目指せ洗濯名人(家庭科 指導案)

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目次

1.1 学習カードや発表方法を工夫し,課題解決を図る事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

題材の目標

日常着の手入れに関心をもち,手洗いを中心とした洗濯の仕方について理解し,気持ちよく着るために自分なりに工夫して洗濯ができる。

題材について

この題材では,内容「C快適な衣服と住まい」の( 1)「衣服の着用と手入れ」のイの「洗濯」について,自分の生活における課題を解決するための問題解決的な学習を取り入れている。

まず,児童の具体的な生活経験と関連付けて「靴下」を取り上げ,家庭での洗濯の際に配慮していることについて,家族へのインタビューなどで探ったり,汚れた靴下を試し洗いしたりすることにより,課題をつかむようにする。次に,その課題を追究する場面では,比較実験や調べる活動を行い,その結果から分かったことや考えたことを図表やグラフ,言葉でレポートにまとめ,発表し合う。その際,目的意識をもって報告し合うために,ジグソー学習の手法を取り入れることとしている。題材の最後には,これまでに学んだ知識や技能を活用して自分の衣服の洗濯の実習を位置付け,家庭での実践につなげる構成としている。

主な学習活動

題材の指導計画

本時の学習(5/7時間)

目標

靴下の洗濯の仕方について調べたことを発表し合い,手洗いの洗濯の仕方を理解する。

本次の展開

  • 各自が靴下の洗濯の仕方について調べたことをグループで報告し合う。
  • 靴下の洗濯の仕方について学習カードにまとめる。
  • 今後の自分の衣服の洗濯に生かしたいことを考える。

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領・家庭の内容「C快適な衣服と住まい」の( 1)「衣服の着用と手入れ」のイの「洗濯」に関する事例であり,第3の5においては「各内容の指導に当たっては,衣食住など生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動や,自分の生活における課題を解決するために言葉や図表などを用いて生活をよりよくする方法を考えたり,説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮するものとする。」と示されている。自分の生活における課題を解決するためには,実践的・体験的な活動を通して基礎的・基本的な知識及び技能の確実な定着を図り,それらを生活に活用する能力を育成することが求められる。そのためには,問題解決的な学習の課題を見付け,計画,実践,評価・改善するという各学習過程において、言葉や図表,概念などを用いて自分の考えを説明したり,表現したり,話し合ったりする学習活動を充実することが大切である。また,言葉や図表に表すことによって課題がより明確になり,意欲的に課題の解決に取り組むことができる。このような学習を通して,身近な生活への理解が深まるとともに,生活をよりよくしようとする意欲が高まり,生活で活用できる能力を身に付けることができるようになる。

本事例では,「靴下の洗濯」について問題解決的な学習を展開し,靴下の汚れを落とす方法について言葉や図表などを用いて考えたり,説明したりするなどの学習活動を充実することによって課題解決能力を身に付け,その他の衣服の洗濯に活用できるようにすることをねらいとしている。

そこで,課題を明確にするための学習カードを工夫した。また,ジグソー学習による発表を工夫し,目的意識をもって他の児童に伝えるために「実験の結果を整理する」「自分の考えをまとめる」「友達に伝える」などの学習活動に意欲的に取り組めるようにした。

【言語活動の充実の工夫】

課題を明確にするための学習カードの工夫

この題材の導入では,洗ってある靴下と昨日はいた靴下を観察(見る,触る,においをかぐなど)し,汚れている部分や汚れ具合について,その状態を言葉や絵で学習カードに記入することにより,手入れの必要性を実感として理解することができた。また,学習カードは,「汚れた靴下をきれいにするための方法(予想)」を書く欄や「試し洗いの方法とその結果」を書く欄,「なぜ,そうなったのかや,疑問点,もっと調べてみたいこと」を書く欄など,児童の思考の流れに沿って記入できるようにした。この学習カードを用いて学習を進めたことにより,試し洗いでは,どんな方法がよいのかを自分なりに考えて取り組み,その結果などを学習カードに記録することができた。また,「自分の考えをまとめる」ことで「洗剤の量」「水温」「洗い方」等のキーワードに気付き,各自の課題を設定することができた。

ジグソー学習による発表の工夫

課題を追究する場面では,同じ課題を設定した児童で課題班を構成し,それぞれの課題を解決するための比較実験や調べる活動を行った。「実験の結果を整理する」活動として,実験結果を図表やグラフ,絵などで表した。また,「自分の考えをまとめる」活動として,それらの図表やグラフから考えたことを自分の言葉でまとめ,発表レポートを作成した。

本時では,もとの学習班に戻り,「友達に伝える」活動として,発表レポートをもとに,各自が靴下の洗濯について調べたことを報告し合った。また,発表を通して,他の班の実験結果から必要な情報を取り入れ,靴下の洗濯の仕方について学習カードにまとめることができた。

洗濯の実習計画を立てる場面では,これまでの学習を生かして,自分の洗いたい衣服(靴下,体操服など)の計画を立て,ペアで紹介し合った。付箋紙を利用して,「友達が工夫していること」(赤)「自分が取り入れたいこと」(黄色)「改善したほうがよいこと」(青)を記入し,相互評価することにより,計画を修正することができた。最後の時間は,洗濯の実習を行い,自分の洗濯方法について振り返り,学習カードにまとめた。

以上のように問題解決的な学習の各学習過程において,言葉や図表などを用いて考えたり,説明したりする言語活動の充実を図って学習指導を進めることが重要である。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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