「森の絵」で役割を果たす心(坂本哲彦先生)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1、はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→ http://sakamoto.cside.com/

2、この記事で紹介する実践

資料

「森の絵」(塚野征)
出 典:「道徳教育推進指導資料(指導の手引き)4 小学校 読み物資料とその利用 ‐主として集団や社会とのかかわりに関すること‐」平成6年 PP.41-47

対象

小学校5・6年生

ねらい

えり子がやる気になった理由を繰り返し話し合うことを通して、やる気になるために大切なもの(条件)について自分なりの考えをもち、自分の役割を自覚し、協力して主体的に果たそうとする意欲と態度を養う。
4−(3)

3、学習内容

① 「森は生きている」という演劇のあらすじを知る(8分)


(写真1:登場人物のまとめ)

  • 説明:「今日使う読み物資料に出てくる『森は生きている』という演劇のあらすじを話しますね。」
  • 板書にあるように「わがままな女王(主人公の継母)が娘に『4月のマツユキ草』を取ってきなさい」と命じます。娘は吹雪の中探しに出て、12ヶ月の精に出会い約束を果たす。」という物語です。その演劇を学習発表会でクラスの出し物に採用し、練習している様子が描かれている読み物資料です。

② 資料を読み話し合う(30分)


(写真2:資料中の主人公の気持ちを共有する)

  • 資料を読み、始めに写真1のように主人公の気持ちを押さえます。
  • 発問1:「どのような理由・気持ちからこのようなやる気・気持ちになっただろうか?」


(写真3:中心発問と児童の反応)

  • すぐに中心発問です。この発問の前に、文男が「だれかがやらなきゃ劇にならない」の発言の意図や込められた気持ち、また「文男くんが好きでないのに一生懸命やっている姿」への自分の感じ方などを丁寧に尋ねていく授業も可能です。しかし、そういうのは、授業がだれてしまう原因になるので、高学年ではすぐに中心発問に入るのがいいと思っています。そこで、それらの活動をこの発問の中で一緒にまとめて取り扱います。
  • したがって、「だれかがやらなきゃ……」の発言が出たときには、「文男さんはどうしてそんなことを自然に思えるのかなあ」や、「文男さんが一生懸命やっているから……」が出たときには「みんなは好きではないことを一生懸命できるかなあ、また、これまでにしたことがあるかなあ」などと返しながら進めます。
  • その返しがしつこいと授業があちこちにいってまとまりにくくなりますし、だれてきます。でも、これらがないと、読み取りのあるいは読み取りにさえもなってない授業になります。
  • 大切なのは、役割を取得しながら、自分の体験や思いと重ね、自分の課題として、また自分のよさや不十分さにもそれとなく気付かせながら進行することです。
  • 発問2:「えり子さんがやる気になった本当の理由・原因・元は何だと思いますか?」


(写真4:左側の四角が発問2に対する児童の反応)

  • 発問2で話し合ってもなかなか自分事として考えられないのであります。私の授業ではよくそんなことがあり、自分でもどうしていいのか分からないことがあります。そんな時、やる方法が、一旦話し合いを終えて、改めてもう一度同じ発問を繰り返すことです。多くの人にとっては、あまりいい方法とは言ってもらえないかもしれませんが、「もっと真剣に考えよう」とか「もっと自分の問題として捉えよう」というメッセージにはなります。そして、「読み物資料の叙述からもっと奥に入ろう」という雰囲気を作ることができます。予め2回繰り返すことを計画していることが多いのですが、どうしようもなくなって、やむを得ず2回繰り返すこともあります。
  • その反応が板書左側の四角囲みの反応です。①もともといい役を友達に譲るほどの前向きな気持ちがあった。②文男さんやクラスのみんなの姿で、自分の元々もっていた前向きな気持ちがよみがえった、気付かされた。③みんなが頑張っているのを見ると「くやしい」「じぶんもがんばらなくては……」という負けん気のような、根性のようなものが出てきた などの反応が出てきました。
  • これらの反応は、主人公の気持ちを想像しようとしているのではありません。想像しようとすればするほど、自分の気持ち、自分がもしもそのような状況に置かれたときにはどのように感じるか、または、自分が今までそのような状況だったときどのように感じてきたのか、など、自分の心の中をのぞいているのです。
  • 自分の課題としてとらえ、自分のよさや不十分さと重ねていこうとしているのです。
  • 教師は、「○○さんもそんなことがあったんだね…」や「そう考えればやる気や元気が出てくるんだねえ…」「□□君も今度そう考えるといいねえ…」などと返します。これは、相当さりげなくやります。そうでないと、押しつけになるからです。

③ やる気の生まれる式を書く(7分)


(写真5:やる気の生まれる式を書き加える)

  • 式は、板書左のようになっていますが、これは例示です。それぞれの子どもがノートに自由に式を書くので構いません。
  • 大人もこのようなことを考えてみるのもいいわけで、そういう意味でも道徳の授業は面白く、自分のためにもなるのであります。


(写真6:全体板書)

引用元: http://bit.ly/ULCKm8

5、編集後記

児童一人一人が役割を持って活動することは、個々の承認欲求を満たすことにもつながります。また係などを決める時の考え方の育成にもつながるのではと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 伊藤 駿)

6、実践者プロフィール

坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業、山口大学大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。

自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページ
http://sakamoto.cside.com

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