通分と異分母計算(陰山英男先生)

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作成者: EDUPEDIA編集部 神前達哉さん

【概要】

本記事は、陰山英男先生による教員志望の大学生と若手教員向けの模擬授業形式の勉強会の内容を紹介しています。

【動画】

【授業の内容】

1.異分母計算を小学生に教えることの難しさ

異分母の計算をきちんと児童に教えることは、正直かなり難しい。間違いなく小学校算数の難関の一つであろう。塾に通っており、すでに異分母計算をできている児童も教室内にいるかもしれない。だが、「どうしてそうなるの?」と問いかけると、大半の児童があいまいな覚え方をしていることがわかる。分母とは単位であるという、異分母計算の本質を児童に理解させる必要があるのだ。では、どのようにすれば児童は異分母計算をきちんと理解して、できるようになるのだろうか?

2.正方形の紙をつかって分母の概念を感覚的に捉えさせる

児童が目で見て、感覚として分母とは単位であるということをしっかり理解できるように正方形の紙を用いて授業を行う。

(1/2の正方形の紙)


(1/3の正方形の紙)

の計2枚の折り紙を用意する。それぞれ一か所ずつ斜線を入れて重ねて光にかざす。

すると…

6つの四角形が現れ、児童は1/2→3/6であり、1/3→2/6であることが視覚的に捉えることができるようになる。

その後分母をそろえることを通分するといい、通分は分母と分子をたすきがけすることによってできるのだということを教える。

最後に練習問題を3個ほど板書し、できた児童から休憩時間として授業を終える。

【陰山先生の授業に対する基本方針】

陰山先生はこれまでの長い教師生活の中で、どのようなことを意識して、どのようなことに注意して授業を展開されてきたのでしょうか?以下に今回の模擬授業の総括・やる気のない児童をやる気にさせるコツ・児童の観察の仕方などをまとめたのでご覧ください。

模擬授業中に注意していた点(図)


(授業中意識されていると生徒役の大学生が感じたポイントをまとめた図)

1、間違いを楽しむ

児童の間違いを楽しむことが大事です。間違った解答をしてしまった児童に教師は気をつかいすぎてはいけません。いい授業はいい映画に似ています。いい映画は、伏線がいっぱいあり、ラストでその伏線がじわじわ効いて、真実がわかる。同じように授業も伏線をはる、つまり児童の間違いを楽しみながら作っています。

もし、塾などで、ある問題をあたえて答えをすでに知っている児童がたとしても「説明してみなさい」ってツッコミをいれてあげる。そうすると大概の児童は口ごもってしまいます。その児童は「答えだけ知っていてもしょうがない」と問題の本質を理解するように努めるようになります。

2、授業中、児童たちのどの部分に注目すればよいか?

まず、一番教師が気を付けなければならないのは目線をあげてしっかり児童の方を見るということです。児童に不信感、不安を与えてしまうので目線は絶対に落としてはいけません。目線をしっかりあげ、児童の目鉛筆の動きにしっかり注意をはらい、集中できているかどうか、つまずいていないかどうかしっかり観察することが重要です。

3、児童をやる気にさせるような授業

緊張感をなくさないように板書のスピードを速めるなど、授業全体のスピード感に気を配っています。またまたすべての児童は忘れる(普段教育現場では忘れがちであるが…)ことを前提にこれをどのようにして補っていくかを考えて授業を展開しています。

関連イベント情報

スペシャル・セミナー 『地域を再生・活性化する「主体的・対話的で深い学び」とは?』

日時:2018年8月18日(土) 12:30〜16:50

会場:エル・おおさか 南館 南ホール(大阪府大阪市北浜東3-14)

内容
○菊池省三先生による講座「いの町・中津市ほかでの取組の現在」
○南惠介先生による講座「木を見て森を見て、そしてまた木を見る~全ての子供たちに小さな社会を紡ぐAL~」
○隂山英男先生による講座「福岡県飯塚市、田川市等における地域ぐるみの取組」
○講師鼎談「地域・学校を再生・活性化する、今後の教育のカタチを考える」

詳細https://www.kokuchpro.com/event/2d7fd7f0601b587906af123eff0d4aa7

 
さらに、本記事にご協力いただいた隂山先生が開催されるセミナーをご紹介します。
集中速習導入講座
日時:8月19日午前10時~12時
会場:隂山事務所(京都市丸太町駅東)
講師:岐阜市立梅林小学校長 堀江秀樹校長先生
お申し込み:kage@kageyamahideo.com

【講師プロフィール】

・1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。
・兵庫県朝来(あさご)町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から反復練習で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。
・2003年4月尾道市立土堂(つちどう)小学校校長に全国公募により就任。
 百マス計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。
・立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校副校長兼任)。
・文部科学省・中央教育審議会 教育課程部会委員。
・内閣官房「教育再生会議」元有識者委員。
・大阪府教育委員会教育委員。

*著書:「本当の学力をつける本」「学力の新しいルール」(文芸春秋)
    「陰山メソッド 徹底反復」シリーズ(小学館) …他多数

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