1 題材名「子どもの音楽的主張を伸ばす」
教師主導の押し付け型でなく、子どもの個性を生かし、感性を培うことのできる、子どもが主体となる活動を行うことが子どもの音楽的主張を伸ばすことにつながる。
2 指導の目標
①グループやアンサンブルをつくりあげる喜びを味わわせる。
②音の重なりや曲の構成を工夫させ、まとまりのある表現をさせる。
③協力して取り組む態度を伸ばす。
3 教材
教材『コンドルは飛んでいく』
○教師が用意する教材
* 10パターン程の演奏テープ
* 合奏用の楽器
◎楽器の種類
リコーダー(ソプラノ・アルト・テナー・バス)・アコーディオン・オルガン・グロッケン・シンセサイザー・マリンバ・ピアノ・ビブラフォン・大太鼓・小太鼓・シンバル・ティンパニ・タムタム・ボンゴ・タンバリン・スノーベル・ツリーチャイム など
4 指導観「手づくりの演奏を」
教師の編曲によるものを演奏表現させるのではなく、できるだけ子どもたちに手づくりの演奏をさせる。
教科書の楽譜といろいろな演奏形態の録音テープをもとに、各パートの旋律やリズムの工夫・各パートの組み合わせ方・楽器分担・音色や強弱のバランスを工夫させ、各グループで考えたアンサンブルをつくらせる。
5 学習の流れと教師の手だて
1クラスを3つのグループに分ける。(1グループ10人~)
【第1次】 「アルトリコーダーによる主旋律奏と曲趣の把握」
曲を知る。
- 主旋律を覚えさせ、いろいろな演奏形態の録音テープを聴かせてアンサンブルへの意欲化を図る。
【第2次】 「アンサンブルの工夫の計画と、ためし演奏」
①教科書の楽譜と、あらかじめ教師が用意した演奏のテープをもとに、工夫や創作の箇所と方法について話し合わせ、グループで十分に共通理解を図らせる。
☆グループでの子どもの会話
「ではまず前奏をつくろう。わたしは演奏テープの3番目がよかったな。」
「いいね。リズムはどの楽器でやる?わたしリズムをやりたい。」
「楽器を決める前に、リズムをどんなふうに入れるか決めよう。」
「低音は○○さんがいいと思う。楽譜をよむのが得意だから。」←楽器を決める時に、得意を生かせるように指導する
「低音の入れ方はどうする?」
「1回目はリズムとリコーダーのソロで、2回目はみんなでっていうのはどう?」
②工夫や創作の部分について話し合いの結果をためし演奏することにより音で確認させ、「手直し」への課題をもたせる。
☆グループでの子どもの会話
「リズムが合わないね」
「楽器を大太鼓にしたらもっと低い音になってリコーダーと合うと思う」
「大太鼓よりもっといい音ないかな」 ←どんな音がほしいのかを考えさせる。
「間奏が短いからもっと工夫しよう」
「もう一回テープをきいてみよう」
◎工夫や創作をするときに軸となるもの
- 枠組み{前奏・間奏・後奏}
- パート{中心のふし・かざりのふし・和音や低音・リズムパート}
- 創作方法{つくる・かえる・使用する楽器・奏法・ふしやリズムの組み合わせ・強 弱}
【第3次】 「工夫の手直し」
ためし演奏の結果をもとに、演奏の形・速さ・強弱・楽器の組み合わせバランス・楽器の分担など、さらに手直しを加えて必要な練習をさせる。
☆グループでの子どもの会話
「そのふしはもっとゆっくり演奏するといいと思う」
「リコーダーのふしがあまり目立たないから、ほかの楽器もふしを一緒にやったらどう?」 ←工夫の質を追求させる
【第4次】 「正しい音で気持ちを合わせる練習と、まとめの発表」
各パートを正しい音で曲想の表現をさせ、気持ちをあわせる練習をさせる。
まとめの発表会をし、工夫や演奏の仕上がりを評価させるとともに、互いの演奏のよさを聴き合う。
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