かさをかぶせてもらったじぞうさまは、歌を歌いながらやってくる。
六人の じぞうさ
かさこ とってかぶせた
じさまの うちは どこだ
ばさまの うちは どこだ
この歌を何度も読んだあとに、気がついたことを発表させた。
じぞうさまが歌っている歌で、気がつくことはありますか?
- こんな夜に誰だろう
- 誰が来たのだろう
- ありがとう
- 嬉しがっている
文を何度も読ませていると「この文はおかしい」という発表が二人の子からあった。どこがおかしいのか聞くと
この文はおかしい
- かさをかぶせたのは、じいさまだけで、ばあさあまは、かぶせていないからおかしい。
文をよく読み、鋭いところに気づいている。そこでこれを取り上げた。
じぞうさまが歌っている歌は、間違っているのですか?
まずは自分の考えを○、ラで書き、周りの子と相談をさせた。あっちこっちで熱心に話し合っているのが分かる。
間違っている 5人
かさこをかぶせたのはじいさまだけ
かさこをついでにかぶせただけ
正しい 26人→31人
ばあさまが”かさここさえて町さ売りにいってらもちこ買えんかのう”と言ってかさこを作ることにしたから。
”じいさまとばあさまは土間におり、ざんざらすげをそろえました…”と書いてあって、ばあさまもかさを作ったからこれでいい。
ばあさまもやさしい人だから、じぞうさまもお礼をしたくなったんじゃない?
じぞうさまの歌は正しいと考える子が最終的に、31人になった。ばあさまの協力なしには、かさを作ることはできなかったし、ばあさまの普段からの優しい心遣いなくしては、じいさまもかさこをあげる気にならなかっただろう。授業の終わりの「ばあさまもやさしい人だから、じぞうさまもお礼をしたくなったんじゃない?」という発言がとても印象に残った。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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