熟議in横浜

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目次

1 熟議 in 横浜  

レポーター:水島淳
 
「熟議」とは、直面する課題/問題に関わる多くの当事者が集まり、お互いに学習・討議することによって課題への「合意形成」と「解決策」の提示とそのステップを作り上げていくための方法です。

現在、文部科学省では、学校・家庭・地域の教育現場の方々の声を集め、この「熟議」を通じて教育政策を作り出す取り組みを進めています。

今回、NPO法人日本教育再興連盟では「学校管理職」「地域」「教員」「企業関係者」「大学生」「高校生」「中学生」「小学生」の8つのグループに分けて、「学校のためにこれから自分たちができること」について、ひざとひざを突き合わせての「リアル熟議」を行いました。

2 出演者

司会
菊池省三(北九州市立貴船小学校教諭)

ゲスト
鈴木寛(文部科学副大臣)
陰山英男(立命館小学校副校長)~長崎宏子(元オリンピック・スイマー)
佐藤真海(アテネ・北京パラリンピック・走り幅跳び代表)
宮井紅於(「第四回12歳の文学賞」受賞)

3 熟議とは(文部科学省サイトより)

「熟議」とは、多くの当事者による「熟慮」と「討議」を重ねながら政策を形成していくことです。具体的には、政策を形成する際の、下記のようなプロセスのことを言います。

  1. 多くの当事者(保護者、教員、地域住民等)が集まって、
  2. 課題について学習・熟慮し、討議をすることにより、
  3. 互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、
  4. 解決策が洗練され、
  5. 個々人が納得して自分の役割を果たすようになる、

教育を取り巻く様々な状況の変化を踏まえつつ、課題に立ち向かい、乗り越えるための知恵と実行力を生み出していくためには、教育現場に関わる様々な立場の方による「熟議」に基づく教育政策形成を促進することが求められています。
また下記の5点を守ってくださいとお話がありました。

熟議を行う際の5ヶ条

  1. 人の話をよく聴く
  2. 挨拶をする
  3. 簡潔に分かりやすく伝える
  4. 人を傷付けない
  5. 共感や感想、考えの変化があったら表明する

http://jukugi.mext.go.jp/>http://jukugi.mext.go.jp/

4 熟議の進め方(当日の例)

1、まずグループのメンバーで、現状の課題を共有します。(20分)

→付箋に学校の抱える課題を書き、各自発表しながら、共有します。
 (模造紙に付箋を貼って可視化します。)

今回のテーマは『学校のために、これから自分ができること』

2、出てきた課題をグルーピングします。(5分)

3、課題の解決策を皆で考えます。

4、考えた解決策をまとめ、全体に向けて発表します。

5 各グループの発表(要約版)

中学生グループ 
先生との関係が一方通行となっている。
先生とコミュニケーションをとる(ex.目安箱)

保護者グループ
* 親のPTA活動が少ない
* 教員が委縮して、やりたいことをできていない。
* 保護者同士、保護者と先生がコミュニケーションとれるように地域も巻き込んで
* 皆が参加したくなるような行事の企画

→問題が起きた時にも迅速な対処できる。

  • 校長・PTA役員グループ
  • 地域学校保護者で信頼関係を気付くべき
  • しかし地域が参加できていない
  • ボランティア、意思のある人を利用して地域へのマネジメントを進める

高校生グループ
* 学校の問題を、設備、先生、授業、規則の4つに分類
* 共通するのは生徒の意見を尊重してほしいということ
* そのためには先生を尊敬する必要もある。

先生グループ
* 「学校のために自分たちができること」は常に考えていること
* しかし忙しすぎて子どもの学力や体力について考える時間がない
* パソコンが登場しても忙しいことはなくならない。
* できることは「明日からできること」を考えること

大学生グループ
* 学校は閉鎖的で地域が入って来ず、全て教員がやっている
* 少し前まで同じ立場だった大学生が進路相談や部活の指導に行くべき
* すぐできることは母校に帰ること。

教育産業界グループ(広告、言語教室、出版)
* 民間と学校の間に壁
* 教師になるレールが決まりすぎている。
* 転職して教員に
* 無料で授業したい企業もある
* 限定的な免許、企業が出せる免許の導入

小学生グループ①
* なぜベランダに出てはいけないのか。景色見たい(先生は危険だからと)
* なぜかと問い詰め、交渉する

小学生グループ②
* 点満点でどれくらいか、どうすれば満点になるか
* 皆でコミュニケーションについて勉強しなおそう!
* 大人には子ども同士の関係に気づきうまく導いてほしい

6 関連イベント情報

スペシャル・セミナー 『地域を再生・活性化する「主体的・対話的で深い学び」とは?』

日時:2018年8月18日(土) 12:30〜16:50

会場:エル・おおさか 南館 南ホール(大阪府大阪市北浜東3-14)

内容
○菊池省三先生による講座「いの町・中津市ほかでの取組の現在」
○南惠介先生による講座「木を見て森を見て、そしてまた木を見る~全ての子供たちに小さな社会を紡ぐAL~」
○隂山英男先生による講座「福岡県飯塚市、田川市等における地域ぐるみの取組」
○講師鼎談「地域・学校を再生・活性化する、今後の教育のカタチを考える」

詳細https://www.kokuchpro.com/event/2d7fd7f0601b587906af123eff0d4aa7

 
さらに、本記事にご協力いただいた隂山先生が開催されるセミナーをご紹介します。
集中速習導入講座
日時:8月19日午前10時~12時
会場:隂山事務所(京都市丸太町駅東)
講師:岐阜市立梅林小学校長 堀江秀樹校長先生
お申し込み:kage@kageyamahideo.com

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