世界の中の日本~ICTを活用し、理解を深める~(港区立青山小学校)

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1 この記事について

本稿は、平成24年2月21日に行われました、「平成22・23年度 港区立教育委員会研究パイロット校 港区立青山小学校研究発表会」における、新保有希子先生のICTを活用した授業実践です。

http://www1.r4.rosenet.jp/aoyama-ea/

2 本単元において活用しているICTと活用例

  • 電子黒板 …写真やグラフの提示
  • タブレットPC…プレゼン時の操作
  • デスクトップPC…調べたことをパワーポイントでまとめる
  • ウェブカメラ …世界の国々の様子についてのインタビュー
  • デジタル教科書 …ポスターセッション(掲示物を見せながら説明を行う方法)

3 本時の目標

  • 日本とのつながりの深い国々について調べたことを発表し合い、日本との相違点や共通点があることに気付く。
  • 自分たちが世界の人々と共存していくために、異なる文化や習慣を理解したり尊重したりすることが大切であることを考え、表現する。

4 本時の展開

5 ポスターセッションの様子

教室内で二つのグループに分かれ、それぞれポスターセッションを行った。事前に作成したパワーポイントの資料やデジタル教科書を使いながらの発表であったが、それぞれの資料は非常にきれいにまとめられていた。(写真1)機材の操作も児童たちは慣れていた。自分の発表と同時進行で、パーソナル・コンピューターを操作しながら、電子黒板で資料を表示しているのだ。

写真1:児童が作成したパワーポイントの資料

ポスターセッション後は、質疑応答を行った。そこでは、話のやりとりをしながら、発表者は、パーソナル・コンピューターを操作して該当する資料を表示していた。このような細かなところに至っても指導が行き渡っていたのだろう。そして、ICTの活用によって発表の理解が進んだのか、特定の児童に質問が偏ることもなかった。

写真2:ポスターセッションの様子

学習の振り返り

ポスターセッション後は、二つに分けられていた席を戻し、ワークシートを書きこみ、授業の振り返りを行った。しかし、ここではICTは活用していない。事前に準備した手作りの資料を使い、整理しながら、新保先生は授業をまとめていった。(写真2)デジタル、アナログ両方の利点を生かしているのであった。

写真3:振り返りの板書

6 ICTの活用について~ICTに頼りすぎない授業づくり~

青山小学校では、一年生からパーソナル・コンピューターの操作の学習を始めているそうだ。その成果もあり、(内容や個人差にもよるが)6年生の後半には4~5時間あれば一連のプレゼン資料を作成できるという。その一方で、多くの技術を学んだため、適切でない、不必要な技術も使ってしまうことがあり、その指導には苦労されたと新保先生言う。そして、プレゼンの際にはもう一つ苦労された点がある。それは、電子黒板などの画面に映す資料を作成する際、子どもたちは写真などよりも文字情報を多く入れてしまうことだ。そこで、写真やグラフなどと文字を比較することの指導や、聞き手の意見を取り入れ、客観的に考える指導を行ったそうだ。

ICTを活用する中で、ICTを活用する中で、ICTはあくまで一つ道具であることを新保先生は意識されているそうだ。聞き手にイメージを抱かせるのが難しかったことも、ICTを活用することで、はっきりした情報を相手に伝えることができる。それがICTの一番の利点のひとつである。だから、どんなにICTをうまく使いこなせる子がいても、とてもレベルの高い情報を盛り込んだとしても、それが伝わらなくては意味がない。ICTを使う授業が好きな子どもは多いけれど、逆に子どもの考えや発想を狭めてしまうこともある。だから、ICTに頼りすぎないことも大切であると新保先生は考えているのである。

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