復活させよう!地域が愛した『大久保つつじ』~異なる視点で分析し考える力を育てる~(指導案)

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目次

1.1 異なる視点で分析し考える力を育てる事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

単元の目標

江戸時代に栄えた「大久保つつじ」を地域の人に広めようとする活動を通して,「大久保つつじ」 を取り巻く当時の様子や「大久保つつじ」を未来のまちづくりに役立てようとする地域の取組みを 知り,地域のためにすすんで活動しようとする。

評価規準

  • 【情報収集の力】課題解決に向けて目的をもって必要な情報を収集している。
  • 【論理的思考の力】対象を複数の視点で分析したり,比較したりして考えている。
  • 【コミュニケーションの力】地域の人とすすんでかかわり,自分の思いを伝えている。
  • 【意思決定・行動力】地域に貢献できる活動を考え,力を合わせて実行している。

教材

本校の学区は,江戸時代後期から昭和初期にかけて,つつじの名所として広く知られていた歴史 がある。宅地化や戦災などにより姿を消した「大久保つつじ」をもう一度大久保の地に戻し,「つ つじのさと」として魅力あるまちづくりを進めようとする地域の願いに着目した単元である。本単元の中心的な活動は,「大久保つつじ」を多くの人に知らせるための広報活動である。広報活動に よって,改めて地域を見つめ直し,魅力あるまちづくりに携わる地域の人々の努力や工夫,地域へ の思いなどを知ることにつながると考えた。また,自らの国籍などに関係なく,地域の一員として の自覚をもち,地域社会にかかわる態度を育成したいと考え単元を構成した。

主な学習活動

(1)単元の展開(全35時間)

(2)本時の学習

自分たちが考えた「大久保つつじ」を広める方法をメリットとデメリットの両面から話し合うことにより,より現実的で確かな方法(作戦)を見いだしたり選択したりできるようにする。

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領 第 5 章 総合的な学習の時間 第 3 の 2 の(2)において,「問題の解決や探究活動の過程においては,他者と協同して問題を解決しようとする学習活動や,言語により分 析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。」と示している。

体験したことや収集した情報を,言語により分析したりまとめたりすることは,問題の解決や 探究活動の過程において特に大切にすべきことである。そのためには,分析とは何をすることな のか具体的なイメージをもつことが必要となる。例えば,集めた情報を共通点と相違点に分けて 分類したり,時間軸に沿って並べたり,原因と結果に分けたり,変化や結果を予測したり,現実 社会の事象に当てはめたり,多面的・多角的に分析したりすることなどが考えられる。

本事例は,地域調査から浮かび上がった問題点の解決策について考え,現実的で確かな方法へ と高めていく場面である。そのために,児童が考えた方法をメリットとデメリットという異なる 視点から分析し,よりよい方法へと高めていく学習活動を行う。

【言語活動の充実の工夫】ー異なる視点で分析し考える話合い活動ー

地域の住民に行ったアンケート調査から,地域で「大久保つつじ」がほとんど知られていない 現実を知る。そのため,前時までに「大久保つつじ」を広めるための方法の候補として,パンフ レット,ポスター,カレンダーなどを考えた。

本時は,前時までに考えたいくつかの方法をメリット,デメリットの視点で見直し,より現実的で確かな方法にするための話し合い活動を行った。

~「よいわる発見シート」の活用例(4~5名)~

  1. 方法ごとに,「良い点(メリット)」をグループで話 し合い,ワークシートに書き込む。
  2. 方法ごとに,「悪い点(デメリット)」をグループで話し合い,ワークシートに書き込む
  3. 「悪い点(デメリット)」について,具体的な改善 点をグループで考える。
  4. グループごとに話し合った結果を一覧表にして共有し,よりよい方法を決定する。

メリット,デメリットの両面からの話合いは,実践したい方法を異なる視点から分析し考える児童の姿を 生み出した。メリットとデメリットに分けて書き込むワークシートにより,児童にとっては,それぞれの方 法の価値が目に見えて分かる。グループ内では,新たなよさに気付いたり,問題点を指摘したりするなどの 主体的な話し合いが展開された。メリットとデメリッ トの項目数などによって方法の是非を判断するだけで なく,デメリットに書かれたことからよりよい方法へ と改善策を考える児童の姿も生まれてきた。このよう に,課題を解決していく際には,解決のためのアイデ アや方法などについて,メリットとデメリットの両面 から吟味させ,より一層提案性の高い内容や方法へと高めていくことができる。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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