「サッカー」チーム編成を工夫する

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チーム編成は、平均的な力になるように組むのがいいと思いますが、生活班などをそのまま流用すると力の差が大きく開くことがあります。そんなときは、「負けている方に先生は入ります」といって、平均化を図りましょう。先生が入ると「先生、入らないでよー」と、文句が出ることがあるので、「弱いチームにぼろ勝ちしてもうまくなりません。自分たちより少し強いチームとやるぐらいの方が成長します。これは、練習でうまくなるためにやっています。勝つためだけにやっているわけではありません。君たちが文句を言う事ではありません。」と、つっぱねましょう。

男女別がいいのか、男女混合がいいのかはクラスの実情にもよると思います。男子(得意な子ども)がアシストに専念するという気持ちがあれば、男女混合もいいかもしれません。

地元にサッカー(バスケ)のクラブチームがある場合、経験者と非経験者の力の差がものすごく開いている場合があります。下手をするとその子供たちがワンマンプレーをし、差別的な雰囲気で授業が進んでいきます。そんな予感がするときには、「サッカーを今までにクラブチームで教えてもらったことのある人」と、起立させ、「この人たちは、みんなより上手です。この人たちの役割は、”サッカーの面白さ”をサッカーをやったことのない人たちに伝えることです。もし、この人たちがみんなにエラそうにしたときには、先生に言ってきてください。退場させます。」とぐらい、言っておきましょう。

ちょっと変わったやり方ですが・・・。

目次

1 最強チームを作る。

まず、ベストメンバーを選んで最強チームを作ります。特にサッカーは素人ほどボールに集まってしまいますので、ボールに集まらなくてもパスを通せるチームを作っておくと、相手もボールに集まることができなくなります。自然にマンツーマンが生まれてきます。最強チームには「他のチームを育ててあげる」ことと、「最強チームの相手のチームに先生が入る」ことを約束の上で編成しましょう。平均チームにいるときはメンバーのミスにただただ厳しかったような子供でも、最強チームに入れて人を育てるという役割を与えることによって誇りを持たせることができます。最強チームに何人かゲスト(未経験者)を入れて、ゲストにボールを回してあげるように指示すると、ゲストもそこで育ちます。たとえば、最強メンバー4人+ゲスト2人というように。ゲストは1試合ずつ交代させます。

2 ガンバレチームを作る。

そんなことをしてもいいのかとの声も聞こえてきそうですが、かえって子供が育つ場合があります。上手な人と混ざっていると気後れしてボールに触れない子供も、自分と同じぐらいのメンバーなら積極性を発揮できることがあります。「下手な人」とか、「最弱チーム」という表現は避けた方がいいですね。「修行チーム」とか「ガンバレチーム」とか命名して、「今日の試合でボールに触る回数が少なかった人を6人言います。この人たちは、これからガンバレチームで少しの間、修行してもらいます。」と言って、メンバーを発表します。一方、がんばれチームの対戦相手チームには「この人たちをみんなでボールに触れるように育ててあげましょう。対戦するときは、少し手加減をしてあげてください。」と、言います。もちろん教師は最弱チームに入ってボールを回します。パス回しの最もうまい子供をガンバレチームにゲストとして招き入れるのもいいと思います。

最強チームとガンバレチームは必ずしも両方作ることはないと思いますし、目標を達成したなら、短期間で解散させるのもいいと思います。子供たちに、「手加減やアシスト・声かけをして、クラスの仲間を育てる」という意識をきちんと持たせることができれば、ガンバレチームを解散して平均チームに戻したときに「○○さんが、うまくなった」「○○さんがシュートを打った」などと、彼らの成長を讃える声が上がってきます。実際、20分ほどガンバレチームを指導した後に平均チームに戻しただけで、ぐぐぐっと全体のレベルが上がり、差別的な態度が支援的な態度に変わりました。

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