1 はじめに
本記事は、建物の総合安全性と快適な居住空間をテーマに研究をしている日本女子大学石川孝重研究室によって執筆されました。「総合的な学習の時間」で行う防災教育として、特に小学校高学年生を対象とした実践を紹介しています。
下記のURLから基の実践をDLし、教材として使用することができます。
2 学習のねらい
自宅から避難場所までの街中のさまざまな危険を知り、自ら考え身を守るための避難経路を見つけることを学ぶ。
3 児童の思考
地震が起きたらどう動けばいいかわかった。覚えたことを家族に教えてあげたい。
4 学習のながれ(6/16時間)
5 学習内容の詳細
導入
(1)本日の学習について知る(10分)
○イラストを見ながら、「これからぼくたちどうするの?」の質問をする。
避難場所に行くという答えが得られれば、避難場所に行く理由を改めて説明する。
○避難場所の必要性を教える。
自宅を耐震工事や家具止めなどをしていなければ、自宅では家具が散乱したり倒壊の危 険があって住める状態ではなくなってしまったり、また大規模な火災が発生した場合は自宅では危険なので、避難場所へ逃げなければならなくなる可能性があるため。
これから、避難場所まで行く間の街中の危険を知って、危険を回避していこうということを伝える。
展開
(2)避難経路ゲーム(20分)
優太とママが無事に避難場所まで生きて行けるために、地震発生後、避難する際の避難経路を見つけるゲームである。正しい道を行けば生きて避難場所まで行ける、間違った道を行けば大怪我をしてしまうかもしれない、ということを伝え、実際に被災した際のイメージを作らせる。シンキングタイム(2分)のうちに班でどちらの道を選ぶか話し合い、避難経路を選択する。 その際に、危険な箇所を考えながら選ぶとよいことを伝える。その後、意見の発表(5分)の中で班ごとに選んだ道とその理由(見つけた危険な箇所など) を発表させる。
※どちらの道が正しいかよりも、危険な箇所を自ら考えることが大切なので、どちらが正解かは、子どもの意見をもとにクラス全体で話し合って決めるとよい。
◆地震発生後のイメージと、押さえておきたいポイント
(3)危険な箇所のまとめ(10分)
話し合った内容を整理して、どのような箇所が危険になるのかをまとめをさせる。答えを何人かの児童に聞き、必要であれば適宜、補足説明をする。
まとめ
(4)本学習のまとめ(5分)
学校帰りに今回の授業で学んだ危険な箇所を探し、もしも危険な箇所がある道を歩いていたらどのように逃げればいいかを考えてみよう、と投げかける。日ごろから危険な箇所を知り、対応を考えることで、いざというときに出来るだけ安全な道を選ぶことができるということを伝える。
6 学習指導案
7 ワークブック
児童に配布し、授業の展開を補足するためにお使いください。
この実践はP12〜15に対応しています。
▽ダウンロードはこちらから
8 編集後記
避難するまでにも危険は潜んでいます。避難経路を確認し、どんなところに危険があるのかを普段からチェックしておくことが大切です。何気なく歩いていたいつもの道が、まるで違った景色に見えてくるはずです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 齋藤千秋)
9 協力団体紹介
日本女子大学家政学部住居学科 石川孝重研究室
建築物の構造安全や防災、住教育を専門とする石川孝重教授の下、建物の総合安全性と快適な居住空間の確立をテーマに、建築物の設計や性能、安全性、防災のほか、建築法規、建築物の維持管理まで、多岐にわたる研究を行っている。
また、研究成果の情報発信や防災教育の普及にも取り組んでいる。
●今回ご紹介した内容はこちらをご参照ください
http://p.tl/0fdM
●石川孝重研究室に関する情報はこちらをご覧ください
http://p.tl/xLH2
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