人の体のつくりと運動~モデル図の活用~(理科 指導案)

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目次

1.1 モデル図を活用しながら,考察し表現する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

単元の目標

人や他の動物の骨や筋肉の動きについて興味・関心をもって追究する活動を通して,人や他の動 物の体のつくりと運動とを関係付ける能力を育てるとともに,それらについての理解を図り,生命 を尊重する態度を育て,人の体のつくりと運動とのかかわりについての見方や考え方をもつことができるようにする。

単元

児童にとって,骨や筋肉の存在や働きは,身近でありながら日常生活においてあまり意識することは少ない。そこで,実際に自分の体に直接触れることを通して,骨の位置や筋肉の存在を調べたり,人や他の動物の体の動きを観察したり資料を活用したりして,骨や筋肉の働きを調べるようにする。また,骨と筋肉のつくりとその付き方は実際に見ることができないため,調べた骨や筋肉の様子と働きを動きと関係付けてモデルを用いて説明できるようにする。

主な学習活動

(1)単元の指導計画(全11時間)

(2)本時の学習

  1. 目標 骨と筋肉の動きを関係付けて考察し,自分の考えを表現することができる。
  2. 本時の展開
  • 自分の腕を動かし,腕を曲げるときの筋肉の変化の様子を調べる。
  • 腕を曲げるときの骨と筋肉の付き方を予想し,立体モデルで検証する。
  • 検証した結果を基に,骨と筋肉の関係について考察し,立体モデルを使って説明する。

【言語活動の充実の工夫】

思考を促す立体モデルの提示

本時では,腕を曲げたときの筋肉の様子から,骨と筋肉のつくりや働きと腕の動きを関係付けながら調べる活動を行った。

腕を曲げたときの骨と筋肉の様子という目に見えない現象について考えることは容易ではない。 腕を動かしながら筋肉の硬さの変化を現象としてとらえることはできても,その要因となる筋肉 の骨への付き方を構造的にとらえることは難しい。そこで,立体モデルとして角材2本をボルトで留めて,180 °まで開くようにして肘関節とし,筋肉に見立てたバネをかけるためのフックを 肘をはさんで両側に4カ所付けたものを用意した。これにより,骨に筋肉がどのように付いてい れば,腕を曲げることができるのかについて思考を促すことができた。

予想したことを明らかにするモデル図の活用

腕を曲げたときの骨と筋肉の関係について立体モデルを操作しながらとらえる活動では,実際 の腕の動きや筋肉の硬さの変化といった現象からかけ離れてしまうばかりでなく,立体モデルの 操作が中心となり,思考が伴わない恐れがある。そこで,立体モデルを操作する前に筋肉のかわ りとなるバネがどの位置に付くと腕を曲げることができるのかを,実際に自分の腕に触れながら 予想し,モデル図に表すようにした。

予想した内容はモデル図を用いて学級全体で発表し合 い,「手首に筋肉が細くなった筋があるから,そこから 肩までつながっているのでは…」,「でも,肘の関節に は筋肉はなさそうだから,2つの筋肉に分かれているの では…」,「肩に近い方の筋肉は,肘の関節より先の骨 に付いていないと,縮んでも腕が曲がらないと思う…」 といった考えが出された。

自分の考えについての立体モデルによる説明

自分の予想を検証する場面では,立体モデルを動かし て実際の腕と比較しながら調べる活動を行った。立体モ デルでの検証は,関節での動きが骨と筋肉との関係のみに捨象され,児童にとって目に見えない腕の中の骨と筋 肉の関係を考える際に有効であった。

検証した結果を説明する場面では,予想した内容をモデル図で示すとともに,立体モデルを用いながら検証の様子を説明することで,どのように考えたか,プロセスを述べることができた。

このように,関節が曲がるときの骨と筋肉の付き方をモデル図で表したり立体モデルを操作したりする段階を経由することにより,「筋肉は縮んだり緩んだりして,関節で骨を動かしている。」 というように,骨と筋肉の働きと腕の動きを関係付けて言葉で整理し,理解を深めることができた。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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