空気と水の性質(理科 指導案)

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目次

1.1 イメージと現象を結び付けて表現する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

単元の目標

空気及び水の性質について興味・関心をもって追究する活動を通して,空気及び水の体積変化や圧し返す力とそれらの性質とを関係付ける能力を育てるとともに,それらについて理解を図り,空気及び水の性質についての見方や考え方をもつことができるようにする。

単元

本単元では,袋などを使って空気を集めたり,空気を閉じ込めた袋で遊んだりしたときの体感 を通して,空気を「もの」として意識し,そのときのかさの変化や手ごたえについて興味・関心 をもって追究できるようにする。また,空気と水の性質を比較したり,それらの性質を利用した おもちゃづくりなどの活動を通して,空気と水はぞれぞれ違った性質があるという見方や考え方をもつようにする。

主な学習活動

(1)単元の指導計画(全8時間)

(2)本時の学習(4/8時間)

1. 目標 閉じ込めた空気は圧し縮めることができることを,具体的なイメージをもって理解することができる。2. 本時の展開

  • 空気鉄砲の前玉が飛び出すときの後玉の位置を調べる。
  • 玉が飛び出す時の仕組みを,イメージ図を使って考える。
  • 紙の玉でも飛ばすことができるかを考え,実際に試す。

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領第2章第4節理科第2(第4学年)の2において,A(1)「空気と水の 性質」が示され,また,第3の1の(2)において,「観察,実験の結果を整理し考察する学習 活動や,科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動を充実するよう 配慮すること」と示されている。

ここでの指導に当たっては,空気と水の性質の違いを力を加えたときの手ごたえなどの体感を 基にしながら比較できるようにする。また,力を加える前後の空気の体積変化について説明する ために,図や絵を用いて表現することができるようにする。

本事例は,空気鉄砲を押し込んだときの体感を基に,筒から玉が飛び出す前後の空気の様子をモデル図を活用して児童が説明する活動を行った。また,空気が圧されて縮む様子を目に見える ように,筒の中に発泡ポリスチレン製の具材を入れて押す活動を行い,表現した図と現象を結び付ける工夫を行っている。

【言語活動の充実の工夫】

モデル図の活用

棒を押したときの手ごたえを 自覚することはできるが,その 具体的な内容を言語で他者に伝 えることは難しい。そこで,モデル図を活用して,見えない空 気を多様な図で表現させた。こ こで重要なことは表現した現象との整合性である。実験結果や 起きた現象との整合性がないモデル図は修正することになった。 また,描いたモデル図を基に他者へ説明する活動を行うとようにした。他者との意見交換を通してモ デル図が吟味されていった。ある児童は,空気を粒で表現したところ, 別の児童から粒と粒の隙間には何があるのか質問され,「真空」と答えた。すかさず教師が「だったら水の中に筒を入れると隙間には水が入ってくるのかな」と問いかけると,「入る」と予想した。演示実験で確かめると,筒の中には全く水は入らなかった。その結果,筒の中に隙間なく空気が存在し,ぎゅうぎゅうに入る図を描く児童が増えていった。

イメージと現象を結び付けて表現させる工夫

見えない世界を表現するためにモデル図は適してい るが,図はあくまでも事象 そのものではないので,事 象と図には差異がある。そこで,可能な限り事象に合 致したモデル図を描けるようにするため,図に描いた 様子が確認できる事象とし て観察できる工夫も大事である。

空気の様子を○で表現する児童の多くは,○の数はあまり気 にせずに描いていた。見た目の空気の量が減ることから空気の 粒が減ったように描いたり,手ごたえの変化から粒を多く描く児童もいる。友達から「棒を圧すと空気の数が変わるの?」と 質問されて数の違いに気付いた。そこで,空気の数が変わるの ではなく,空気が圧しつぶされるイメージをもちやすくするため,筒の中に発泡ポリスチレン製の具材を入れた立体モデルを活用し,棒で圧し具材の変化を観察する活動を行った。棒を押 すと具材の体積が小さくなり,棒をゆるめると具材が元の大きさに戻る様子が観察できた。この 事象とイメージ図を結び付けることで,○の数は同じだが少し圧し潰されたような図に描き直し, より現象に合致した図に描き直すことができた。図だけを描かせただけでは,現象の意味をどの ように理解しているのか読み取れないが,現象の意味を言語で記述させると,記述内容にその児 童の理解が表われる。図と言語を使用することで、児童はより明確に理解することができた。このように,手ごたえなどの感受・表現や現象の解釈・説明といった言語活動の充実を図った。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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