説明文の授業はやりにくい?
説明文の授業は単調になりがちで、子供からも教師からも敬遠される傾向があるのではないでしょうか。
段落分け、段落ごとの要約、段落間の関係性(文章の構造)、文章全体の要旨・・・
クラシカルな指導をやっていると、あまり盛り上がることもなく、ルーチンワークで授業が終わってしまうことがあります。ワークシートを作って、段落ごとの要約を書かせていくというパターンがよく見られますが、文章を読み慣れていない子供にとってはちょっと苦痛なのではないかと思ってしまいます。
読み取る力がないと、文章全体の意味さえ把握できていないという子供がいるままに授業を進める結果になります。全体の意味がわかっていない子供が、部分(段落)の要約をねちねちとやってみても、おそらく面白みはあまりないのではないでしょうか。
ぼんやりとした文章の把握を少しでも明確にとらえさせるために、何をしていけばいいのでしょうか??
私は、まず最初に、「キーワードの洗い出し」をします。
キーワードを洗い出す
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1.すぐに思いつくキーワードを洗い出します。たとえば、「ありの行列」という題の説明文なら、「あり」と「行列」です。「巣」や「さとう」などもすぐに出てきますね。キーワードうんぬんを言わず、まず、「これって何の話」と聞いてみれば、「ありの話」「ありの行列の話」「ありが巣に戻る話」「ありが砂糖をちゃんと巣に持って帰る話」
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2.キーワードとは、「鍵」「言葉」です。「鍵」は「大事」ですね。つまり、大事な言葉です。(学年に応じてゆっくりあるいは手早く説明する)
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3.1で出てきた発言から、「あり」「巣」「穴」「砂糖」などの間違いなくキーワードになる語を挙げて、それ以外のキーワードを5つ考えさせます。考えたら、マジックで短冊状の紙に書かせ、黒板に貼らせます(磁石がたくさん要ります)。短冊には、小さく名前も書かせます。
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4.同じキーワードは、同じところに貼らせます。最後にクリップ型のマグネットで束ねます。
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5.キーワードが初出する順に並べます。早くできた子供3人ぐらいに交通整理させてもいいですね。
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6.キーワードを選んだ理由を発表させます。「なぜ、それを大事だと思ったのですか?」
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7.友達が選んだキーワードが出てきているところに線を引きます。(うすい色のアンダーラインや黄色で塗っていくのもいいかもしれません)
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洗い出したキーワードを活用する
とりあえず、ここまでです。漢字の指導などと併せながら、2時間ぐらいでできます。
不思議なことに、子供たちはけっこう大事な言葉がわかっています。読み取りの苦手な子供が思いがけない重要語句を見つけている場合もあります。ざっとキーワードが並んだ時点で、ぼんやり読んで理解していた文章全体が、少し輪郭を見せ始めて意味をつかむことができ始めます。キーワードの線を引いた時点で、ざっと文章を俯瞰したような気分になることができます。
この後の授業で、精読・要約などをしていく際に、子供たちが見つけたキーワードを取り上げながら授業をしていくと、自分や友達が見つけたキーワードが採用されてゆくので、興味を持ちながら進めることができます。
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