1 授業の内容と目的
本授業では地震や津波の恐ろしさを知り、津波から命を守るためにはどのようなことが必要なのかについて関心をもつことを目的としています。
導入では、津波に関する動画を見て津波の恐ろしさについてイメージを持つところから始め、津波が襲来した際に、身を守るためには何をしたら良いのかを考えます。
動画の感想を子どもたちに問いながら津波についての知識の有無が命を左右したことをおさえ、命を守るためにはどのような知識が必要か考えます。
そして避難場所に関する知識として標識を紹介し、学習して気づいたことをまとめます。
2 1.導入
(1)津波の動画を見て、津波の恐ろしさについてイメージをもつ。
→津波が襲来した際に、身を守るためには何をしたらよいのかを考える。
【動画-01】2004年インド洋津波(海岸到達の様子)
(2)学習課題を把握する。
3 2.展開
(1)過去の津波による釜石の被災の様子を見せて、近い将来、釜石に津波が来る可能性が高いことを復習する。
→多くの犠牲者がでた地震や津波が釜石に襲来してきたことを確認する(釜石市の犠牲者数は以下の通り)
- 1896年(明治29年)明治三陸沖地震 約6,700人
- 933年(昭和 8年)昭和三陸沖地震 約400人
- 1952年(昭和27年)十勝沖地震
- 1960年(昭和35年)チリ地震
→過去にあったような大きな地震や津波が近い将来、再び釜石に襲ってくることを確認する
- 宮城県沖地震 今後30年で99%の確率で発生
(2)動画の感想を子どもたちに問いながら、津波についての知識の有無が命を左右したことをおさえる。
→「どのようにすれば津波から命を守れるのだろうか」という課題意識を持たせる。
(3)津波から命を守るためには、知識としてどのようなことが必要か考える。
①どのように避難すればよいか?(避難の方法)
②どこに避難すればよいか?(避難場所)
(4)避難場所に関する知識として、標識を紹介する。
→左:津波注意 中:津波避難場所 右:津波避難ビル
→津波避難ビルの標識がある場所の例として、宝来館を紹介
4 3.まとめ
(1)学習して気付いたことをプリントに記入する。
【print-221】津波避難方法等
(2)感想等を発表し,今日の学習をまとめる。
→津波から身を守るためには、どんな場所に避難すべきかを知る必要があることをおさえる
(3)次時までに、自分の住んでいる地域の避難場所を調べてくることを伝える。
→家族に聞いたり、地図を見たりするなどの調べる方法を教え、わからなかったということがないように注意する
5 4.確認
(1)津波から身を守るためには、避難方法や避難場所を知る必要があることを理解することができたか?
詳細は以下のPDFをご覧ください。
添付ファイル
6 講師プロフィール
片田 敏孝:http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/modules/staff1/index.php?id=2
群馬大学大学院工学研究科
社会環境デザイン工学専攻 教授
広域首都圏防災研究センター長
岩手県釜石市の小中学校における津波防災教育を指導。
2011年3月11日に起こった東日本大震災で、地震や津波の甚大な被害を受けた釜石市では、片田先生による子どもたちへの日頃からの防災教育指導の結果、多くの子どもたちを津波の被害から守ることができた。
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