水はどこから(社会 指導案)

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目次

1 実感を伴う言葉で話し合う事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル

単元の目標

ダムや浄水場などの見学・調査や収集した資料を活用し,飲料水の確保にかかわる事業や 施設・設備について調べ,これらの対策や事業が地域の人々の健康な生活や良好な生活環境 の維持と向上に役立っていることを考えるようにする。

教材

本単元で扱う水は,蛇口をひねるといつでも使用可能な状態にあるように安定供給されることから,その「ありがたみ」を感じながら生活することは少ない。一方で,水は私たちの 生活に必要不可欠なものであり,ダムや浄水場などの飲料水の確保にかかわる事業や施設・ 設備は,重要なライフラインとして位置付けられる。そこで,ダムや浄水場の見学・調査を 中心的な活動にし,資料を活用して調べていく活動と併せながら単元を構成する。

ダムは,貯水・用水の安定供給・水量調節・河川の保全・水力発電と多くの役割を果たし, 我々の安全で健康な生活を支えている。地域で建設中の「津軽ダム」を教材として取り上げることで,地域の人々の生活とダム・浄水場の存在意義を関連付けて考えることができるよう単元設定を行った。

主な学習活動

学習活動

  • 浅瀬石川ダムや津軽広域水道企業団総合浄水場の 見学計画を立てる。
  • 浅瀬石川ダムや水道企業団の浄水場を見学し,それぞれの施設の様子や工夫,そこで働く人々の思 いや願いについて調べる。
  • 見学したことを新聞にまとめる。
  • ダムの果たす役割ついて,シミュレーションを通して理解する。
  • ダムを管理している人々の工夫や努力について調べ,まとめる。
  • 飲料水の確保における様々な課題を調べ,節水について考え,まとめる。

言語活動に関する指導上の留意点

  • パンフレットや新聞記事などを 資料として示し,予想を記述さ せたり発表させたりする。
  • 聞き取り調査の際は質問事項を 文章であらかじめ用意させる。
  • 渇水の状況を想起できるようにし,ダムの必要性を説明させる。
  • 自分なりのかかわり方について学んだことを基に提案させる。

言語活動の充実の工夫 —シミュレーション活動により実感を伴う言葉で話し合う—

本時では,それまでの学習で習得した知識や,ダム,浄水場の見学・調査活動を通して 学んだこと・記録したことを活用しながら,予想を考えたり,検討したりする活動を設定 し,言語活動の充実を図ろうとした。そのために,以下の二つの手だてを考えた。

  • 既習の知識との矛盾点に気付かせて話し合わせるようにした。
  • シミュレーション活動を通して実感の伴った言葉で理解させるようにした。

児童が「なぜ?」と問い,好奇心をもって探究活動が行えるように,導入段階において, 見学して学んだ「浅瀬石川ダムの貯水量は青森県で最も多い」ことと,津軽ダムを建設することを対比的に提示した。そのことにより,もっている知識を活用して原因を考えることを期待した。特に,見学・調査活動で共通に獲得した情報を基に話し合うことで,児童 の意見は活発に交換された。

さらに,渇水時における家庭や農地,河川の水の供給量についてとらえさせるため,シ ミュレーション活動を取り入れた。これは,平時と渇水時,ダムのある場合とない場合を それぞれ組み合わせて行った。

この活動を振り返り,話し合う活動によって,ダムの有用性・必要性を具体的にとらえさせることができた。そして,ライフスタイルの変化によって水の使用量が増え,それに伴って増えた渇水状況においても,水の安定供給ができるこ とをとらえさせ,より実感の伴った自分の言葉による理解へとつなげることができた。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

添付ファイル

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