竹内まりや『毎日がスペシャル』で充実した生き方(坂本哲彦先生)

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目次

1.1 はじめに

この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。坂本哲彦先生のホームページはこちら→ http://p.tl/a-TK-

1.2 概要

(引用 http://sakamoto.cside.com/sakamoto2007/special.htm

【対象】

中学生

【ねらい】

竹内まりや「毎日がスペシャル」と大仏次郎の「小さなこと」について話し合うことを通して、日々の生活を豊かにする考え方と行為を見付けることのよさに気付き、自分なりに充実した生き方をしようとする態度を養う。

【学習内容】

竹内の言う「毎日がスペシャル」の意味

  • 毎朝目覚めることができるのが幸せであること(つまり、生きていることそのものが幸せであること)
  • 人生は、心の持ち方でどうにでもなること
  • ちょっとずつ年をとってゆくから、何でもない一日がすごく大切であること

大仏次郎の言う「小さなこと」の意味

  • よいことをする気持ちよさ
  • ごく小さい自分のしつけが、他のことでも自分を支配していること(小さいけれどよいことを続けるという習慣が、その他のよいことを自分にもたらすこと)
  • 考えているより、何か始めることが大切であること

自分の毎日をスペシャルにするための行動

【資料】

◆『毎日がスペシャル』(竹内まりや)
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=66257

フジテレビ系「めざましテレビ」のテーマソングにもなった曲。「毎日がスペシャル」というのは 、意外に気付かない発想。

◆『小さなこと』(大仏次郎)
道徳の副読本 暁教育図書中学2年

次の人が履きやすいように便所のスリッパを揃えること(人に親切にする小さなこと)を毎日ずっと続けていることで、人に不親切にするということができないようになっている。考えているよりも何か始めることが大切である。

1.3 学習指導案(45分授業)

『毎日がスペシャル』を聞き、感想を発表し合う。(20分)

  • 竹内まりやのCDを流し、ゆったりと聞く。できれば、1週間程度、昼食の時間にBGMとして聴かせておくとよい。歌詞を大判用紙に書いて、掲示するなどしておくと一層よい。歌詞を書くだけで、教師の気持ちが変化するかも・・・(何と言っても、この授業は、教師自身のためにやるようなものですから・・・授業参観にやるとすれば、教師と親のための授業になります。)

● 発問1:「平凡な毎日なのに、竹内まりやさんはその『毎日がスペシャル』 と言っていますが、どういう意味なのでしょうか、なぜ、毎日がスペシャルと言っているのでしょうか?」

  • 歌詞を大判用紙に書いて黒板に添付し、ゆっくり読んだ後、発問1を問う。国語の読み取りのようではないかと思う子どももいるでしょうが、大切なのは、叙述に即していようがいまいが、本人がこの歌詞からどう感じたかを出させることです。
  • (1)毎朝目がさめたときに、息をしていることそのものが幸せであること(幸せ=スペシャル)、(2)人生とは心の持ち方でどうにでもなること(幸せだと思えば幸せであること)、(3)誰もがちょっとずつ年をとってゆくから何でもない一日が実はとても大切であること の3点を順に板書しながら、「そのように感じたことがあるか?」「そう言われてみれば、そう感じないか?」「心の持ち方で気分が晴れたことはないか?」など、それぞれの経験を引き出させるための「問い返し」を行う。
  • 子どもの経験を引き出すとともに、教師からも「自分自身の経験やこの歌詞への思い、感想」を積極的に話して聞かせる。案外、このような教師の「語り」が、子どもの印象に残ったりするものである。
  • また、「・・・じゃなくても」という歌詞がこの歌を実感ならしめるフレーズになっているので、「・・・じゃなくても」の部分をそれぞれに作り合って、発表し合うのもいい。「今日が誕生日じゃなくっても 記念日じゃなくっても 給料日じゃなくっても」に続けて、たとえば、「金曜日じゃなくっても」「土日じゃなくっても」「塾がない日じゃなくっても」のように・・・。
  • そして、「毎日を幸せと感じ、充実した生活をしようとする心の有り様を大切にしたいものですね」とまとめるとともに、「ただ、そう思うだけではなく、何か、積極的な行動をするといいと思うのだけど、皆さんには、毎日が幸せだな、充実しているなと思わせるような行動・生活の具体を身に付けているでしょうか?」と問いかける。
  • そして、「ただ単に幸せと思うだけではなく、そう思えるような、そう実感できるような具体的な行動を見付けてみましょう」と投げかけ、「大仏次郎さんの『小さなこと』という話を読み聞かせる。

『小さなこと』を読んで話し合う。(20分)

● 発問2:「『ごく小さい自分のしつけが、ほかのことでもわたしを支配しているように思う』とあるが、どういう意味なのだろうか。」

  • 「何かひとつでもいいから、自分がこうしようと決めたことをずっとやり続けていると、そのやっていること以外でもいい加減にすることができなくなるという意味」「『親切』なことをひとつ続けてやっていると、その他のことでも『不親切なこと』をすることができない。」ということ。
  • 『』の部分には、例えば、『勇気の必要なこと』、『人に協力すること』、『正直であること』、『元気よく挨拶すること』、『礼儀正しくすること』、『約束を守ること』、『進んで働くこと』などいろいろな価値(人間としてよい行い)が入る。これらを自由に考えさせてみるのもよい。
  • また、これらのことを毎日少しずつ続けていると、「他のことでも自分を支配しているように思う」、つまり、「毎日がスペシャルになる」、そのためには、「考えているより、何か始めることが大切である」ということにつなげて理解させることが大切である。

再度『毎日がスペシャル』を聞く。(5分)

●発問3:「『毎日がスペシャル』を聞きながら、頭の中で、今日の学習のまとめをしましょう。そして、『毎日をスペシャルにするための何か小さなこと』を日記に書いてきましょう。」と促す。

ちなみに、小泉周二や秋葉てる代の詩もなかなかいいです。併せて読み聞かせるといいでしょう。学級通信でもいいです。
http://homepage1.nifty.com/moritake/poem/atarasihito.htm
http://homepage1.nifty.com/moritake/poem/mitoiuzi.htm

1.4 4.編集後記

 なんでもない毎日の中に、実は多くの幸せが潜んでいるということを考えさせる上で、歌を用いた点がこの実践の良いところだと考える。歌は、生徒の関心を強く惹くことができる。私自身も道徳で聞いた歌をいまだに聞いているほどである。
(編集・文責EDUPEDIA編集部 宮崎雅人)

1.5 5.実践者プロフィール

 坂本哲彦(さかもとてつひこ)

山口県山口市立徳佐小学校教頭。

1961年生まれ。

山口大学卒業、山口大学大学院修了。

山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。

自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。

坂本哲彦 道徳・総合のページ

http://sakamoto.cside.com

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