分かりにくい教え方とは?何が生徒を置いてけぼりにするか(早稲田アカデミー 牛嶋孝輔先生)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

I studied English three years ago.
「私は3年前に英語を勉強した。」
「英語を身に付ける」という目標に向かって、英語の教科書や辞書などを使って「努力した」という意味。

I learned English three years ago.
「私は3年前に英語を身に付けた。」
英語が話せる、読めるなどの「目標を達成した」という意味。

生徒に「教える」が目指すものは、生徒に study
させるだけでなく learn させること。つまり、

生徒に身に付けさせること、時間が経過してもその知識や技能を生徒が忘れないようにするということ

です。(牛嶋先生談)

生徒が忘れないような分かりやすい教え方とは何か。そのことを考えるために、本記事では分かりにくい教え方について分析します。

2 「分かりにくい教え方」(駄目な教え方)の特徴

1.情熱がない。

早稲田アカデミーの教育理念は「本気でやる子を育てる」です。
「有形の教材やカリキュラムのシステム開発も大切ではあるけれども、塾という生きた教育の現場には、

熱い血の通った教師が真剣な授業をするという無形の風土

それを構築していくことのほうが大切だ。そんな環境の中でこそ、子供たちの心に信頼と、本気で頑張ろうという精神が芽生えるのだ。勉強にはそれが何よりのモチベーションになる」と瀧本社長が常々お話になっています。
生徒を見ないで淡々と教科書を棒読みしている授業なんて何の魅力もありませんね。

2.力みすぎている(空回りしている)。

どんなに講師の側に情熱があっても、生徒の気持ちとかみ合っていなければ空回りしてしまいますね。それはぬかるみに車輪がはまった車が、地面の状態を無視して、思い切りアクセルを踏んでいるような状態です。

3.押し付けがましい。

力み過ぎない適度な情熱があっても、「俺の言う通りにやっていればいいんだよ!」と強制したり、「どうしてお母さんが言った通りに出来ないの!」と叱ったりする教え方では、生徒の反発を招きますね。生徒の共感を呼び起こし、学ぶ意欲を引き出すことはまずありません。「北風と太陽」の話の「北風」のようなやり方では、生徒のマントをぬがすことができません。

4.褒めない(叱ってばかり)。

褒めることの出来ない先生の下で怒鳴られてばかりいては、生徒は萎縮してしまいます。かえって学習効果が落ちてしまいますね。

5.一方通行である(双方向ではない)。

生徒がミットを構えていないところに、直球や変化球を投げても受け取ってもらえません。時として怪我をさせてしまいます。先にも述べましたが、生徒の「個性・才能というボール」を受け取ることが、自分の「知識や経験」を投げる前に必要なのかもしれません。

必要なのはキャッチボールの感覚です。いつの間にかドッジボールにならないように注意をしなくてはなりません。

6.詰め込みすぎ。

食べ過ぎたり、固い肉をよく噛まずに飲み込んだりすれば、消化不良になります。一度に多くのことを詰め込もうとしてもかえって効率が悪くなってしまいますね。適度な量を適度な時間で食べるからおいしいのです。

3 牛嶋先生の失敗談

分かりにくい教え方をしてしまった経験談を牛嶋先生にうかがいました。

経験も豊富で、生徒や保護者から信頼される講師と言われるようになったこの私も、授業や研修で生徒の前に立つ時に、「分かりにくい教え方」をしてしまう危険性を常に持っていると思っています。

ある時、私の研修を見学してくださったインストラクターの方から厳しい指摘を受けたことがあります。

「今日の研修に点数を付けると30点です。その理由が分かりますか。」

「牛嶋上席本来の授業を知っている私としては残念でなりません。ものすごく力が入っていましたね。分量も多すぎたようです。」
頭を殴りつけられたようなショック。初回はうまくいった。しかし今回はよくなかった。しばらく考えて、2時間の研修の中の自分を振り返ってみました。
「前回テキストの中で扱えた内容は6割。扱えなかった4割を今回は全て伝えなくてはという反省が裏目に出てしまったのです。一つひとつの説明が早口なり、口調は厳しく、間が失われていました。生徒を観る時間がほとんどなかったのです。」
そう語ると、そのインストラクターはニコリ。次のような言葉をかけてくださいました。
 
「安心しました。研修も授業も一緒。牛嶋上席の求める最高の研修(授業)をこれからもどうぞよろしくお願いします。」

4 編集後記

分かりにくい教え方とは生徒の目線に立つことができていない指導のことではないでしょうか。生徒の目線に立っていないから詰め込みすぎてしまう、あるいは褒められないのだと思います。逆に生徒の目線に立っていれば分かりやすい教え方であると言えます。本記事のポイントと逆の指導をすれば分かりやすい指導ができるのではないでしょうか。
(編集・文責 EDUPEDIA編集部 徳川龍一)

5 講師プロフィール

牛嶋孝輔 (うしじま こうすけ)

早稲田アカデミーで25年間勤務。教育事業推進部事業推進課上席専門職「教師力養成塾」チーフインストラクター。授業開始時3分間の重要性を「学習する空間づくり」という形で、小・中・ 高・大や私塾での指導に力を注いでいる。社内外の研修、講演活動等を担当。NPO法人Teach For Japan 研修開発部顧問。


教師力養成塾e-講座(http://youseijuku.jp/) 

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〜2014年度年主な協働の履歴〜

東京都足立区初任者教員研修年間サポート(http://bit.ly/19gImkH
東京都その他の区でも初任者教員夏期宿泊研修や校内研修を担当

大阪市スキルアップ講座(http://bit.ly/1EpnH7d

大阪府立佐野高等学校校内研修(http://bit.ly/19gH9tr

沖縄女子短期大学教育方法論(特別講義)(http://bit.ly/1DKvkEX

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