職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編④-白銀師-

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目次

1.はじめに

本記事は文部科学省から許可を得て、文部科学省動画チャンネル上の「文化財のプロフェッショナル」を掲載させていただいております。下記のURLとあわせてご覧ください。

http://www.youtube.com/playlist?list=PL76F2B447B13008E4

また本記事は「職人技に触れてみよう!伝統技術日本刀編」の一部です。

2.概要

まず、白銀師について紹介します。その後、①白銀師とはどういう職人なのか ②白銀師の職人技とはどういうものなのかの2点を軸に、動画を用いながら迫ります。本記事と並行して以下の動画を鑑賞されることをおすすめします。

日本刀の職人たちVOL3 白銀師

3.白銀師(しろがねし)とは

日本刀には刀身が鞘に納まった時に鞘に触れるのを防いだり、柄と刀身を固定したりするための金具、つまり「はばき」というものがあります。この「はばき」を、刀身1つ1つの形に応じて美的センスをもって製作しているのが白銀師です。

4.インタビューを通して白銀師という職人に迫ろう

野口沙耶さん

一番緊張する瞬間はいつか?(2:03~2:15)

きめこぎです。刀に合わせてやる仕事が一番緊張する。刀を傷つけたら終わりなので、怖いです。

なぜ白銀師になったのか?(2:37~2:57)

最初は刀鍛冶になりたかったんです。職人さんについて調べていく中で、ある方の本の中にはばきが載っていました。それに魅了され、調べていくうちにどんどんはまっていきました。そしてやってみようと決意しました。

刀の魅力は何か?(4:00~4:07)

鉄の地肌の美しさと刃物の中の働きです。

今何年目か?(5:15~5:17)

3年目です。

技術を身に付けるうえで難しいところは?(5:18~5:35)

こういう技術は何回も何回も繰り返し、反復練習しないとできません。何回も失敗しないと分からないことが難しいです。

嬉しいときは?(6:24~6:31)

お客さんに納品したときに、きれいだね、よくできましたと言ってもらったときです。

男性社会の中で働いた気持ちは?(6:32~6:41)

やっぱり独特な世界なので、まだ戸惑いはあります。

5.白銀師の職人技に迫ろう

はばきとは(0:39~1:05)

刀身を鞘の中で浮かす役割を担っているので、これがないと刀身がガタガタ揺れて、鞘の中で動いて錆になったり、刀を前倒しにしたときにするっと抜けてしまったりします。はばきにはしっかり刀身を鞘に納め、固定するという役割があります。

火造り(ひづくり)(1:05~2:02)

切り出した素材を熱して、金槌で叩きのばし、折り曲げ、刀身に合わせて形をつくります。素材には銅・銀・金が使用されることが多いです。

固定(2:16~2:37)

はばきの外側にあたる部分に、区金(まちがね)という細棒を入れ針金を固定します。

鑞付け(ろうづけ)(2:57~3:58)

刃区(はまち)側に硼砂(ほうしゃ)を塗り、区金(まちがね)を挿しこみ、さらに銀鑞(ぎんろう・合金のこと)をおいて加熱して、はばき本体と接着します。

鍛造(4:07~5:15)

鑞付けが済んだ下地を茎(なかご)に合せ、金槌で叩いて、押し上げ、区(まち)におさめるようにします。刀身を傷つける恐れがあるため、高い集中力が求められます。

整形(5:36~6:00)

他種のヤスリを用いて、はばきの形を整えていきます。

金着せ(きんきせ)(6:00~6:23)

機能と共に表面的な美しさを備えるために、薄い金の板を被せ、その上からヤスリやたがねで装飾を施し完成させます。

6.おすすめサイト

以下は、関連記事です。

人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編① | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編②-刀鍛冶- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編③-研師- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編④-白銀師- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑤-鞘師- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑥-塗師- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑦-柄巻師- | EDUPEDIA

職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑧-装剣金工- | EDUPEDIA

日本刀についての情報が掲載されているホームページです。
○備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里
http://p.tl/X-d6

○公益財団法人 日本美術刀剣保存協会
http://www.touken.or.jp/index.html

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 井上頌美)

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