1.はじめに
本記事は文部科学省から許可を得て、文部科学省動画チャンネル上の「文化財のプロフェッショナル」を掲載させていただいております。下記のURLとあわせてご覧ください。
http://www.youtube.com/playlist?list=PL76F2B447B13008E4
また、本記事は「職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編」の一部です。
2.概要
まず、装剣金工について紹介します。その後、まず、装剣金工について紹介します。その後、①装剣金工とはどういう職人なのか ②装剣金工の職人技とはどういうものなのかの2点を軸に、動画を用いながら迫ろうと思います。本記事と並行して下の動画を鑑賞されることをおすすめします。
日本刀の職人たちVOL7 装剣金工
3.装剣金工(そうけんきんこう)とは
完成された刀身に肉感を持った立体的な造形美術です。完成された刀身に肉感を持った立体的な造形美術です。日本刀の美しさをさらに引き出す芸術といえるものでもあります。
4.インタビューを通して、装剣金工という職人に迫ろう
木下宗風さん
彫師になるにはどれ位の修行が必要か?(3:57~4:17)
私がこの仕事を始めて、11年。免許も資格もないので、やってるよと言えば1年目でもできるが、やはり認めていただけるには最低5年くらいはかかります。
どのような勉強をするのか?(4:18~4:53)
宗教的要素があるから、宗教の勉強をかなりしなくてはなりません。だから文献を読んだり、分からないところは神主様や住職様にお伺いすることを積み重ねます。彫りにも厳格なルールがあります。それにのっとってやらないと、刀を駄目にすることがあります。だから最低限のルールは知っておかないといけません。
5.装剣金工の職人技に迫ろう
刃身彫り・鐔工(つばこう)(0:39~1:24)
権力の象徴としての彫り、実用的な刀鐔、信仰を表す鐔字や龍など、多種多様な文様が彫られます。鍛え抜かれた刀身にほどこす肉感を持った造形美術は日本刀の美しさをさらに引き出す日本独自の芸術です。
刀身彫刻を彫る理由は?(1:45~2:32)
もともと日本刀の彫りは信仰的・宗教的要素が含まれています。今は龍を彫っていますが、龍ひとつ彫るのも、掘り手によって意味合いが違ってきます。昔の彫りには必ず意味があります。私が彫る場合にも意味があります。今回は昇り龍、人の願いを天に届ける龍です。裏面には祈平安(いのるへいあん)と漢字で彫っています。
刀身彫刻の図柄はどういう意味があるのですか?(2:33~3:30)
こちらに向かっているのが降り龍。天からのお知らせを人々に届けるという意味です。切り先に向かっているのが、昇り龍。人々の願いを天に届けるという意味合いです。江戸時代以前の彫りは非常に単純な彫りで、必ず宗教と結びついています。江戸時代以降になると、花鳥風月を彫るようになり、派手な、一般の人に受けるような意味合いに変化しました。だから、いかに目立つのかや芸術的な意味合いとなっています。
刀身はそのまま彫り出すのですか?(3:31~3:39)
墨で下絵を描いて、それからその通りに彫ります。
図柄はどのようにして決めるのですか?(3:40~3:56)
ご相談することもあるし、あるいは注文主が例えば龍で彫ってくれとか、花を彫ってくれとかになるとこちらでデザインを決めて、これでいいですかと承認を得て彫り始めます。
どんな道具を使って彫っていくのですか?(4:54~5:14)
たらね・ふく槌です。力の大きさによって、種類があります。
備前伝とその他の違いは何ですか?(5:15~6:34)
多くの刃を見ていくことを通して、鉄の色や模様・刃の形などをみて分かるようになります。備前伝の特徴さえ理解していれば、どんなに形が変わっても見分けがつきます。
時代によって備前伝の刀はどう変化をしてきたのですか?(6:35~7:01)
刀全体に言えることですが、騎馬戦の時は太刀、一対一の戦いのときは短い、早く抜ける刀など戦闘様式によって変わってきています。
6.おすすめサイト
以下は、関連記事です。
人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編① | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編②-刀鍛冶- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編③-研師- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編④-白銀師- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑤-鞘師- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑥-塗師- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑦-柄巻師- | EDUPEDIA
職人技に触れてみよう! 伝統技術日本刀編⑧-装剣金工- | EDUPEDIA
日本刀についての情報が掲載されているホームページです。
○備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里
→ http://p.tl/X-d6
○公益財団法人 日本美術刀剣保存協会
→ http://www.touken.or.jp/index.html
7 7.編集後記
1つ1つの職人技を目にし、また職人の想いも知り、日本刀に対する見方が変わりました。作られる工程を知ることは、その物への新たな視点を獲るきっかけになるのかもしれません。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 井上頌美)
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