充実した授業のために
総合的な学習が教員にとっても児童にとっても、充実しているとは言いがたい時間になってしまってはいないでしょうか。
教員が準備不足ではだらだらと過ごしてしまう時間になってしまいますし、だからと言って充実した学習になるように準備をしようとすると相当な時間を要することになってしまいます。例えば、3クラスの学年担当で話し合いを持ちながら総合の計画・準備を進めようとすると、少なくとも週に1時間ぐらいは集まらなくてはなりません。
- やみくもに学年全体で動こうとする
- 学年担当教員で熱意や技量に温度差がある
- 計画が大がかりで複雑なため、場所・人員・時間等が調整しにくい
など、話し合いがうまく進まない要素がたくさんあります。
そもそも、総合の組み方をどうやっていますか?こんなパターンが多いのでは。例を表にしてあらわしてみました。3学級、週3コマ、学年担当は加配教員を含めて4人とします。
パターン1:全員の学年担当で全員の児童を指導する。
全3組の場合、
1コマ目:教員4名全員
2コマ目:教員4名全員
3コマ目:教員4名全員
のべ4名×3人=12人の教員を要します。さらに、教員全員が関わるため、どの教員も学習内容を把握しておく必要があり、T1(中心になっている教員)にとっては他の教員が上手に動けるように気を遣わなくてはなりません。4人が3コマ分の準備に関わるわけですから、のべ12コマ分の教材研究時間を労働力として費やしたことになります。
もし、中心以外の教員が下手なかかわりになってしまえば、それは、アルバイトの学生にでもできるような業務であり、高い給料をもらっている教員がするにはもったいない仕事になってしまいます。
パターン2:加配教員が全授業に関わる
1コマ目:1組⇒担任+加配教員、2組⇒担任+加配教員、3組⇒担任+加配教員
2コマ目:1組⇒担任+加配教員、2組⇒担任+加配教員、3組⇒担任+加配教員
3コマ目:1組⇒担任+加配教員、2組⇒担任+加配教員、3組⇒担任+加配教員
加配教員の入り方にもよりますが、のべ9人〜18人が必要です。さらに、担任一人一人がT1となって学習内容を把握する必要が出てきます。最低でものべ9コマ分の教材研究時間を費やしたことになります。 加配教員がT1となるパターンも考えられますが、担任が少し楽な分、加配教員の教材研究が大変になってしまいます。加配教員は他教科・他学年にも関わっていることが多いため、けっこう重荷になるのではないかと思われます。
パターン3:専科制にする
学校現場はコスト意識に欠けるところがあり、効率を考えずに仕事をしてしまう場面がよくあります。では、効率的にするには・・・。総合的な学習を部分的な専科制にするといいです。
1コマ目:1組⇒1組担任(環境)、2組⇒加配教員(福祉)、3組⇒2組担任(情報)
2コマ目:1組⇒2組担任(情報)、2組⇒1組担任(環境)、 3組⇒加配教員(福祉)
3コマ目:1組⇒加配教員(福祉)、2組⇒2組担任(情報)、3組⇒1組担任(環境)
こうやってしまえば、1人1コマ分の教材研究時間を費やせばいいだけになります。3人が関わりますので、のべ3コマ分です。その上、3組担任は空き時間となります。次の週は3組担任が「健康」を担当し、2組担任が空き時間・・・と言う風にまわせます。教員にとって、それぞれの得意な内容を指導すればいい上に、教材研究が絞り込まれるため、&color(red){授業の内容が充実します。実際にこのようにやっているのですが、子供たちも本当に楽しそうです。年間を通してずっとこの形をしているわけではありません。いくらかの期間だけ、部分的にこのような方法でやればいいと思います。};
英語活動も入ってきていますので、上手に分担をしながら、それぞれの得意な分野を指導することが子供にとっても充実した時間を生み出す結果になるのではないかと思います。(ただし、英語活動は担任が行う事が推奨されているようですが・・・)
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★小学校での教科担任制
★総合的な学習の時間を分担する
★道徳の時間を分担する(単元担任制)
も、ご参照ください。
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