1 電気のない時代は?
今使っているもので、昔は何を使っていたのか予想したとき、アイロンはなかったのではないか? という考えを持った子がいた。そこで、電気のない時代に、服のしわを伸ばす方法を考えることにした。
発問1 電気のない時代の発明家になろう。電気のない時代に、どうやって着物のしわを伸ばしていたんだろう。
- やかんでお湯を沸かして、お湯の熱さでしわを伸ばす。
- 太陽の熱でしわを伸ばす。
- おもしを乗せてしわを伸ばす。
- 鍋に炭を入れて、炭の熱さでしわを伸ばす。
いろいろな考えが出された。どの考えも実用的ではないだろう、という意見が出された。そこで、実は昔もアイロンがあったことを知らせ、それをどうやって使っていたかを考えさせた。
発問2 じつは昔にもアイロンがありました。このアイロンはどうやって、使うのでしょう。
アイロンは電気で動くものだと思いこんでいるので、一体どうやってアイロンを使うのかとまどっていた。
- ふたが開く。ふたを開けて、何かを入れるようになっている。炭?
- 細い穴があいている。
突拍子もない考えが出されたが、実は炭を入れて熱源にすることを教えると「ヘー」とびっくりしていた。
2 実物に触れさせてみる
実物が郷土資料室に置いてあったので、実物を見せた。余裕があれば、次の活動を取り入れたい。
指示1 炭火アイロンを使って、ハンカチのしわを伸ばしてみよう。
発問3
自分の発明した「電気のない時代のアイロン」と炭火アイロンとをくらべてみよう。炭火アイロンが工夫してあるところはどんなところですか?
* 穴を空けて、温度を変えることができるようになっている。
* 火が消えないように炭置きがある。
* 持つところが熱くならないようになっている。
このように昔の道具には、知恵がたくさん詰まっていることを確認した。ほかにもいくつかのアイロンを用意して、時代順に並べてみた。
発問4 アイロンを古い順に並べてみよう。
炭を入れるタイプ、電気を使う初期のタイプ、スチームが出るタイプ(家庭科室にあるもの)、マイコンが内蔵されている最近のものと、アイロンも時代と共に変化している様子を見せた。
それぞれの時代の人々と知恵に気づき、私たちのくらしがだんだん便利になってきたことに気づくことができた。
左から順に〈お湯〉〈炭〉〈電気〉を熱源にしている。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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