1 はじめに
本稿は平成24年2月21日に行われました、「平成22・23年度 港区立教育委員会研究パイロット校 港区立青山小学校研究発表会」における、小澤拓哉先生(2012年度で転任)のICTを活用した授業実践です。
2 ICT活用のポイント
1 授業形態
個別学習
2 ICTの主な活用者
児童・担任
3 ICTを活用する場面 展開場面
- 教師による学習状況の把握(教師用タブレットPC)
- 児童による個別学習(児童用ノートPC・インタラクティブスタディー)
なお、インタラクティブスタディーの詳細はこちらです→http://www.study.gr.jp/product/istudy/index.html
3 ICT活用で期待される効果
教師用タブレットPC
児童の学習の進捗を、児童各々がもつPCの学習ソフト=インタラクティブスタディーと教師のタブレットをリンクさせることで、タブレットの画面上で確認できます。
これによって教師はリアルタイムで児童の学習状況を把握することができ、学習が滞っている児童に対してすぐに支援を行えます。
なお児童の名前はPC毎になすさんやきゅうりさんと言ったようなコードネームで表示されています。
児童用ノートPCとインタラクティブスタディー
- 児童が自分のペースで個々の課題に応じた補充問題や発展問題を行うことができる。
- 1問ずつ表示され正解することで次の問題に進める。
- 答えを選択する形ではなく、直接入力する。
- 問題は計算問題から文章問題までと多岐に渡り、下記にある目標が達成できているかを判断できる問題構成になっている。
なお、計算はノートに書くことの旨が画面上に表示される。計算ノートは授業後に教師が回収し計算過程などをチェックすることができる。
インタラクティブスタディーを使った他の実践はこちら→
http://www.study.gr.jp/case/practice/index.html
4 本時のねらい
2けたをかける筆算の仕方を理解し、計算ができる。
5 授業内容
2桁の数をかけるかけ算の筆算の仕方について一度は学んだ児童を対象に、目標の達成度・誤答傾向を診断し、診断結果に応じて補充学習と発展学習を行います。特に、2桁の数をかけるかけ算の筆算の仕方がわからない生徒のための補充を重視しています。
教師はタブレットを用いて、常に児童の学習状況を把握することで、児童それぞれに対し個別で支援を行います。
目標例
- 1桁×何十
- 2桁×何十
- 何十×何十
- 2桁×2桁 積3桁・繰り上がりなし
- 2桁×2桁 積3桁・繰り上がりあり
- 2桁×2桁 積4桁・計算の途中が3桁・3桁
- 2桁×2桁 積4桁・繰り上がり2回
- 2桁×2桁 計算の途中が3桁・2桁
- 2桁×2桁 計算の途中が2桁・3桁
- 2桁×何十の筆算
- 1桁×2桁
- 3桁×2桁 計算の途中が3桁×3桁
- 3桁×2桁 計算の途中が4桁×4桁
- 3桁×2桁 かけられる数の十の位空位
- 2桁をかけるかけ算の文章問題
応答カテゴリー
それぞれに応じた補充問題を用意しています。
- 何十をかけるかけ算で、0を付け忘れてしまう。
- 何十×何十のかけ算で0を1つ付け忘れてしまう。
- 繰り上がりのある計算の最後のたし算で、繰り上がりの数を足し忘れてしまう。
- 繰り上がりのある計算の部分積を求めるときに、繰り上がりの数を足し忘れてしまう。
- 繰り上がりのある計算のとき、位に関係なく九九の答えをそのまま書いてしまう。
- 被乗数と乗数の一の位どうし、十の位どうしをかけてしまう。
- 被乗数と乗数の十の位との積を、一の位から書いてしまう。
- 被乗数と乗数の一の位との積が3桁のとき、十の位との積を一つ左の位にずらして書いてしまう。
6 前提条件
①2桁×1桁、3桁×1桁の計算ができること。
②かける数が2桁のかけ算の筆算の仕方を一度は学んでいること。
7 指導計画
8 編集後記
ICT教育が一般に普及するまでにはしばらく時間が必要でしょう。しかし、先生にとっては一人一人の児童の学習到達度をリアルタイムで知ることができるというメリットがあります。また、子供たちが自分のペースで学習をどんどん進めている様子が見られました。教育環境の改善に関して非常に可能性を感じた授業です。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 細木和樹)
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