リズムを感じ、おまつりの音楽をつくろう(港区立青山小学校)

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本授業は、2012年2月24日に港区立青山小学校において行われた研究発表会「生きてはたらく活用力を育む教育課程の創造」における山田教美教諭の実践です。
http://www1.r4.rosenet.jp/aoyama-ea/

目次

1 この記事について

リズム学習を通じて、児童が音楽をつくる楽しみを味わうことを目標としています。

授業の進め方や工夫、児童の実態、言語活用への活かし方などの詳細は、添付した指導案をご覧下さい。また動画や実際に用いた教材の画像もありますのでぜひご活用下さい。

2 授業の目的・目標

  • 太鼓のリズムやおまつり風の掛け声を作り、拍にのって表現する。
  • 友達と一緒におまつりの音楽を作る楽しみを味わう。

3 本時のねらい

  • 太鼓のリズムやその組み合わせに興味・関心をもち、拍にのってすすんで音楽づくりに取り組 む
  • リズムを組み合わせて作った音楽を即興的に演奏する。

4 授業の流れ

導入の歌(せっせっせ、翼をください、村のまつり)

音楽の授業に入りやすくするために始めに導入として毎回「せっせっせ」と「翼をください」を伴奏に合わせ歌います。また、おまつりの音楽の単元なので「今月の歌」として「村まつり」と「おまつり ワッショイ」も元気よく歌いました。

歌唱教材を拡大コピーして貼り、なおかつそこに棒線や波線、一言アドバイスも添えることで、子どもが表現の工夫を視覚的にとらえることができるようにしています。

リズムについて

  • リズムの確認

以下のようなリズムカードを用いて様々なリズムを手拍子で確認をします。

本時の学習の説明

上記のねらいを達成するために、児童に対して本時の流れを掲示物を用いて説明します。

本時の目標は教室内に貼られています。特に大事なところは強調して書かれているので、児童の印象に残りやすくなっています。また、耳で聞いているだけだと聞き逃すことがありますが、この形式だと見返せるため、常に確認しながら授業の進行が出来ます。

個別ワーク

各児童がリズムカードを好きなように4つ並べます。その後手拍子や太鼓などで実際にやってみます。様々な種類の太鼓を用意し、音などを比べられるようにもします。

磁石の埋め込まれた小さいリズムカードを、それぞれに与えられた小さいホワイトボードに貼り付けます。それぞれのリズムにドンドコなど読みが記入されており、児童も簡単にリズムがとれるようになっています。

全体確認

  • 各自のリズムの確認

教師が拍をとりながら児童が各自の作成したリズムを手拍子で確認します。

  • 本時の学習の確認

どうしたら音楽になるか。とまったら音楽にならない。では「音楽が止まらないようにつなげるにはどうしたら良いか」をグループで相談して考えさせます。
「グループの中の人と音をつなげてかけ声をかける。」などの意見が出ました。

各班作業

各班4名のリズムを並べ、掛け声なども相談しながら考えます。

中間発表「つながりを意識した発表」

「音が止まらないようにつなぐには」をうまく工夫し達成した班があったので全体に向けて発表しました。

 その班の特徴について聞いたところ、以下の様な意見があがりました。

  • 止まらないように作っていた。
  • 前の人がかんかんして繋いでいた。
  • 次の人がやりやすいように横にずれていた。
  • 皆が節リズム以外にできていた。
  • 最初と最後に皆の掛け声が入っていた。
  • バチを渡す人が決まっていた。
  • 最初に掛け声をしていた。入りやすい。
  • 最後のドドドドが終わりの合図。お祭りっぽい。

最後に児童同士で手のマッサージをして授業を終わりました。

5 事後インタビュー

今回の授業の目標は何でしたか?

「比べる、つなげる、形づける」が学校全体での研究目標であり、個の充実(つまりそれぞれのリズムが作れているか。)が全体の充実に繋がると考えています。

この授業の前にはどのようなことを行いましたか?

いくつかの太鼓のビデオを見て比べ、太鼓の面白さを感じてもらいました。

見回っていた時、児童にどのように声をかけていましたか?

どんな風にそのリズム選んだか、なぜそれを選んだか、を聞いていました。

各グループでの活動が多かったですが、どのような組み方をしていますか?

グループは普段の教室のグループです。それぞれにリーダー的存在がいるので音楽の時間も引っ張っていってもらっています。

指導案から変更した点はありましたか?

指導案では、おまつりの音楽の作り方(はじめ、なか、おわり)を教えてしまう予定でしたが、それぞれのグループが言われなくてもできていたことや、少し変わった方法でつなげていたグループもあったのでそのまま自由にやってもらうことにしました。

6 取材あとがき

授業開始後すぐに「せっせっせ」や「翼をください」を教師の伴奏に合わせて体も動かしながら歌っていましたが、児童全員が元気よく生き生きとしており音楽の授業に合った良い導入方法だと思いました。授業の最後にもストレッチをしているのも印象的でした。また、普段から児童が楽しんで音楽の授業に臨めていることも分かりました。

中間発表では、友達の発表をよく見て工夫に多く気づけており、その後自分たちのおまつりの音楽にも活かしていました。

この記事を参考にしてリズム感や身体性を大事にした音楽の授業をしていただければと思います。
(文責・編集 EDUPEDIA編集部 水島淳)

7 参考資料

各グループの楽譜

指導案

こちらからダウンロードできます。

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