1 はじめに
この実践は、2012年3月28日に行われた学級づくり改革セミナーで紹介された土作彰先生の実践の1つです。
クラス替えや席替えを行うと、子どもたちは互いのことをよく知らず、クラス全体がぎこちない緊張した雰囲気になります。子どもたちの緊張をほぐし、リラックスして授業に取り組めるような実践を2つ紹介します。
2 動画
3 スキンシップで簡単なコミュニケーションを行う
<テレパシーゲーム>
■準備
隣同士2人 ひと組でペアを組み、向かい合って座る。
その際に、相手の目をきちんと見る。
■本番
①二人がそれぞれに、自分の頭の中で1~3の数字を思い浮かべる。
思い浮かべるだけで口や表情には出さないようにする。
②教師の「せーの」の掛け声で、一斉にその思い浮かべた数字の本数の指を出す。
思い浮かべた本数が一致したかどうかを楽しむというゲーム。
これを3回繰り返す。1回終わるたびに、「〇回目に成功したペア手を挙げて」と教師がクラス全体に声をかける。うまくいったペアには毎回全員で「拍手」を。
<音をひとつに>
■準備
①2人ペアになって、起立して向かい合う。
②お互いの右手と右手の手のひらを胸のあたりの高さで合わせる。
このときに、自分と相手の手のひらがどの位置で合うのかを確認させる。
③いったん手を離し、気をつけする。
④見つめ合う。
⑤「パン」と音がなるくらい勢いをつけてタッチ。
■本番
①全員目をつぶる。
②教師のかけ声「いちにのさんはいっ」で手のひらをくっつける。
手のひらをタイミングよくくっつけて、パンという音を鳴らすことができるかを楽しむゲーム。
みんなの前でお手本を見せて、難しいことを示してからクラス全員でやってみると盛り上がり、クラス全体が和やかな雰囲気になる。
左手、両手のバージョンもやってみる。さらに、一回転を間に挟むことによって難易度が増す。
①右手と右手を合わせて、おたがいの手が合う位置を確認する。
②気をつけして、目をつぶる。
③その場で一回転する。
④教師のかけ声「せーのっ」に合わせて、手を合わせようとする。
なかなかいい音を出すのは難しい。
4 編集後記
動画では実際に初対面同士の大人たちが、この実践でアイスブレイクしている様子を見ることができます。緊張した雰囲気をほぐすことは、その後の子どもたちの取り組む姿勢を柔軟にすることにつながるのではないかと思います。クラス替え後の新学期、席替えのとき、子どもたちに緊張の色が見られたら、このような実践をいれてリラックスした雰囲気にしてみてはいかがでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤 睦)
5 実践者プロフィール
土作彰(つちさくあきら)先生
やる気と集中力を持続させる授業づくりや、活気ある学級にするにはどうすればよいのか。誰にでもすぐにつかえるネタ(ミニネタ)による教育実践を提案。膨大な研究に基づくミニネタの数々は、猛烈におもしろく知的。一度参加したら「病みつき」になる土作イリュージョンは必見。近年は学級づくり・授業づくりの根底にある教育哲学を追求している。
著書 に「ミニネタ&ワークショップで楽しい道徳の授業を創ろうよ」「基礎学力のつくワークショップ型授業」(学陽書房)、「子どもを伸ばす学級づくり−哲学ある指導法が子どもを育てる」(日本標準)など多数。
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