白い石(図工 指導案)

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目次

1 話合いを行うことで発想や構想を深める事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
添付ファイル

題材の目標

白い石の造形的な特徴や,自然の材料,場所の様子などを基に,新しい形を発想したり,みんなで話し合ってよさや面白さを考えたりしながら,造形的な活動を行う。

題材

本題材は,白い石の形や色などの特徴を基に,これを校庭に並べたり,そこに新たな材料を加えたりしながら造形的な活動を行うとともに,そこで生まれたよさや面白さを感じ取る活動である。 児童は,まず白い石に出会い,その感触や形,色などの造形的な特徴をとらえる。次に,白い石 に似合う場所を校庭で探し,場所の様子や特徴を考え合わせながら白い石を並べたり,校庭で見付けた木の枝などの自然物を組み合わせたりするなど,グループで造形的な活動を行う。 このとき,デジタルカメラや画用紙によるまとめなど,話合いが活性化するような手立てを取り 入れることによって,一人一人が感じたことを多様な方法で表現したり,話し合ってアイデアを発展させたりするなどの言語活動を充実させ,本題材がねらう「発想や構想の能力」,「鑑賞の能力」などを高めようと考えた。

主な学習活動

(1)題材の展開(90分)

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領 第3学年及び第4学年において,A表 現(1)造形遊び「イ 新しい形をつくるとともに,その形から 発想したりみんなで話し合って考えたりしながらつくること。」 とある。
これは,材料や場所などに働きかけ,材料を組み合わせたり, 別の材料を加えたりしながら,次々と発想や構想が連続する過 程を示している。また,一人一人が思い付いたことを出し合う ことで,お互いに発想を刺激し合いながら造形活動を行うこと を示している。
本題材では,グループ活動を取り入れ,言語活動と造形活動 が相互にかかわり合いながら「発想や構想の能力」,「鑑賞の能 力」が高まるようにしている。特に,デジタルカメラや画用紙 を取り入れることで話合いが具体的に展開するように題材を構 成している。

【言語活動の充実の工夫】

本題材において,言語活動の充実を通して図画工作科の資質や能力を高める手立ては次の 2 点 である。

(1)デジタルカメラを共有して使うことで友人と語り合いな がら活動するようにする。

自分がつくっているものをデジタルカメラで撮影するとい う行為は,自分たちの生み出した形や色などを確認するとい う活動である。本題材では,デジタルカメラを,あえて一人 一台にせず,グループに一台とする。これによって,お互い に気付いたことが交流し合うようになる。例えば,デジタル カメラの画面を覗き込みながら「もう少し上まで撮るとよい」 「形をこう変えた方が面白い」などの話合いが行われる。ま た,活動が続くにつれて「石をどのような場所に置いたらよ りよい雰囲気になるのか」「どのような材料を持ち込んだら形 の面白さが引き立つのか」など,具体的な話合いが展開する ことになる。結果として言語的な交流を通して,児童の「発想や構想の能力」が高まることになる。

(2)画用紙に自分たちの考えや感じたことをまとめ掲示する。

四つ切大の画用紙に自分たちが撮影した写真を張り付け, 話し合いながら活動した内容を簡単な言葉で書き加え,これ を教室に掲示する。この手立てによって,児童は, 自分たちが感じたことや考えたことを〈画用紙という場所〉で再度確認することになる。その際, 長い文章を書くのではなく,事実と感想を分けて, 端的に自分たちの感じたことをまとめるようにする。例えば右の写真は「暗い所に光が差し込んで いて,きれいでした。水たまりには,校舎や校庭 の木がうつっていました。白い石を置いたら,湖 に見えてきました」と書かれている。ここから, それぞれの場所で見付けた光や形などを手がかり に,児童が具体的にイメージを膨らませていることが分かる。
デジタルカメラや画用紙などを用いて,具体的にお互いの気付きが交流するような話合い活動 を行うことよって,児童の「発想や構想の能力」,「鑑賞の能力」が高まるように工夫した事例である。


引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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