自己紹介を中心としたコミュニケーション力の向上(菊池省三先生)

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作成者: EDUPEDIA運営部 (Edupedia編集部)さん

1 講座の概要

  1. 今回の講座は、熟議でより充実した話し合いが行えるようにコミュニケーション力を高めることを目的としていました。講座に参加した初対面の人同士が、菊地先生の独自の方法で自己紹介などを行い、コミュニケーションについて学びました。
  2. 参加者全員で決定した自己紹介の項目に基づいて他者に質問をすることで積極的な会話を促しました。また、どのような質問なら他者が答えやすいかなど他者に関心を持つことに関してもゲームを通して、参加者は実践的に学びました。

2 授業内容

参加者:小学校高学年の児童~社会人(小学校教諭含む)



1. 実践的自己紹介

目的:アイスブレイク
コニュミケーション力を身につけるための授業ですので、まず授業の最初に初対面の人同士で自由に自己紹介をします。

(ポイント1)

  • 名前はローマ字で表記したものをイメージしてはっきりと発音する。

例:鈴木 花子→Suzuki Hanako と表記されていると思って、「す・ず・き・は・な・こ」と言うようにイメージしながら、母音をはっきりと発音する。
* 教室内を自由に歩き、互いに握手をしてから自己紹介をし合う。(内容も自由)

2.会話系自己紹介シート

目的:1.で行った自己紹介では、一方的に自分の情報を伝えることに留まってしまいます。コミュニケーションとは本来お互いのインタラクションを大事にするものであるので、今回は質問の切り口を先に提示して、1.で行った自己紹介に比べて、より会話しながら自己紹介することで初歩的なコミュニケーション力の習得をすることを目的としました。
ひと通り自由な自己紹介が終わったら、菊池先生がオリジナルの「会話系自己紹介シート 相手を知ろう!自分を知ってもらおう!」を配布して下さります。

(ポイント2)

そのシートを列ごとに前の人から後ろの人に回す際に「どうぞ」「ありがとう」の声かけをする。

シートには、自己紹介の項目を9個記入する欄があり、菊池先生が参加者を9人選び1人ずつ自己紹介の項目に関するアイディアを出してもらいます。そして、講座の参加者全員が9人のアイディアに基づいた9個の質問項目をシートに記入し、自分の答えも記入します。
授業で上がった例:
1. 好きな本
2. 好きな教科
3. 住んでいる場所
4. 初恋の時期
5. 好きなキャラクターなど

記入が終わったらシートを持ち、ペア同士で自己紹介をします。その際、シートの項目に基づいた相手への質問を通して相手のことを知ることができます。

3. 友達紹介質問ゲーム

目的:相手が自分自身を一方的に紹介するのではなく、相手と会話しながら相手に質問をしたいことをその場で考えながら、質問する形式で相手のことを知る。2で行った自己紹介に比べて、その場の返事や環境・会話の中でコミュニケーションをとり、より発展的な力を習得することを目的とした。

4,5人のチームを作り、1人質問者を決めます。
質問者は、チームメイト一人ひとりのことが分かるように順番に質問していきます。(住んでいる場所、趣味など)
2分間でいくつ質問に答えられるか、数を競います。

(ポイント3)

  • どのような質問なら相手が答えやすいか考える。(はい、いいえで答えられる質問など。)
  • 初対面の人同士でもゲームで多く得点を得るために積極的に協力する。

◎ゲームだから、初対面同士でも気軽に積極的に質問できる。

4. 発展的コミュニケーション力を身につけるためには

目的:先ほどの自己紹介のように、単にはい/いいえなどの2者択一の選択肢を提示するのではなく、質問の答えの理由や根拠を聞くことで相手の考えを知ることができ、会話をより深く発展させる力を習得させることを目的とした。

菊池先生の質問
小学生の花子さんがいます。
* 花子さんが学校の花壇に咲いているチューリップを1本だけとるのは?→○か×か、を参加者に挙手してもらいます。
* では、花子さんのおばあさんが病気であり、お見舞いのために取ったという場合は?→再び意見を聞きます。
→何がなぜ良い又は良くないのか?花子さんはどうすればよかったのか?について数人に意見を聞きます。

(ポイント4)

単に良いか悪いかだけでなく、その理由や改善策も考え、発表する。

当日参加者の意見(例)
* 花子さん自身がその花壇の所有者ではないから。
* チューリップが欲しいのであれば、自分で買えば良かったのではないか。
* 花壇の管理者に許可を取ってからの方が良かったのではないか。

3 当日の教室の様子・生徒の反応

先生がユーモアのある話をして下さり、話題も豊富でいらっしゃったので、会場内が打ち解けた雰囲気になっていました。個人の発言などに対して、参加者全員が拍手をするように先生が促し、他者の小学生から社会人まで幅広い年齢層の人々が参加しており、初対面にも関わらず皆積極的に会話をしていたことが特に印象的でした。

参加した中学生は、最初は何から話したら良いか分からなかったが先生の話のテンポが良いので話しやすかった、と感想を述べてくれました。
また、参加者の中には小学校教諭の方もおり、ゲーム形式だと小学生も取り組みやすいので是非学級でも実践してみたいと話していました。

4 関連イベント情報

スペシャル・セミナー 『地域を再生・活性化する「主体的・対話的で深い学び」とは?』

日時:2018年8月18日(土) 12:30〜16:50

会場:エル・おおさか 南館 南ホール(大阪府大阪市北浜東3-14)

内容
○菊池省三先生による講座「いの町・中津市ほかでの取組の現在」
○南惠介先生による講座「木を見て森を見て、そしてまた木を見る~全ての子供たちに小さな社会を紡ぐAL~」
○隂山英男先生による講座「福岡県飯塚市、田川市等における地域ぐるみの取組」
○講師鼎談「地域・学校を再生・活性化する、今後の教育のカタチを考える」

詳細https://www.kokuchpro.com/event/2d7fd7f0601b587906af123eff0d4aa7

5 講師プロフィール

菊池省三先生;愛媛県出身。山口大学教育学部卒現在は福岡県北九州市立貴船小学校教諭。
小学生の国語力、コミュニケーション力を高める学習方法を、実践を通して研究しています。
平成15年度 北九州市すぐれた教育実践教
平成16年度 福岡県市民教育賞

〇著書

〇連載中
『健康教室 今時の子供たちのコミュニケーション能力を鍛える』 (東山書房)
『省三先生の親子でコミュニケーション術』(リビング北九州)  他多数

また、NHKの「プロフェッショナル」など多くのメディアにもご出演されています。

6 編集後記

菊池先生の授業の内容が大変魅力的であったことに加えて、コミュニケーションの達人である先生の話すテンポやユーモアのある話、タイムリーな話題そのものが具体的な実践例であり、印象に残りました。

また、先生は参加者の発言や意見に対して「すばらしい!」と頻繁にほめていらっしゃったり、拍手をして下さったりと参加者の意欲を高めるような雰囲気を作る工夫もされていました。相手のことを考慮することが好印象を与え、信頼関係を築き、コミュニケーションを円滑にするために重要であると感じました。

今回菊池先生の授業を取材して、社会でコミュニケーション力が求められる時代だからこそ、その重要性や奥深さ、魅力に触れる機会が得られ、貴重な経験が出来たことを嬉しく思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 金子裕美)

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