「心に響く音楽を求めて」〜転任校での1年間を振り返って〜 part4

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

6.アウトリーチによる体験活動を通して

週1〜2時間の私の音楽の授業だけでは、たいしたことはできません。川崎市の「夢教育推進事業」による体験活動の影響力も大きかったと思います。心に響く体験ができました。

【夢教育21推進事業の体験活動】

川崎市では「夢教育21推進事業」という事業があり、特色ある学校づくりの校内研究事業の教育活動に対して予算化されています。

希望する学校の中から審査を受け、決定された学校が実施できます。川崎市立の全ての学校が受けているわけではありません。運よく20年度に、藤崎小学校は「豊かな音楽活動」ということに対しての予算が20万円弱、頂けることになり音楽活動に使わせていただきました。

専門の先生から体験学習などの指導を受け、本当に各学年、充実した効果の大きい体験をすることができました。本校でのその事業目的、効果、各学年の様子について紹介します。

《教育活動名》

特色ある学校づくりの校内研究

豊かな音楽活動
==== 《主題》
音楽活動を通して心や音のふれあいを大切にできる子
==== 《事業目的》
子どもと子ども、子どもと教師のかかわり合いを大切にし、音楽を通して「感じる心」を育てる。
そのために、子ども達の学習活動にゲストテイチャーとして入っていただき、子ども達と一緒に音楽を楽しみ創り上げていく。
また、音楽とふれ合い、体験することによって、心を豊かにし、異学年にも音楽のよさを伝え広める。
==== 《事業内容と効果》

【1年生】表現遊び 講師 阿倍いと子先生

活動内容オルフ教育の指導者・実践者として有名な先生にきていただきました。4クラスそれぞれ違う内容の活動内容で、言葉やお話に音楽や動きを結びつけた表現を中心に楽しい活動を展開してくださいました。

子どもたちは、指示があるとすぐ反応し表現を楽しんでいました。このような活動を1年間に数回行うと、より音楽や動きの感性が磨かれると思いました。

【2年生】馬頭琴はどんな楽器? アジア文化交流センター

ウーピンさん他活動内容
国語「スーホの白い馬」と関連させ、馬頭琴の音色を感じ取ったり、楽器について教えていただいたりしました。そして、演奏体験や民族衣装を着ることもしました。

子どもたちは、初めて見聞きする馬頭琴の演奏に全員が食い入るような目で鑑賞し、話も聞いていました。感想や質問も多かったです。

【3年生】 金管楽器に親しもう 洗足学園音楽大学

学生活動内容
3年生では、金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン)について知り鑑賞する学習があります。本物の楽器を見たり話を聞いたり音色や音楽を聴いたりしました。

知っている曲を金管楽器で演奏していただき、子どもたちは各楽器の音色の特徴が充分味わえました。また、曲の合間のお話も新鮮でした。最後に、質問や感想もたくさんでました。子どもたちだけでなく、担任の先生方からも、よかったとの言葉をもらいました。

【4年生】打楽器を楽しもう  洗足学園音楽大学
学生活動内容
身近にある楽器の奏法や演奏方法を知り、アンサンブルを楽しむという内容で、洗足学園音楽大学打楽器研究所に在籍する2人に来ていただき、マリンバや小太鼓の奏法の話を聞いたり演奏を聴いたりしました。クラスごとにやっていただきました。

子どもたちは、マリンバの柔らかな音色と2台による音の重なりや掛け合いを味うことができました。そして、カホンの演奏にとても驚いていました。カホンとは、ペルー発祥の木製でできた箱のような形のもので、椅子のように座って面を手のひらで打って音を出します。強烈な速いリズムや打ち方に驚きとかっこ良さを感じたようで、終了後も質問や試奏している姿が見られました。
クラスごとに活動をやっていただきましたが、どのクラスの子どもたちも、とても興味を示し優しい雰囲気と表情になっていました。

【5年生】 合唱に親しもう 神奈川合唱連盟副理事長 平井 保先生
活動内容
「ゆかいに歩けば」「つばさをだいて」の2部合唱の指導を4回していただきました。基本が大切であることがよく分かりました。また、歌うことだけでなく、それ以前の基本となること(心構えや約束など)についても学びました。
褒めながらの指導を通して子どもたちは歌う楽しさを感じることができました。

【6年生】 合唱を仕上げよう 洗足学園音楽大学講師 田中良一先生
活動内容
卒業式で歌う曲を中心に発声指導をしていただくとともに、合唱の表現方法や合唱の楽しさを教えていただきました。
卒業に向けての声づくりのポイントを教えていただき、回を重ねるたびに上達がみられ、声もまとまってきました。合唱が素晴らしくなっただけではなくクラス、学年のまとまる力にもなったようです。

【6年生】日本の音楽に親しもう 望月昇子先生
他活動内容
箏を10面お借りし、3〜4人で1面使って「さくらさくら」を演奏してみました。リコーダーも加えて演奏しました。
6年生全員が箏に触れることができ、嬉しさと和楽器への親しみを示していました。音楽が苦手な子どもも熱心に体験学習に参加していました。新学習指導要領、中学校での日本の音楽や和楽器を学習する上でもプラスだったと思います。

7.児童の変容と実践の問題点

僅かではありますが、よい方向に向かったと思われることをまとめてみます。

・音楽室に行きたがらない児童がほとんど見られなくなった。
・「ムリ」「デキナイ」「ヤンナイ」という言葉が減り、「分からない」「教えて」と言葉に代わってきた。また、友だちと教えあう姿も見られるようになった。
・トラブルがありがちだったグループ練グループ活動を楽しむようになった。
・「〜をやりたい」という意欲的なもつ子が増えた。
・ 投げ出さずにがんばって歌ったりーを練習したりする子が増えた。
・ クラブ設立希望に、合唱クラブを作りたいと申し込んだ子どもたちがいた。
・廊下を歩きながら歌っている子どもの姿が時々見られるようになった。

しかし、課題や問題点もあります。

・学習のルールの定着ができ難く、すぐもとに戻りがちである。
・技能の習得に時間がかかりがちである。
・落ち着きのない雰囲気のクラスでの指導の工夫。
・クラス担任との連携
・楽譜が読めない児童が多い中での指導。
・特に目をかけてあげなければならない子の把握と配慮や扱い。
・よく「音楽を息抜きにする」という言葉をよく聞く。心が開かれる、心が豊かになるという方向であるならよいが、ふざけるのはいけない。

など、考えられ、まだまだ努力と工夫をしなければならないです。

以上、ほんの少しではありますが、小さな良い変化を大切にして、今後も積み重ねていくようにしていきたいと思います。

part5に続く。
http://edupedia.jp/entries/show/583

引用元

第58回読売教育賞受賞論文 「心に響く音楽を求めて」〜転任校での1年間を振り返って〜 志村恵子先生より引用
「この記事・写真等は、読売新聞社の許諾を得て転載しています」
「読売新聞社の著作物について」
http://www.yomiuri.co.jp/policy/copyright/

読売教育賞

読売教育賞は昭和27年に読売新聞社が教育の発展の一助にと第1回の募集を始めて以来、わが国最高の教育賞の評価を得ております。
 わが国の教育を支えているのは小・中・高校、幼稚園、保育所などの先生、その活動を援助する教育委員会、教育研究所、あるいはPTAや地域社会の教育関係者であることは、申すまでもありません。「読売教育賞」はこうした教育現場で、意欲的な研究や創意あふれる指導を行い、すぐれた業績をあげている教育者や教育団体を広く全国から選び、その功績を顕彰することにより、現場で指導する人々の励みとし、ひいては多様で創造性に富む教育環境づくりを推進することを目的としています。
 選考は、実績の有無や年齢、性別などに一切とらわれず、純粋に研究と実践の成果、特に最近の活動を中心に行います。理論研究だけといったものは避け、子どもの成長や地域社会の発展に具体的にどう寄与したか、どのような成果をあげたか、といった点を重視します。

http://info.yomiuri.co.jp/culture/kyoiku/

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