはどこですか? おじいさんの気持ちが完全に変わったところが分かると、どちらがいいか分かるよ。

“「なるほど、なるほど」そしてふとんからはね起きると”のところ〈のそっと〉がいい

トルトリの言ったことは嘘かもしれないから。おじいさんは〈のそっと〉した。

まだおじいさんは本当に直るかどうか信じていないから。”

トルトリはまだ直す方法を言っていなくて、“おいらの言うとおりにすれば治るよ」と言っているだけだから、まだ直るかどうかわからない。
このように、まだこの段階でおじいさんは半信半疑だったことに気づいた。このほかにも“しばらく考えていました”“ばかな、わしにもう一度死ねというのか”などの表現からもこのことがうかがえる。

しかしトルトリの言っていることはこれまでの言い伝えと全く逆のことを言っている。トルトリは言い伝えのことをどう思っていたのだろうか

3 トルトリは言い伝えのことを信じていたのだろうか?

〈信じていた〉

トルトリはおじいさんを元気づけるために“一度転ぶと3年生きるんだろ”といったけれど、昔からの言い伝えは信じている。

〈信じていない〉

トルトリはおじいさんを元気つけようとして言い伝えと反対のことを言っている。言い伝えのことは信じていない。

トルトリは言い伝えと反対のことを言っている。自分で作っちゃったのを信じている。嘘をついておじいさんを勇気づけている。

“3年きりしか生きられぬ”は言い伝えだから本当に当たっているかどうかは分からない。

トルトリは元々言い伝えを信じていないからおじいさんが完全に死ぬとは思っていない
だんと主題に近づく発言が増えてきた。言い伝えをそのまま信じた村の人とそんなことに惑わされなかったトルトリが対比されていて面白い。

村の人 :言い伝えを信じた
→おじいさんは死んでしまう

トルトリ:言い伝えを信じなかった
→3年とうげでもう一度転ぶんだよ
ここでは「おじいさんは死んでしまうとトルトリは思っていましたか」という発問がよかったかもしれない。

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