「よのなか科」 ~公平とは何か?~ 藤原和博先生

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1 よのなか科『公平とは何か? ~新しい時代の公平観を問う』

(レポーター: 神前達哉)

講師プロフィール

藤原 和博 先生(ふじわらかずひろ、1955年~)

元公立中学校校長、著述家。東京都生まれ。
東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務めた。現在は大阪府知事特別顧問、東京学芸大学客員教授、特定非営利活動法人子供地球基金顧問、文部科学省中央教育審議会特別部会委員などを務めている。

リクルート在籍中年俸契約の客員社員「フェロー」制度を創出、第1号になる。その後、「たった一人からの教育改革」を旗印に自治体の教育委員会の教育改革担当を経て、杉並区立中学校の校長に就任。東京都で義務教育初の民間人校長になる。

世間的な知名度が上がったのは杉並区立和田中学校校長になってからである。校長に就任してからは生徒や大人も参加して自営業者やホームレス等の様々な社会人の講義を聞いたりして世の中について学習する『よのなか科』の創設や、学習塾と連携した有料の課外授業「夜スペ」で知られている。

<略歴 >
 1974年   東京都立青山高等学校卒業
 1978年   東京大学経済学部卒業
 1978年   リクルート入社
東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。
メディアファクトリーを立ち上げる。
 1993年   ロンドン大学ビジネス・スクール (LBS) 客員研究員
 1996年   リクルート社フェロー
 2002年   杉並区教育委員会・参与(教育改革担当)
 2003年4月 杉並区立和田中学校校長に就任
 2008年3月 5年間の任期満了により、同校校長を退任。
(尚、後任校長は藤原と同じリクルート出身で、
当時トップアスリート社代表取締役の代田昭久。)
 2008年6月 大阪府特別顧問(政策アドバイザー)

講座概要

現在、私達は正解のない社会を生きている。
藤原氏は「情報処理力」を必死に身につけさせてきた従来の教育の在り方では、そんな社会を乗り越えていけるような人材を育成できないと警鐘を鳴らしている。
先生の独自の授業である「よのなか」科は「国語」や「理科」などの普通の授業とは違う。科目の枠にとらわれず、世の中に関連した、生涯使えることを教えることが目的なのである。また教室には先生以外の大人が生徒と一緒に授業に参加していることも「よのなか」科の特色の一つである。
 今回の飯野川中学校で行われた授業は、自身の被災地ボランティアをする過程で起こったある出来事を切り口に「公平」というものについて考えるということがテーマであった。
「公平」とは、果たして「みんな一緒」の平等のことを指すのだろうか?

授業運営上の工夫点

  • 授業の目的、概論、趣旨説明を授業の冒頭で明示
  • すべての意見、発言に全員が拍手。→授業参加者が意見しやすい環境。

                  授業にメリハリがつく

  • 目と目でコミュニケーションを図らせている。
  • 自己紹介、導入は生徒に身近な存在のものと結びつけている

授業内容

<導入> ~頭を柔らかくし、発想力を鍛えるために~

<本題>~公平とは何か?~

編集後記

6月、東京大学駒場キャンパスにて藤原先生の講演会に参加させていただいた際、藤原先生は授業の冒頭で「この講演会の終了後、君たちのうち半分の人は人生が変わる」とおっしゃっていましたが、本当に人生を変えられました。今まで自分が思い、考えていた正解とはいったいなんだったのだろうと。
そして8月、教育夏まつり2011にて先生の授業を実際に生で取材させていただき、大人とこどもが真剣に学びあいそして活気にあふれる、「よのなか科」を目の当たりにして、その雰囲気に深い感銘を受けました。正解のない、修正主義の時代を生き抜くうえで重要なことをこの授業は教えてくれます。

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