語彙数を増やそう!~【新聞音読】始めました。「わからない」を自覚することの大切さ~

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目次

1 1.【会話が単語!】

言葉のテストをする度に思うことがある。
「ちゃんと理解している言葉がとても少ない」
「曖昧なままでスルーしてしまっていることが普通になっている」

最近の子どもたちの様子を見ていると「会話が単語」だと感じる。
その瞬間の盛り上がりや雰囲気だけで、内容があまり感じられない。

語彙の少ない子は小学生の中学年までは努力で持ちこたえていても、後々やはり伸びなくなる。それは複雑な問題の意図が読み取れなくなってしまうからなのではないかと思っている。

何とかしなければ!

ということで、「新聞音読」という課題を考えた。

2 2.【新聞音読】

「新聞音読」は読んで字のごとく、新聞を音読する課題である。
どれだけ読むか。それはわからない言葉が5個出てくるまで。
わからない言葉が見つかれば見つかるほど、早く終る宿題だ。

手順を簡単にまとめよう。

  1. その日の朝刊から興味のある記事を見つける。(新聞を取っていない子には学校の古新聞を渡した。)
  2. わからない言葉が見つかったら、マーカーで線を引いていく。
  3. マーカーで印をつけた言葉を自主学習ノートに書き出す。
  4. 辞書を引いて調べ、その意味を手短にまとめて書く。
  5. その日一番勉強になったと感じた言葉を赤丸で囲む。

3 3.【各手順の意味】

①興味のある記事を見つける

誰だって興味のないものを無理やり読まされるのは詰まらない。
せめてその日の記事の中から興味のあるものを選ぶ権利ぐらいは欲しい。
興味のあるものを探すためにはある程度全体を見渡す必要がある。
そうすれば、自然と見出しを見て探すスキルが身につくだろう。

②わからない言葉にマーカーで線を引く

「普段、聞いたり使ったりしている言葉の中にも本当の意味で理解できていない言葉がある」という感覚をもってもらうことが必要だと考えた。
子どもたちは自分たちが理解できていないことにも気付いていないようなのだ。
「わからないことがわかっていない」

これが一番怖い。

5個で終わりにしたのも「わからない」ことに対する感度を高くするための工夫のひとつだ。

③自主学習ノートに書き出す

わがクラスの子どもたちは毎日最低2ページは自主学習を行う。
と言い切れるのは、ページ数をノルマにしているからだ。
とっても凝ったことをしてすごく時間をかけている子もいるが、筆算なんかをやって簡単に終わらせている子もいる。そこは子どもたちの生活に合わせて自由にやれるようにしている。

その中身のひとつに【新聞音読】が加わったという形。

④その意味を手短にまとめて書く

丸写しは勧めていない。長いと辛いし、わかった意味を自分の言葉で説明できる方が意味があると思うからだ。
まとめる方が頭を使うし、効率よくまとめるっていう訓練はすごく大事だと思う。

⑤一番勉強になったと感じた言葉を赤丸で囲む

毎朝、朝の会で【今日の言葉発表会】をすることにした。
各班で前日の学習で気になった言葉とその意味を発表する。
共有することで語彙数のアップが図れるし、中には「みんなを驚かせる言葉を見つけよう」と思ってくれる子が出てくるかもしれない。

4 4.【「わからない」を自覚することの大切さ】

こうやって「わかっていない」ことを自覚し、調べて書きためていくことを続けていこうと思う。

まさに「無知の知」(ソクラテス)だ。
大人だって偉そうな顔しても、知らない言葉は山ほどある。
知らないことはちっとも恥ずかしいことではない。

1日5つ。
10日で50。
1月で150。
1年では18000語以上になる。
1年間で平均的な小学生の語彙数を超えることができそうだ。

ちなみに
「図説日本語」林大監修(角川書店)によると、
小学生レベル: 5千~2万語
中学生レベル: 2万~4万語
高校生レベル: 4万~4万5千語
大学生レベル: 4万5千~5万語
だそうである。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所が
語彙数推定テスト
http://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/resources/goitokusei/goi-test.html
を公開している。
一度チャレンジしてみてはいかがだろうか?

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