わたしたちの願いを実現する政治(社会 指導案)

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目次

1.1 予想や仮説を立てて調べ,自分の考えを説明する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
添付ファイル

単元の目標

地方公共団体や国の政治の働きについて,市役所などの見学・調査や収集した資料を活用して調べ,政治は国民生活の向上と安定を図るために大切な働きをしていることを考えるようにする。

教材

本単元では単なる政治の仕組みや名称を暗記させることを目的としているのではなく,社会的な見方や考え方を獲得させることを目指している。そのために,自分のこととして政治の働きをとらえるために,政治の仕組みを児童自身とつなげなければならない。

そこで,新聞やテレビ等で取り上げられている子育て支援事業を中心に単元を構成していく。子育て支援事業を始めとする社会保障の仕組みは,我が国では「支え合い」で成り立っている。そのため,少子高齢化による人口減少という問題が社会保障とどのように関わり,将来どのような問題が起こると予測されるのかを認識する必要がある。

この,「現在」だけではなく「未来」も予測する思考を身につけることが,持続可能な社会を形成する資質や能力となる。そのために政治の働きが諸問題の解決に向けられていることについて,児童が社会的事象や自分たちの生活と関連付けてとらえられるように単元設定を行った。

主な学習活動

学習内容

  • 市役所での仕事について関心をもち,その仕事内容 を調べる計画を立てる。
  • 市役所や市議会を訪ね,市民の願いを実現するため に取り組んでいることを調べる。
  • 市民生活と税金の関係について調べまとめる。
  • 税金と国の施策の関係について調べまとめる。
  • 子育て支援事業の目的や意図を考えまとめる。
  • 子育て支援事業の取組について調べ,まとめる。
  • 国会や内閣の働きと選挙について調べまとめる。

言語活動に関する指導上の注意

  • 知っていることを自由に発表させる。
  • 質問事項を文章であらかじめ用意させる。
  • 関係図にまとめて説明させる。
  • 資料から分かったことをまとめ 班や学級全体で話し合わせる。
  • 学習したことを活用し自分の言 葉で学んだことを整理させる。

言語活動の充実の工夫

—学んだことを活用して予想や仮説を考え説明する—

本時では,それまでに習得した知識や社会的な見方や考え方を活用する場面での言語活動 を充実させた。それは,実際にこれまで習得した知識を活用し,様々な社会 的事象間の関連について,実感を伴って理解し,それを説明できるようにしていくためである。

しかし,中には, ただ与えられた知識や友達の発言した 言葉をその意味や内容を深く考えずに「オウム返し」のように表現する児童 も見られる。そこで本時では,以下の 工夫を行い,一人一人の児童が社会事 象間の関連を児童自身の実感を伴った言葉で説明できるように進めていった。

学んだことを基に予想を話し合う場面,互いの予想を吟味・検討して仮説へと高める場面を設定した。
役割演技の場面を設定した。

予想から仮説へと高める段階では, 小集団での話し合いを中心に展開した。 この話し合い活動は,児童の認識に差 があるからこそ深まりのあるものとなる。自分の考えをなかなかもてない児童にとっても活用できる知識を増やすことになるし,既に考えをもっている 児童にも自分の考えを論理的に整理す ることや知識を体系化して確かに理解することにつながると考えたからである。

さらに,少子高齢化社会の問題をわかりやすくとらえさせるために役割演技の場面を取り入れた。社会保障費として具体的な金額を設定して役割演技を行い,3人で1人の高齢者を支える現在と,1人で1人の高齢者を支える50年後とを演じさせた。その役割演技を振り返らせ話し合わせる場面を設定したことで,少子高齢化社会の問題点を具体的にとらえることができた。この役割演技を通して,「少子高齢化社会は問題だ。」といった漠然とした知識が,実感を伴った言葉による理解へと深めることができた。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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