目次
1 授業内容と目的
本授業では、様々な津波の動きの特徴を知り、三陸沿岸で大きな津波が発生する理由を理解し、防波堤の仕組みや役目を学び、学区内の防波堤のある場所を知ることを目的としています。
まずは、津波の動画を見て、津波の一般的な特徴について復習します。次に津波の流れに関する様々な特徴を理解します。釜石市の地図でリアス式海岸である三陸海岸は津波は津波が到来しやすいことを確認し、防波堤の仕組みや役目をおさえます。
2 導入
(1)津波の動画を見て、津波の一般的な特徴について復習する。
【動画-01】2004年インド洋津波(海岸到達の様子)[2:10]
3 展開
(1)津波の流れに関する様々な特徴を知る。
→動画を見た感想を子どもたちに発表してもらい、その発言の中から津波の速さや強さ、普通の波との違いをおさえる
【動画-10】津波の様々な特徴
【資料-06】津波が高くなる理由 添付ファイル
→動画を見せて、その特徴を説明する
- 津波の伝播速度:津波は海底の水深が深いところほど、速く進む性質があります。したがって、震源からの位置が遠くても、津波が先に到達することもありえます。
- 浅水効果:津波は、海底の水深が浅くなるにつれて、波高が高くなる性質があります。
- 集中効果:湾や入り江の奥では、津波のエネルギーが集中するため、波高が高くなります。
- 湾内トラップ:湾や入り江の形をした海岸地形では、津波が湾内で反射・屈折を繰り返します。そのため、このような地形では津波が長時間にわたって何度も繰り返し到達することになります。
- 島嶼部トラップ:津波は浅い方へ曲がる性質があります。この性質のため、岬の先端では津波が集中しやすいという特性があります。
- 離島部トラップ:津波は浅い方へ曲がる性質があるため、島の周りでは螺旋を描くように津波が伝播します。その結果、津波のエネルギーは島の周辺に捕捉された状態になります。このため、離島部では津波のエネルギーが集中するため波高が高くなりやすく、潮位変動が長時間続くことがあります。
(2)釜石市の地図を見せて、リアス式海岸である三陸沿岸は大きな津波が発生しやすいことを確認する。
→リアス式海岸では、先に紹介した津波の特徴により、津波が高くなることをおさえる。
【地図-03】釜石市の地図
(3)防波堤の仕組みや役目を知る。
→防潮堤によって、津波の速さや威力は弱まるが、それだけで津波が来ることは防ぎきれないことをおさえる。
【写真-08】湾口防波堤・防潮堤
【動画-13】防波堤整備効果[2:00]
(4)学区内の地図を利用し、防波堤のある場所を確認する。
【地図-01】学区の地図※どこにどのような防波堤があるのかを地図で確認する
4 まとめ
- 学習して気付いたことをプリントに記入する。
- 感想等を発表し、今日の学習をまとめる。
確認テスト
5 確認
- 様々な津波の動きの特徴を知ることができたか?
- 三陸沿岸で大きな津波が発生する理由を知ることができたか?
- 防潮堤を超えて津波が襲ってくる可能性があることを知ることができたか?
詳細は以下のPDFをご覧ください。
添付ファイル
6 講師プロフィール
片田敏孝
群馬大学大学院工学研究科
社会環境デザイン工学専攻 教授
広域首都圏防災研究センター長
岩手県釜石市の小中学校における津波防災教育を指導。
2011年3月11日に起こった東日本大震災で、地震や津波の甚大な被害を受けた釜石市では、片田先生による子どもたちへの日頃からの防災教育指導の結果、多くの子どもたちを津波の被害から守ることができた。
コメント