ドラえもんに学ぶ図画授業 クレヨン画 「表情豊かな顔」 鈴木夏來 先生

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作成者: EDUPEDIA運営部 (Edupedia編集部)さん

1 ドラえもんに学ぶ図画授業 クレヨン画 「表情豊かな顔」

レポーター:菊池信太朗   

【講師プロフィール】

鈴木 夏來 (すずき なつる)先生

  • 神奈川県三浦市立初声小学校教諭。
  • 徹底反復研究会所属。
  • NPO法人日本教育再興連盟(ROJE)教員事務局スタッフとしても活動。
  • NHK「おはよう日本」や朝日新聞など、マスコミ出演多数。
  • 『小学教育技術』『総合教育技術』『ドラゼミ』などにおいて原稿執筆。
  • 長沼武志氏と共に、「楽曲カルタ」「俳句カルタ」「暗記カード」など多数の手作り教材を発明。

【講座の概要】

漫画の1コマ1コマを切り取って見てみると、画面に対して前を向き、顔全体が見えているような絵というのは実際に多くない。画面に対して非線対称的な絵の方が線対称的な絵に比べてより動きが感じられて迫力もあり、顔の表情が豊かになる。

このように一般的によく指導されがちな対称的な絵ではなく、表情豊かな絵を描く際に有効な非対称的な絵の描き方について、画用紙の選び方から顔の各パーツを描く手順、色塗りの仕方など、今回の講座ではひとつずつ丁寧に実践を交えながらご指導頂きました。
最後には参加者の方と記念撮影なども行いました。

【授業内容】



・講座当日板書の様子

黒板に貼った画用紙に鈴木先生が実際に顔のパーツ例を描き、参加者がそれを参考に絵を描けるように授業を進めていました。


・ドラえもんの漫画から

ドラえもんの漫画を見てみると体の向きが斜めになっていたり、顔が下の方を向いていたり、目の形・眉毛の形も左右それぞれ違い、非線対称的になっている。非線対称的な方が線対称的な絵に比べてより動きが感じられて迫力もあり、顔の表情が豊かになる。免許証にある左右線対称的な写真ではなく、似顔絵もドラえもんの漫画のように体の向きや目・眉毛の形が非線対称的な、表情に変化のあるものを書けるようにしたい。

☆表情豊かに書くコツ

・画用紙の選び方

背景より絵の方が映えるようにするため、画用紙は地味な色(濃い赤色・濃い青色・濃い緑色など)の画用紙を使う。

・下書き

クレヨンのこげ茶色を使って下書きを書くことによって後に色塗りをする赤色や肌色と混ざり、顔の色の部分によって色の差が生まれ、より立体的になる。
黒色で下書きをすると肌色と混ざった際に色が良くないため、避けた方がよい。

・顔の各パーツの書き方

顔のパーツは鼻→口(上唇・下唇・歯・舌)→目→眉毛→顔の輪郭→耳→髪の毛→首・肩という順で書く。画用紙の中心から縁にそって広がるように書いていくと顔の絵を画用紙いっぱいに大きく書くことができる。

①鼻

顔の中心にある鼻から書き始める。
鼻は曲げて書くとより表情豊かな絵になる。

②口(上唇・下唇・歯・舌)

笑った時の唇・怒った時の唇など自分で実際に様々な唇の形を作ってみて、片方の手で実際にそれに触れながらもう一方の手で唇を書くことによって描く唇の形を想像しやすくなり、より唇を描きやすくなる。

③目

鼻から離れたところにまず片方の目だけ書く。非線対称にするため、もう片方の目は一方の目より大きく書くか、小さく書いて左右の目の大きさに差が出るようにする。

目の描き方はまず輪郭を書き、黒目の位置は黒目が自由な方向を向いているように書く。
目をつむるのも可。
目と目の間の距離を変えることでより表情に変化が生まれる。

④まゆ毛

目と同様に大きさに差が出るようにするほか、左右の角度・色の濃さを変える。

⑤顔の輪郭

顎の位置を決め、輪郭を書く。画用紙の中に書ききれなくなったとしても下に紙があると考えて書く。下に紙があると考えながら描くことによって縮こまらず、画用紙に対して全体的に大きな顔の絵を描くことができる。

⑥耳
耳も顔の輪郭と同様画用紙の中に書ききれなくなったとしても下に紙があると考えて書く。
ここまで書くと事前に耳の大きさに差が出たり、片方の耳が隠れたりすることによって表情豊かな絵になる。

⑦髪の毛


髪の毛は実際の髪の流れのようにつむじの方から首の方に向って書いていく。
顔の輪郭・耳と同様画用紙の中に書ききれなくなったとしても下に紙があると考えて書く。

⑧首・肩
首は画用紙の横の線に対してまっすぐ書くのではなく顔の向きに対して曲げて描くようにする。一般的には画用紙の横の線に平行に、対照的に首を描きがちだが、曲げて描くことによって非対称的な絵を描くことができる。
首を非対称的に描くことによって肩も自然と斜めになるようになる。

・色塗り

クレヨンを半分使うほど赤色や肌色をしっかり使って下地が見えないくらい塗り込む。塗り込む際に赤色や肌色が輪郭のこげ茶色と混ざると顔の色の部分によって色の差が生まれ、より立体的な絵になる。
頬や鼻など少し色を変えたい場合、白などの色で一度塗ってから肌色で重ね塗りする。重ね塗りすることで色が混ざり、自然な表情となる。
目の下の方に水色を混ぜると透明感が増し、よりきれいな目になる。
下書きで書いた髪の毛と髪の毛の間を黒色・茶色などの色で塗る。塗らず下地の画用紙の色を残した部分があってもよい雰囲気になる。

【講座参加者の方の感想】

講座に参加された石巻私立雄勝中学校の瀬戸千恵子教諭・高橋明恵さん・高橋明香さんの作品です。感想と合わせてご覧ください。



「黒板に貼られていた絵は小学校1年生が書いた絵ということで非常に驚いた。中学生くらいになるとバランスよく対照的に書こうとするが、今回のように非対称的に書くことによって迫力のある絵を描くことができるのだと思った。顔のパーツを順番に書いていくことで安心して書くことができた。特に絵を描くことが苦手な子どもの苦手意識を取り除き、描きやすくなるのではないかと思う。(瀬戸千恵子教諭)」
「普段書いている絵とは違い目を書くところが難しかったが楽しかった。(高橋明恵さん・高橋明香さん)」

【鈴木先生からのコメント】

以下の絵は鈴木先生が実際に小学校で指導された小学1年生の絵です。先生のコメントと合わせてご覧ください。



「普段中学校の生徒さんに教える機会はないので貴重な経験になりました。また、他の先生に見て頂くことで今後の参考になりました。子どもは絵を描くときに不安な気持ちから安定を求め、左右対称な絵や均衡な絵を描こうとします。少し書いてみては「失敗した」といいますが、教師が「失敗した」と思い、それを認めることによって子どもは自分の絵を失敗したと認識して、子どもは絵を描くこと・自分の作品から逃げ出し、あきらめたように描くようになってします。常に子どもを励まし続け、安心感を与えることが何よりも大事なことです。その中で絵に生命力が吹き込まれます。子どもが失敗したとした描写や線描が後で生きてきます。そのため消しゴムを使って消したり、新しい画用紙に書き直したりするような指導は行いません。」

【編集後記】

講義中には参加者の方から自然と声が上がり、終始楽しい講義となりました。
私も授業見学を通して絵を描くことの楽しさを感じることができました。
鈴木先生の似顔絵指導は単に表情豊かな絵の描き方にとどまらず、学級経営や生徒の自己肯定感を育む上でも効果があるのではないかと思います。
ご参考にしてみてください!
鈴木夏來先生、ご参加頂いた瀬戸千恵子教諭・高橋明恵さん・高橋明香さんありがとうございました。

コメント
  • 「ああ、なるほど」と思うだけではなく、実際に描いてみることが何よりも大切な教材研究です。まずは色画用紙を使うことから始めてみてはいかがでしょうか。

  • 鈴木夏來 (6/30 2:31)

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