1.1 適切なグラフを選択し,グラフに表現する事例
この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
単元の目標
・円グラフや帯グラフの特徴を理解し,目的に応じて資料を円グラフや帯グラフに表すことができ る。
本時の目標
資料をもとに,目的に応じて適切なグラフに表すことを考えることができる。
本時の評価規準
【数学的な考え方】 目的に応じて表やグラフを選び,活用している。
主な学習活動
◎指導計画における本時の位置づけ(全6時間)
- 第一次 円グラフや帯グラフのかき方(3時間)
- 第二次 グラフの活用(2時間 本時1・2/2)
- 第三次 学習内容の定着とまとめ(1時間)
指導事例と学習指導要領との関連
小学校学習指導要領・算数の第5学年では,内容「D数量関係」「(4)目的に応じて資料を集めて分類整理し,円グラフや帯グラフを用いて表したり,特徴を調べたりすることができるようにす る。」を示している。また,「〔算数的活動〕(1)オ 目的に応じて表やグラフを選び,活用する活 動」を示している。
目的に応じて,必要なグラフを選んで表現できるようにする。
第5学年までに,児童は,絵や図などを用いたグラフ,棒グラフ,折れ線グラフ,円グラフ,帯 グラフについて学習してきている。それぞれのグラフは,数の大小を比べるなら棒グラフ,変化の様子を見るなら折れ線グラフ,割合を比べるなら円グラフや帯グラフと目的に応じて使い分ける必 要がある。そこで本事例において,資料を見て児童が主張したいことを表すのに適切なグラフを選び,それが適切かどうかを話し合う活動を取り入れた。
言語活動の充実の工夫
自分の主張したいことを言い表すのに適切なグラフを選ぶことができるようにする。(*1)
本事例は,ある児童が,休み時間の様子を見ていて,クラスごとに遊ぶ種類が違うことに気付き, 好きなスポーツもクラスごとに違うのではないかと疑問をもったことから始まった。そこでアンケートを作成し,資料を表にまとめた。表にまとめたことによって,さらに別のいろいろな主張も考えられることがわかり,本事例の「好きなスポーツについて,適切に説明するグラフを用いて自分 の意見を主張しよう」という課題が生まれた。
児童が見いだした主張はいろいろある。「クラスによって好きなスポーツは異なる」「ドッジボー ルの好きな児童は,3組が多い」「1組では,バスケットボールが好きな児童が多い」などである。 このとき,「多い」という意味について,人数が多いのか,割合が多いのかは,最初の段階では児 童に意識されていない場合がある。各自があらゆるグラフに表したり,全体の場でグラフのもつ特徴(数を表しているのか,割合を表しているのか)を確認したり, グループで検討を加えたりして, より主張を明確にしていきながら,適切に表すグラフを選ぶよう にしていった。
例えば,「3組のドッジボール の人数が最も多い」と主張して折 れ線グラフを選んでいた児童に対して,「折れ線グラフの線の傾き は意味がないので,棒グラフに変 えた方がよい」などと他の児童が助言する場面があった。
引用元
文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm
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