6年生の卒業を祝う集会を開こう(特別活動 指導案)

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目次

1.1 多様な意見をまとめる力を育成する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。添付ファイル

目標

今まで学校の中心となって活躍・貢献した6年生のために,在校生みんなで感謝の気持ちを表し て「卒業を祝う集会」を開くことができるようにするとともに,中心となってかかわる5年生に最高学年になるための自覚を高める。

活動の概要

本活動は,卒業式を 1 ヶ月後に控えて,5年生を中心とする代表委員会の計画立案によって「6 年生の卒業を祝う会」を開催したものである。代表委員会において,各学級で話し合った結果をも とに「活動内容」や「プログラム」,「役割分担」などについて話し合い,決定したことについて 事前の準備の活動,当日の運営,事後の振り返りの活動など,1ヶ月間の長期に渡って取り組んだ活動である。

活動の実際

活動の計画

児童会活動における言語活動

児童会活動で重視すべき主な言語活動は,主としてその運営に当たる高学年児童による話合い活 動である。特に,全校児童の意見を反映して効率よく集団決定できるようにする指導を通して,学校生活の充実と向上を図るために,多様な意見をまとめる力を育成することができる。

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領・特別活動において,第2の〔児童会活動〕,第3の2(1)「〔学級活動〕 〔児童会活動〕及び〔クラブ活動〕の指導については,(中略)よりよい生活を築くために集団として意見をまとめるなどの話合い活動(中略)を充実するよう工夫すること。」を示している。教育基本法の「教育の目標」の三で示された「公共の精神に基づき,主体的に社会の形成に参画し, その発展に寄与する態度」を養う上で,全校の意見を反映させながら学校生活の充実向上を図ろ うとする児童会活動は大切な活動のひとつである。その指導に当たっては,運営に当たる高学年 の児童の話合い活動を通して,多様な考えを整理,分類しながら意見交換し,学校全体のことに配慮しながらよりよい集団決定ができるようにすることが求められる。

本事例では,その指導の一環として,各学級の多様な意見を,活動の目標に即して整理・分類, 比較検討をするとともに,適切な集団決定ができるように指導している。例えば,各学級や個人 の意見を「内容や特徴」,「活動方法や形態」などの観点からいくつかに分類したり,その理由を 並べて比較したり,自分の興味・関心だけではなく全校の児童のことを考えて適切に判断して選択できるようにしたりした。

【言語活動の充実の工夫】

話合い活動1

各学級の意見を大事にし,6年生への感謝の気持ちがより伝えやすいものとして、「何をどの順番で行うのか」などのプログラムを決められるようにする。

短冊カードを操作し,分類・整理する話合い

取材してきた活動内容(案)を短冊カードに書き,話し合いながらそれらを黒板で自由に操作し分類した結果,どの学級の意見も「出し物」,「みんなでゲ-ム」,「おくるの言葉」, 「プレゼント」,「飾り」の5つに分類できることがわかった。その上で,本活動のねらいである「感謝」と「励まし」に沿って各学級の考えを比較し,それぞれについて一番よい内容を決定した。例えば,「飾り」では,「花のアーチ」と決めた。

話合い活動2

各学級の意見のよいところを生かして,卒業生への中学校に向けての励ましの気持ちが伝わるような「おくる言葉」が決められるようにする。

キーワードを取り出して分類・整理する話合い

各学級が考えた「おくる言葉の」の文章の中から「言葉(キーワード)」だけを取り出して似たものをまとめて分類し,話し合いながらまとめられるようにした。具体的には,そ の 要 素 と し て 「 フ ァ イ ト 」,「 G O G O 」,「 頑 張 れ 」,「 強 い 心 」,「 負 け る な 」,「 く じ け る な 」 の6つに整理することができ,それらをまとめて「GoGo6年生 中学校もVっと行こ う」と決めた。その理由として「V」とはビクトリー(勝利)という意味で,中学校でも自 分に打ち勝ち,強い心で頑張ってほしいと意味付けた。

本事例においては,代表委員会で高学年としての,また 各学年の児童の思いや願いを大切にしながら,効率的な話合いを行えるようにするため,様々な考えを「短冊カード の操作」や「キーワードの取り出し」などにより分類・整理できるようにした 。そ の上で ,「活動のねらいの実現 」,「全校児童の思いの反映」という視点から考え,その思いを自分の言葉で発表し合うなどの思考力・表現力を発揮できるようにした。このような言語活動の充実は,高学年としての自覚を高め,集会活動への全校児童の思いを高め,特別 活動がねらう人間的な触れ合いのある感動的な集会活動(写真参照)を展開する上で欠かせないものである。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

添付ファイル

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