「浮く・泳ぐ運動~水泳」段階的な練習カード(児童用・教師用)

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目次

1. はじめに

小学校の学習指導要領では、水泳系の運動領域を、1,2年生「水遊び」3,4年生「浮く・泳ぐ運動」5,6年生「水泳」で構成しています。

その中で、3,4年生の「浮く・泳ぐ運動」は耳慣れない言葉ですが、その内容は以下のように示されています。

次の運動を楽しく行い、その動きができるようにする。

ア 浮く運動では、いろいろな浮き方やけ伸びをすること。

イ 泳ぐ運動では、補助具を使ってのキックやストローク、呼吸をしながらの初歩的な泳ぎをすること。

このうち、「呼吸をしながらの初歩的な泳ぎ」については、解説の中で「…呼吸しながらのばた足泳ぎやかえる足泳ぎなど、クロールや平泳ぎなどの近代泳法以外の泳ぎのことである。このような泳ぎは、高学年で行う水泳の前段階となる。」と示されています。このことを、どのように解釈すればよいのでしょうか。

3,4年生の学習では、クロールと平泳ぎの手足の動きを知り、それらの動きで進む練習をすることが必要です。しかし、正しい泳法で呼吸しながら泳ぐという『完成形』は求めず、クロールや平泳ぎの「ような」手足の動きを使い、呼吸しながら進むという『感覚や動き』を身に付けさせることが大切です。

2. カードの使い方

今回の資料は、低学年の「呼吸」と「補助具や友達につかまっての浮き」から、高学年の「クロール・平泳ぎ」さらに発展的な課題として「初歩的な背泳ぎ」まで、9つのステップで、段階的に練習できるようになっています。児童用のカードには練習方法の図とその動きや泳ぎのポイント、教師用のカードには詳しい練習方法と言葉かけのポイントが示されています。

児童用は人数分を印刷して教室での児童の学習資料にしたり、ラミネート加工をしてプールサイドで児童や教師が見られるようにしたりします。拡大コピーをして教室や廊下に掲示したり、大きなボードに拡大してプールサイドで見られるように掲示したりすることも大変効果的です。

また、水泳指導は、学年や2学年以上の教師が複数で指導を行います。教師が複数いる利点を生かして、練習の場を課題別に分け、それぞれの場で泳力に応じた課題の練習をすることが効果的です。

その際に、このカードを使って、「今日は、Aグループは(1)クロールの足と手の動き、Bグループは(2)面かぶりクロール、Cグループは…」と練習内容を分け、カードに載っている順番に指導をすると、計画的に、また学年・学校で共通した指導が行えます。

各学年で、児童の泳力の実態に合わせてご活用ください。

なお、各学年の単元計画や1時間の授業の流れ、学習の場や活動の工夫については、

水泳授業で子どもが喜ぶ活動の工夫①(リズム水泳) | EDUPEDIA

水泳授業で子どもが喜ぶ活動の工夫②(水中ゲーム) | EDUPEDIA

上に添付した練習カードは下からダウンロード可能です。

ぜひご利用ください。

添付ファイル

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3 講師プロフィール

東京都小学校教員。平成22年度の文部科学大臣優秀教員表彰者。また平成22年7月10日朝日新聞夕刊の連載記事「花まる先生」で紹介されている。東京小学校体育研究会( http://www.syoutaiken.com/)水泳部に所属。東京都の小学校で体育指導、特に水泳の指導に力をいれている。水泳の授業では、児童に水に慣れてもらうことを第一目標に掲げて「ドーンじゃんけんぽん」など、遊びを取り入れながら一人一人の目標が自然と達成できるような指導を行なっている。

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