保護者の方々からのご指摘、クレーム。
本当にためになるもの、全くもって理不尽なもの、自分だけはどう対処しようもないもの・・・
実際、いろいろとあります。
先日、図書館である本を見つけました。
強烈な保護者のクレームを集めた本でした。
「これ、本当に?!」と思うほどのものがいっぱい紹介してありました。
「授業参観で仕事を休んでるんだから、その分の日当を払ってください。」
「先生たちは毎日夜の補導に出て、生活指導部長である私の家まで報告してください。」
「うちのたかふみくん、給食がまずいって言ってるんです。そんなもの食べさせてるのにお金をとるって、おかしくないですか?」
http://mo-blog.mo-blog.jp/kouryakuhou/images/2010/08/28/828.jpgここまで極端なのは、私も経験ないです。
こういった種のクレームはとりあえず別として、教育に対する保護者、社会全体の目が厳しくなっている今、保護者の方々の学校に寄せられる声というのも多くなってきています。
これらにうまく対処していくのも、先生に必要な能力の一つです。
その対処の仕方として、ありがちな、まずいやり方。
「私は教師であり、教育に関して多くの実績をもっています。今回ご指摘いただいた点も、私の理念から行っていることであり、そこには・・・という深いねらいがこめられているのです。もし、それがおかしいというのであれば・・・」
学校の先生は、えらそうになりがち。
ある先生は「素人は教育に口を出さんでください。」
と言って、ひんしゅくをかってしまっていました。
普段、子どもの前でえらそうにするのに慣れてしまって、保護者に対してもこのような態度をとってしまう人がいます。
このような対処の仕方では、どれだけそれがもっともらしいことを言っていても、保護者との溝は深まるばかりですね。
保護者の方から声が寄せられた場合、たとえそれがどんなに耳に痛いクレームであったとしても…
1. 心から謝罪する
2. お礼を述べる
3. クレームの内容を徹底的に聴く
という姿勢をもっていたいものです。
謝罪
「そうでしたか。それは、私の配慮が欠けていました。誠に申し訳ありませんでした。」
お礼
「たくまくんのことを(クラスのことを)思い、ご丁寧に教えてくださって、ありがとうございます。」
聴く
「・・・という点について、ぜひ詳しくお聞かせください。今後の学級経営に必ず生かしていきたいと思います。」
「クレームに対する自分の考えを述べる」というのは入っていません。
それは二の次だと思います。
大事なことは、このやりとりを通して、先生と保護者の関係をよくするということだと思います。
どんな理不尽なことであっても、まずは謝罪しましょう。
熱心にも手間をかけて連絡してくださったことにお礼を言いましょう。
そして、相手の意見をとことん聴きましょう。これでもかというほどつっこんで聴くことで、相手の気持ちはおさまってくるものです。そして、そのクレームが正しいことなのかが、明らかになってきます。
このような真摯な態度の先生に、保護者は信頼を感じくれます。
これからも長く付き合っていく保護者です。
もちろん、すべてのクレームに対して「おっしゃる通りです」とこびをうるわけではありません。
この「謝罪」「お礼」「聴く」のあとに、先生という立場から伝えたい必要なことがあれば、それは丁寧に伝えよう。
この対処の仕方は、一般企業の社会人と同じです。
企業は顧客の信頼を損ねて、顧客を失うことは絶対にあってはならない。
相互の良質な関係こそが、企業の運営の命なのです。
そういう考え方は、学校という場も同じかなと思います。
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