流水の働き(理科 指導案)

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目次

1.1 科学的な言葉や概念を使って,事象を解釈し説明する事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。

添付ファイル

単元の目標

地面を流れる水や川の様子を観察し,流れる水の速さや量による働きの違いを調べ,流れる水の 働きと土地の変化の様子の関係についての考えをもつことができるようにする。

単元

本単元では,洪水時に川の様子が大きく変化していることから,流れる水と土地の変化の関係に疑問をもつ。そして,人工の流れをつくって条件に着目しながら調べることで,流れる水には地面 を侵食したり,石や土,砂や泥などを運搬したり堆積させたりする働きがあることをとらえるようにする。

また,流れる水の速さや量を変え,地面の変化の様子を調べることで,水の量や速さによって水の働きが大きくなることをとらえるようにする。

さらに,流れの上流と下流とでは流れる水の働きに違いがあることから,実際の川における石の大きさや形の違いをとらえるように単元を構成する。

主な学習活動

(1)単元の指導計画(全12時間)

(2)本時の学習

  1. 目標 土地に水を流し,変化を調べる活動を通して,流水と土地の変化を関係付け,流れる水には侵食,運搬,堆積の働きがあることをとらえる。
  2. 本時の展開
  • 水の働きによって削られると考える場所に旗や色砂で印を付ける。
  • 水を流し,土地が変化していく様子を調べる。
  • 旗の周りの土地の様子や色砂の様子をもとに,水の働きを話し合う。

指導事例と学習指導要領との関連

小学校学習指導要領の第2章第4節理科第2(5学年)の2において,B(3)「流水の働き」 が示され,また,第3の1の(2)において,「観察,実験の結果を整理し考察する学習活動や, 科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりするなどの学習活動が充実するよう配慮する こと。」と示されている。

ここでは,地面を流れる水や川の働きについて興味・関心をもって追究する活動を通して,流水の働きと土地の変化の関係について条件を制御して調べる能力を育てるとともに,それらについての理解を図り,流水の働きと土地の変化についての見方や考え方をもつことができるように することがねらいである。

本事例では,土に水が流れると,その様子が変化することに気付いた児童が,色砂を用いたモ デル実験を通して流れる水の働きを明らかにしていく場を構成した。水が流れることで,土のどの部分が「侵食」されるのか,どの部分に「堆積」するのか,見通しをもって観察・実験を行い, 「侵食」される様子や色砂が「堆積」する様子から,「侵食」されたものが「運搬」され,「堆積」 するという流れる水の働きを明らかにしていく。

言語活動の充実の工夫

児童は,前時までの学習で,水が流れると土地が侵食 され変化することをとらえ,土地のどの部分が侵食されるのか観察・実験を行った。曲がったところの外側や水 の流れの上部が侵食されると考えた児童は,その部分に 色砂を置いたり,曲がりに棒を立てたりした。水を流し ていくと,土に混ぜた色砂が侵食され運搬されていった。 その様子を記録し,流れる水の働きをとらえていった。

「侵食」「運搬」「堆積」を明確にする河川図の活用

水を流す前後の土地の変化を河川図に表すことで,水 を流すことによる土地の変化に目を向けていくことをねらった。児童は,水を流したときに「色砂が崩れていく」 と,土地が侵食されていく様子に気付いた。侵食された色砂が移動した結果を河川図に着色し,水を流した前後 における河川図を比較した。そこで,色砂の移動を矢印 を用いて表現し,着色された場所の変化を明確にすることで「曲がったところの内側に色砂が移った」「水の流れが止まったところにいろいろな色の色砂が集まった」 などと土地の変化をとらえることができた。

水の流れと働きを関係付けて事象を解釈し説明する場の設定

記入された河川図を基に水の流れと土地の変化の関係 を明らかにする話合いを行った。「上流に置いた色砂が 曲がったところの内側にある」「曲がりの外側の色砂が 下流にある」などと,色砂の位置の変化を明確にするこ とで土地が侵食され堆積することが見えてきた。また, 「色砂が流れていく」「色砂が水にのっている」などと 色砂が運ばれていくことから,土地が侵食・運搬される ことを明らかにしていった。このように,児童は,「水 の量を増やすと,侵食する量も堆積する量も増える」「た くさん運搬されているからだ」「水の動きが遅いところ には堆積する」と,水の流れと土地の変化の様子を結び 付けてとらえることができた。

土地が変化し,色砂の場所が変わる様子をノートに図や言葉,矢印で表現し,「侵食」「運搬」 「堆積」といった科学的な言葉を使って説明させることが,流れる水の働きをを理解することに つながった。このように,解釈・説明といった言語活動の充実を図った。

引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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