農家との地域連携の意義とコツ

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作成者: 富田英司さん

執筆:小田清隆(愛媛大学農学部・准教授) 松田純一(同・学部生) 富田英司(教育学部・准教授)

学校では,様々な学びの領域において,授業等を地域の方々と作っていくことが以前よりも求められるようになりました.ここでは総合的な学習の時間や社会科,生活科,そして食育に特に強い関連のある,農家の方々との連携について(1)連携の意義,(2)連携を依頼する方法について紹介したいと思います.

1 農家との連携による学習活動設定の意義

子どもが環境の中で勝手に色々学んでくれる

世の中にはいろんな法則やコツがあります.これらを深いところで学べるのが自然や伝統的集落といった環境です.冬の田んぼに子ども達をつれていくだけで,都会や住宅地では決して学ぶことのできない自然の掟や生態系に関することを子どもたちは彼らの視点で学びます.これらは近い将来,子どもが難しいことを学ぶときに利用できる体験的な知識になるかもしれません.はたまた,危険を察知する力へと将来繋がるかもしれません.農村等で学ぶことが何に繋がるか,それは多様すぎて予測が難しいですが,何に役立つか見えにくい学びこそが今の子どもに欠けている部分であり,これこそが人間本来の学びの姿です.

子どもが多様な大人と関われる

子どもを農村に連れて行こうとすれば,学校の担任だけではなく,保護者の方や学校のお手伝いに来ている地元の大学生など,さまざまな大人の助けが必要となります.これよって,様々な大人が子どもの近くにいて,子どもが触れあうことができる環境が作れます.

以前と違って,近所に住む年齢の異なる子ども達がギャング集団を作ることはほとんどなくなりました.そのため,地域の様々な大人と交流する機会は今の子ども達にとって,将来の自分のあり方を示すモデルを発見したり,それぞれの個性を理解してくれる大人を見つけたりすることのできる貴重な機会です.また,学校の近隣にもしも農家があって,そちらと連携するのであれば,共に子どもを育てようという地域の雰囲気を高めることにも繋がります.

2 農家に連携を依頼する

農協や市役所等の農林水産担当部局に依頼する

どの地域であっても利用可能な窓口として,農協や地方自治体の役所があります.役所の場合には,例えば○○市農林水産局という部署があることがあります.その際,窓口で紹介してもらうときのコツとしては,紹介をお願いする地域の区長さんなどの特定の方だけを紹介してもらうだけでなく,複数の農業関係の責任者を幅広く紹介してもらうことが大事です.当然のことですが,農業は地域に根付いて行われているものなので,その分,複雑な人間関係がそこにはあります.特定の方だけを通じて話を進めようとすると,話が進まないことがあります.それに備えて複数の交渉ルートを確保することが大切です.

直売所の利用

最近どの町にも農家の直売所があります。その直売所の方に先生がお願いすれば,農家の方を紹介してくれて,学校に出張講義をしてもらうことも可能です。野菜ソムリエや食育ソムリエなどの資格を持った人もいますので,そういった方を探すこともできます.なお,都心部では直売所で働いていらっしゃる方がかならずしも農家の方で無いことも多いとは思いますので,適切な方にお願いすることが重要です.

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