いじめを受ける子どもへのアドバイス例

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

この記事は「ストップいじめ!ナビ ( http://stopijime.jp/ ) 」より転載させていただいております。

いじめに対する考え方や対策などを、ポイントをまとめて解説しています。

主にいじめを受けている児童・生徒向けの内容ですが、先生ご自身もこれらのポイントを把握しておくことで、いじめを受けている児童・生徒のケアに役立てていただければ幸いです。

Q. いじめられているのが恥ずかしい。自分は、何かいけないことをしたの?

A. いじめは「100%、する側が悪い」。悩まなくて済むよう、脱出策を考えよう。

いじめられているときって、「なんで自分がこんな目に遭うんだろう」って思うよね。そしてついつい、「もっといい子にすれば、いじめられずに済むのかな」と思ったりするかもしれない。

でも、いじめというのは、その行為そのものが許されないもの。もし誰かに「いじめられやすい要因」があるとしても、「だからいじめて当然」ということにはならない。

いじめという手段をとった以上、それは「いじめた側が100%悪い」ということになる。何かの「要因」があれば叩いてイイ、なんて考え方そのものが、いじめっ子の発想だものね。

ただ、そもそも「どちらが何%悪いか」なんて議論が、全くつまらないものなんだと知ってほしい。解決をしたいなら、「どちらが悪いのか」ではなく、「どうすれば今より事態が改善するのか」を議論しなくちゃいけない。

「いじめっ子が死んじゃえばいいのに」「学校がなくなっちゃえばいいのに」。追い詰められると、とにかく極端な願いを抱いてしまったりもするよね。でも、いじめられなくても済むようになるためには、もっといい方法があるんだ。

社会にあるいじめをゼロにすることは難しいけれど、君がいじめから脱出したり、君へのいじめを止めたりすることはできる。

Q. 見えにくいいじめに気付いてもらえない。どうすれば?

A. 記録をつけ、証拠を集め、相手が言い逃れできないように準備をしよう。

たいていのいじめは、人から隠れて行われがちなもの。いじめる人は、「いじめは叱られてしまうようなこと」だと分かっているからこそ、大人の目、他人の目を避けて、バレないような仕方でいじめを行うんだ。

だから、せっかく勇気を振り絞って、親や先生に報告しても、「本当なのか」「勘違いじゃないのか」「仲良さそうにしていたじゃないか」と疑われてしまうかもしれない。また、大人たちに伝えることで、ますます陰でのいじめがエスカレートするかもしれない。そう心配してしまうからこそ、誰にも言えずに悩んでしまっているという子は、とても多い。

だから、そういう心配をしないで済むように、反撃の道具を作ろう。そのための大事な一歩が、証拠ノートづくりなんだ。

いつ、どこで、誰と誰に、どんなことをされて、どうなったか。その証拠はあるのか。いじめっ子は何人で、誰がリーダー格なのか。そういうことを、ひとつひとつ記録していこう。

誰かにいじめの事実を伝える時には、ノートに記録していくだけでも、十分な証拠になる。それに今は、小さなカメラやレコーダーもあるから、いざという時に証拠を集めるための道具はたくさんある。嫌がらせメールが来たら、しめしめと保存しておこう。ネットいじめは、とても証拠が残りやすいんだ。

Q. いじめられていることを、誰に訴えればいいの?

A. 大人は、先生や親だけじゃない。自分のための「チーム」を作ろう。

いじめの事実を打ち明けられたら、具体的に解決してもらうためのチームを作ってもらおう。たまたま相談した大人が頼りない人だった場合、解決が先延ばしになったり、いじめを悪化させられてしまうかもしれない。

でも、見守ってくれる大人がたくさんいれば、問題解決のためのチャンスも増えるし、相談できる相手も多くなる。学校に伝えるときも、担任の先生だけじゃなく、できれば複数の先生に伝えた方がいい。信じられないことだけど、「いじめ隠し」をする先生もいてしまうからね。

担任の先生に伝えるのが難しい場合にも、別の手段はある。大人は、親や担任の先生だけじゃない。前の担任の先生、教頭先生や校長先生、保健室の先生やスクールカウンセラー、市の専門職の人や電話相談などに応じてくれるNPOの人など、たくさんいる。必要に応じて、弁護士やソーシャルワーカーを頼ってもいいんだよ。

いじめは担任の先生がなんとかするもの、というイメージもあるけれど、そうじゃない。もっといろんな人が関わりあって、早期に解決を目指すべきものなんだ。一人に頼り切ると、その人の能力に左右されてしまうという問題もある。

君には、安心して学校に通う権利がある。大人には、そんな子どもの権利を守る義務がある。学校は、いじめがあった時の早急なチーム作りの準備をしておく必要があるものだし、君はどんどん大人を利用していいんだからね。

Q. チクリは格好悪いのでは? 親や先生に相談することさえ、悪いと思ってしまう。

A. 相談もチクリも、弱いことでも悪いことでもない。自分のいる環境をマシにするための、アタリマエの行為だ。

「チクリはよくない」というのは、叱られたくないがために無理やり作られたオキテにすぎない。悪いことをしている自分がいけないのに、「チクッたやつ」のせいにしてごまかしているだけ。チクられたら困るからこそ告発は、卑怯なことでも何でもない。卑怯なのは、何よりいじめという行為なんだ。証拠をとり、正しくチクることが正解。周囲の人も、どんどんチクっていい。

また、いじめられていると打ち明けることは、恥ずかしいことでも何でもない。いじめは、君が弱い証拠ではなく、君がいるその環境がいまおかしくなっていることの証拠でしかない。

君より強い軍人やスポーツマンの世界だって、大人の世界だっていじめはある。被害者がどんなに強くても、その人を「弱らせて」しまうものなんだ。

Q. ネットで相談したら、「やり返せ」と言われたけど……

A. どんな「暴発」も、決して出口ではない。平和で楽しく生きられる道に進む権利がある。

まず知ってほしいことは、自殺は決してゴールではないということ。君のいる学校が人生の全てではないし、その外側にも世界はいくらでも広がっている。今の環境が自分に合わないからといって、社会の全部が敵だということにはならない。

それと同様に、復讐もゴールではないこと。よく、「強くなってやり返せ」「凶器でもなんでも使ってキレてしまえ」という意見をいう人もいるけれど、そういう助言をする人は、実際に君が行為に及んだとしても、何の責任もとってくれないだろう。結局、君だけが危険な目に遭うことになってしまう。

復讐が成功するかは単なる「賭け」。自分の評判が下がることを甘んじ、ヘタすればそれで人生を棒に振る可能性もある。そもそも、「復讐しさえすればいい」という考え方は、「反撃できないならいじめられてもしょうがない」という考え方につながっちゃう。

いつでも他の道はある。よりよいやり方はある。そのことをまずは知ってほしい。いじめなんかのせいで、人生を棒に振る必要はない。いじめなんかがない、楽しい時間をすごすための方法は、極端な暴発以外にも存在するんだから。

Q. いじめっ子が、いじめを認めないばかりか、開き直っている。

A. いじめっ子のイイワケにはパターンがあることを、みんなで知っておこう。

いじめっ子は、たいてい「いじめは叱られてしまうようなこと」だと知っている。だから「いじめるな」と叱られそうになると、「これはいじめではない」とイイワケをする。例えば、次のようなパターンがあるね。

★いじめじゃないと言いはる
…「単なる遊びやふざけ」「ちょっとからかってただけ」。
——被害者が苦痛を訴えているなら、加害者の意図がどんなものであっても、それはもう遊びやからかいではない。そのことに気づかず、行為を止める気もないなら、それはもう、いじめっ子以外の何物でもない。

★いじめられっ子のせいにする
…「いじめられっ子こそ悪い」「性格が悪いから見ているとイライラする」「懲らしめるのがむしろ相手のため」
——相手に何か悪い点があったとしても、叩いたり無視したり悪口を言ったりといった、いじめを行うことが正当化されることは決してない。

★逆ギレする
…「なんの筋合いがあって説教できるのか」「あなたに叱る資格なんてない」
——バツが悪くなり、相手を責め返したところで、加害者がしたことの問題は変わらない。責められたという事実から目を背けようとしても、責められるような行為をしたという事実は変わらないんだ。

★自分の責任を否定する
…「自分はそそのかされただけ」「やりたくてやったわけではない」
——仮にリーダーに命令されていたり、空気に流されたりしたとしても、いじめに加担したという事実があるなら、それは改めなくてはいけない。大人に通告するということもできたのにしなかったなら、それは立派な加害者だ。

★自分たちだけのオキテを主張する
…「あいつだけ輪を乱すから」「みんなの空気を乱すのだから、制裁されて当然」
——そのメンバーの間でしか通用しない理屈を振りかざしての暴力は、いつだってただのリンチでしかない。どうどうと社会のいたるところで実行できないのなら、そのオキテが「他所では通用しないおかしなもの」だと気づいているはずだろう。

たいていのいじめっこは、親や先生に対して、こういうイイワケをする。そういうイイワケを使う事自体、バツが悪いと思っている証拠。のらりくらりと逃げることを許さず、証拠で立ち向かい、大人達を巻き込んだ上で、適切な改善を求めていこう。

Q. 記録をとったら、そのあとはどうすればいいの?

A. 君の被害状況と要求に合わせて、大人たちに適切に動いてもらおう。

どんないじめにあったかを記録したら、自分はどうしたいか、相手にはどうなって欲しいか・どんなペナルティを与えて欲しいか、先生や親にはどうしてほしいかについて考えてみよう。
「相手に謝罪してもらい、いじめを起こさないとの確約させてほしい」
「別の学校に転校したい」
「保健室登校を認めてほしい」
「席替えをしてほしい、班替えをしてほしい、クラス替えをしてほしい」
「相手を出席停止にしてほしい」
「犯罪に相当するので警察に動いてほしい」。

いじめを止め、君が安心して生活していくための手段はいろいろある。君にピッタリの解決策はなんなのかを、君のためのチームと一緒に考えよう。

⇒悩んだときは、相談窓口情報ページ ( http://stopijime.jp/consultation/ )を利用して欲しい。君の相談に乗ってくれる人がたくさんいるよ!

2 編集後記

いじめに悩む児童・生徒の中には、このような解決方法を知らず、一人で悩んでしまう子どもも多いと思います。先生は、いじめについて個別に相談された時に限らず、クラスや学年全体に向けてこのような情報を提供すると、人知れず悩む子どもの助けになるのではないかと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 薗田誠也)

3 引用元

ストップいじめ!ナビ  http://stopijime.jp/
ストップいじめプロジェクトチームにより運営されております。

ストップいじめプロジェクトチームとは

解決への兆しが見えない「いじめ問題」に一石を投じようと、様々な分野の専門家らが有志で集まり、立ち上げた「離合集散型(アドホックな)」プロジェクトチームです。

メンバーは、子どもの声に耳を傾け続ける相談員や弁護士、ジャーナリストや自殺対策の専門家など。それぞれが持つノウハウや社会資源を結集させて、「いじめ問題」への具体策を提示・実現させていく試みです。

いじめを、子どもたちの一生(いのち)をも大きく左右しかねない重大な危機(リスク)と捉え、いまその渦中にいる子どもたちへの支援を多元的に行うことと共に、いじめの発生リスクをできるだけ抑制する学校環境(社会環境)作りを目指します。

大人たちが本気で「いじめ対策」に取り組む姿を、子どもたちに見せていければとも考えています。

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  • 相談窓口情報です。ぜひご活用下さい。 ◆チャイルドライン(18歳まで) …0120-99-7777  月~土 16~21時(東京,埼玉,栃木,山梨,愛知県は毎日16~21時)、年末年始12月29日~1月3日はお休み ◆24時間いじめ相談ダイヤル …0570-0-78310 ◆子どもの人権110番 …0120-007-110  月~金 8時30分~17時15分 ※祝日・年末年始(12月29日~1月3日)を除く

  • EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部) (6/30 2:31)

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