笑顔あふれる徹底反復(桑原健介先生)

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目次

1 【発表概要】

徹底反復というと固いイメージを抱かれるかもしれません。しかし桑原学級では、徹底反復学習にもコミュニーケーションやペア活動、スピーチや褒め合う活動を導入して、教室の雰囲気を温かくしています。温かい学級づくりを並行して行うことで、さらに徹底反復による基礎力も伸び、授業もやりやすくなるはずです。

本記事は、桑原学級で行われている徹底反復学習と、教室を温かい雰囲気にする実践を取り上げます。

2 【発表動画】

http://youtu.be/saB4UbJKi5w
http://youtu.be/xZQuBrRNN7s

3 【徹底反復学習の効果】

修学旅行から帰ってきた後、児童たちは一人ずつスピーチをしました。児童たちは現地の修学旅行先に行かなければわからないことを、自分のことばで分かりやすく伝えることができました。隣の小学校との交流会では、大人数を前にしても物怖じせず、いつもの自分たちを出せました。

話すためには、まず文章を書けるようになることが必要です。日頃の徹底反復学習をして基礎力が身についていたからこそ、これだけのスピーチができました。また、学級がまとまり、安心できる雰囲気にあるからこそ、児童たちは自分を出せるようになっています。

4 【徹底反復学習】

音読学習

ただ読むだけではなく、高速で読ませています。また、ごくたまに『猪木語録』(アントニオ猪木の名言集)を大きな声で元気よく音読しています。もちろん規律正しくやることが基本ですが、たまにはこのようにユーモラスな取り組みをすると良いかもしれません。

以下は発表当日に参加者全員で朗読した『猪木語録』の内容です。

元気ですか。
元気が一番。
元気があればなんでもできる。
私に言わせれば限界なんて言葉はない。
人生は挑戦の連続である。
失敗のない人生なんてありえない。
もっと体を動かせ。
大きな声を出してはっきり物を言え。
馬鹿になれ。
どんどん馬鹿になれ。
恥をかけ。
とことん恥をかけ。
やりたいことやれねばならぬことに全力で取り組め。
それではみなさんご一緒に、1・2・3ダー。
(出典 『猪木語録』)

以下は参考サイトです。
http://matome.naver.jp/odai/2126499635194067501
([名言]アントニオ猪木語録、格言【道】—NAVERまとめ)

音楽を取り入れた百マス計算

桑原学級でも百マス計算のプリントを行います。百マス計算を続けて基礎力が上がると、授業中のひらめき、鋭さが違います。スピードが上がってもとにかく繰り返し続けます。

具体的な取り組みかたとしては、以下の図のように両面で、それぞれ2マスずつプリントしたものを毎日用意します。これを足し算2分、引き算2分、掛け算2分、割り算3分といったように、時間を設定して取り組みます。それぞれ2マスずつ用意することがポイントで、2分以内に1マスが終わった児童は、時間までその下のマスに取り組みます。こうすることで効率良く取り組めますし、自分の計算力の伸びを視覚的に捉えられます。

しかし、繰り返し取り組んで計算力がつくと、速度が伸び悩んできます。そんなときには音楽を流しながら、百マス計算を行います。今まで頭打ちだった計算速度がまたグーンと伸びました。使用している楽曲は、Jigsawの『Sky High』(1975)です。他の曲も色々と試しましたが、この曲が児童たちに一番合っているようです。
http://www.youtube.com/watch?v=mudlXF3MA8Q
Jigsaw『Sky High』(1975)

歴史人物カードを利用した学習

日本標準の『社会科資料集』付属の歴史人物カードを使用して、歴史の反復学習をします。児童2人の対戦形式です。カルタの要領でその人物に関連した事柄を先生が読み上げ、児童は人物名が書いてあるカードを取っていきます。

5 【教室が温かくなる取り組み】

以下2つの実践は北九州の菊池省三先生に学ばせて頂いたものです。

褒め言葉のシャワー

毎日帰りの会のときに、教室の前に立っている1人の児童に対して、全員でお互いのことを褒め合います。褒められた人は言われた言葉に対して、即座に返答します。全員からの褒め言葉が終わったら、最後に褒められた児童から全員に向けてメッセージを送ります。褒め合ううちに自然と笑顔があふれてきます。

プリントを配布するときの工夫

一般的な渡し方

渡す人:どうぞ
受け取る人:ありがとう

桑原学級

渡す人:どうぞ、ドラえもん
受け取る人:ありがとう、しずかちゃん 

他にもどうぞフランケン、ありがとう怪物くんなどと、教室の雰囲気を暖かくするために、一言加えて受け渡しをしています。取材当日に会場でも行いましたが、先生たちも笑顔になりました。

6 【編集後記】

『猪木語録』の音読や音楽を取り入れた百マス計算、非常にユニークな試みでした。児童たちも元気がよく、桑原学級はとても温かい教室でした。ユニークな点や元気の良さに目が行きがちですが、即座に言葉を返す頭の回転の速さなど、日々の徹底反復学習の取り組みの効果をしっかりと感じ取れました。桑原先生どうもありがとうございました。(レポーター EDUPEDIA編集部 下村太郎)

7 【講師プロフィール】

桑原健介(くわばらけんすけ)先生 
徹底反復研究会九州支部

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