1 カワセミに着目して
五月と十二月を比べて五月の方が明るい世界だということを様々な観点から見つけることができた。五月には“カワセミが魚をとって食べた”という事件が起きている。このカワセミのしたことが五月に暗い陰を落としている。ではカワセミのしたことはいけないことだったのだろうか。その点について考えてみた。
カワセミのしたことは悪いことだろうか。
全員〈しかたのないこと〉と考えた。生きるために殺生するのは自然のおきていたと考えたようだ。
〈しかたのないこと〉
自分だって食べて生きているのだから、食べなければ死んでしまう。だから、生きるためにはしょうがないことだと思う。
鳥だって生きるために、しかたなく魚をとって殺して食べているだけだから、しかたがないことだと思う。
生きていくには、何かを食べなければならないから。
しかたないと思う。食べなければ生きていけないし、もし悪いことだったら、私たちも悪いことをしている。自然のおきてみたいなものだから、このことを悪いとかやってはいけないとか言っていたら、みんな生きていけないと思う。
カワセミは生き物で何かを食べないと死んでしまう。でも川にいるカニから見れば、こわいとか嫌だと思うかもしれないけれど、生きていく中では、誰かが犠牲になることがあると思うからしかたないと思う。
このようにノートに考えをまとめたあと、意見交換をした。
カワセミのしたことは悪いことだろうか。
〈しかたのないこと〉16人
- カワセミが魚をとるのは自然の仕組みだから、
- カワセミだって何かを食べないといけない。人間だって同じように、生き物殺して食べている。
- 生きるために魚をとっている。
- 生きていくために殺している。
- 自分が生きるためにやったこと。
- 誰かが犠牲になって生きている。
2 カワセミが象徴するもの
このように全員の意見が一致したところで、カワセミの象徴しているものについて考えてみた。「象徴」というのは難しいので、五月やカワセミの話に似合う言葉を見つけルといいよ、と声をかけた。
カワセミの象徴しているものは何だろう。
一度黒板に言葉をいろいろ出したあと、自分がいいと思うものに挙手させた。子どもたちに支持されたものは、
- 弱肉強食。
- 自然の厳しさ
- 自然の怖さ
- 自然の仕組み。
- 死
- 暗い
であった。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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