ボディパーカッション:みなさんリズム&まねっこリズム (山田俊之先生)

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山田俊之(福岡県久留米市立小森野小学校教頭・NPO 法人ボディパーカッション協会理事長)

目次

1.1 1.みなさんリズム

遊び方

イラストのように指導者は参加者全員から見える位置に立ちます。(またはいすに座る)

最初に、参加者全員に向かい「みーなーさん(問いかけ)」と呼びかけ、呼びかけと同じような調子(リズム)で、元気に「なんですか(応答)」と応えるように指示してから始めてみましょう。

この時点でリズム打ちはしていませんが、実はすでにリズムの問答が始まっているのです。

参加者の気持ちが一つになったところで、いよいよ「こんな・こっと・こんな・こっと でっき・まっす・か・(ウン)」 と、拍の流れを感じながら2小節で一まとまりの問いかけをしてみましょう。
着後の(ウン)は、参加者が応答しやすいように1拍休みにします。この問いかけを行いながら、同時に即興でまずは簡単なリズム、例えば 「タン・(ウン)タン・(ウン) タン・タン・タン・(ウン)」と手拍子を添えてみましょう。

●指導のポイント

  • 最初は簡単なリズムから入りましょう。
  • 8拍目は応答しやすいように、休みを入れましょう。
  • ボディパーカッションで行う場合は、全員が無理なくできる組み合わせで行うようにします。

1.2 2.まねっこリズム<Part1>

手拍子のリズム遊びの後は、いよいよ体全体を使ってリズム遊びをします。
先生が1小節のリズムを「タン・タン・タン・ウン」と打ちます。そして、そのリズムを子どもたちが 〝まね″をして応えるという、「リズムの模倣」 いわゆる「オウム返し」  のリズム遊びです。その時、手拍子の他に体を打つ場所を左の絵の通り8か所使います。
図1 では、打ち方のパターンをいくつか紹介しました。すべて、両手で同時に打ってみてください。簡単そうに見えるでしょう?しかし、実際やってみると、瞬時に相手のまねをしなければならないので、そう簡単にはいきません。

図1

図3のように、9か所の体のどこかを3回打てばいいだけですが、なんと打ち方だけで729通りもあります。つまり、「順列組み合わせ」で解くと、1小節で「タン(打つ)・タン(打つ)・タン(打つ)・ウン(休む)」と打つ回数が3回になります。そこで9種類の場所を3回打つわけですから、その組み合わせは(9通り×9通り×9通り=729通り)となるわけです。

図2

図3

1.3 プロフィール

山田俊之(やまだ・としゆき)福岡県久留米市立小森野小学校教頭。九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻修士課程修了。NPO 法人ボディパーカッション協会理事長。1986 年小学校4 年生を担任し、あるキレル子どもをきっかけに、友達同士でリズムアンサンブルを創り上げる「ボディパーカッション教育」を考案する。
その後、小学校、養護学校、聾学校、適応指導教室(不登校施設)、精神科入院病棟でボディパーカッション教育の実践を重ねる。
2001 年、2004 年、2006 年、NHK交響楽団第一コンサートマスター篠崎史紀氏との共同企画で、N響トップメンバーと聾学校生徒(聴覚障害)・小中学生によるボディパーカッションの共演を指導、その指揮を勤める。主な著書「ボディパーカッション入門」(音楽之友社)他多数。
現在、九州大学大学院博士後期課程で次世代の教育者へ伝えるため「子どものコミュニケーション能力を高めるボディパーカッション教育」をテーマに理論研究を行っている。

参考書籍 「ボディパーカッション入門」(2000、音楽之友社) 「楽しいボディパーカッション①リズムで遊ぼう」(2001、音楽之友社) 「楽しいボディパーカッション②山ちゃんのリズムスクール」(2002、音楽之友社) 「楽しいボディパーカッション③リズムで発表会」(2004、音楽之友社) 「ザ・ボディパーカッション ほかほかパン屋さん」(2007、音楽之友社) 「ザ・ボディパーカッション ケチャ風お茶漬け」(2007、音楽之友社) 「ザ・ボディパーカッション B 級グルメパーティ」(2010、音楽之友社) 「ボディパーカッションdeクラスづくり」(2011、明治図書) 特別支援指導用教材「楽しいボディパーカッション」(2011、音楽之友社)

1.4 引用元

小学館発行「教育技術」誌より引用

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